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台湾体験ーーローカルの旅。情熱の市場に出会う

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文/大原弘達     写真/宋育玫

 街を散歩するのは好きだ。何も考えずに都市を散策してみると思わぬ発見があったりする。閑静な住宅街にさりげなく散在している可愛い雑貨屋さんやおしゃれなカフェだとか、オフィス街やここはまさにショッピングをするための場所だと思ったところに昔は盛んであったろう商店街の跡のようにして八百屋や精肉店がそこに存在していたりする。そんな商店街の痕跡のようなものに触れると何故だか不思議と懐かしくなったりする。


 そんな風に考えてみると台北は不思議な場所だ。今僕がいるのはまさに世界で最も高かったあの有名な101のすぐ近くだというのに、ここは不思議なくらいローカルで活気に溢れている。それはちょっとした懐かしい温もりというよりもむしろ情熱に近い。日本の商店街の悲しくも廃れてしまうような気配は微塵も感じない。むしろそこは熱気に溢れたカオスだ。その人だかりはまるで日本の朝の通勤電車のようにゴミゴミしているし、八百屋の隣にまた八百屋、精肉店の隣にまた精肉店、日本じゃ考えられないほどの多くの店が、(しかも本当に同じようなお店が隣り合わせに)並んでいて、お店の人は互いに大声を出しながら客を集めている。お客も順番などはおかまいなしに値段をきいたり、お金を払ったり。こんなに忙しいにもかかわらずこれほど多くの客を一度に相手にするなんて、どんな頭の回路をしているのだろうか、と関心してしまう。




 やはりここは亜熱帯。パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴーなど亜熱帯ならではのカラフルな果物が並び、他にも真っ赤に染まったイモや何やらものすごく細長いナス、短く太ったバナナなど、野菜や果物も日本とはまた違う。そしてここには鍋やら雑貨、他にも路上で堂々と下着までもが売られていたりと、色々な意味で何やらとても新鮮だ。また、よく観察してみると市場にやってきた近所のおじちゃんおばちゃんはそこで活き活きと世間話や何やら話に花を咲かせている。買い物だけではなく、人人の集まる広場としても、ここはまさに彼らの生活にとって不可欠な場所なのだ。今も活気良く残るその市場はまさに田舎のようで、台北という都市の中にうまく溶け込み、不思議と懐かしさや人情味に溢れている。





 さて、市場で仕入れてきたものを一緒に料理させていただいた。ナスの炒め、ハマグリの炒め、卵焼き、きのこの炒め。そう、台湾は何でも炒めてしまうのだ。しかもどれもにんにくや、九層塔と呼ばれるハーブが使われている。果たして薬味と肉や野菜、どちらがメインなのだろうか。


 僕はすっかりハマグリが気に入ってしまった。特別何か強い味がするというわけでもないのだけれど、一口口に入れるだけど独特な匂いが一瞬にして口の中に広がる。塩っ気も強くこの料理お酒によく合う。ここで台湾のあっさりと辛い台湾ビールをみんなで頂いた。ローカルな食にローカルな酒、地元の人もこのようにして一日の終わりを楽しんでいるのだろうか。機会があれば試してみてはどうだろうか、情熱に溢れた台湾の日常を。




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