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TOPICSーーアジアの芸術文化をテーマに 「故宮南院」2015年12月に開幕

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アジアの芸術文化をテーマに
「故宮南院」2015年12月に開幕
──国立故宮博物院 馮明珠院長にインタビュー


国立故宮博物院は昨年度参観者が540万人を超えた。文化交流の発展と台湾観光の好調を支える最重要施設として、十二分にその役割を果たしている。そして、いよいよ2015年12月、アジア芸術文化博物館としての使命を負った「故宮南院」が正式オープンする。展示の内容とともに、建築そのものが注目を集めている南院について、国立故宮博物院の馮明珠院長を訪問し、設置の意義と特色、当面の計画をうかがった。以下はインタビューの内容を整理したものである。文責は編集部。

 

台湾中南部の文化・社会・経済の発展を期して、2004年、国立故宮博物院の「南院=南部分館」を嘉義県太保市に設立することが決まりました。「アジア芸術文化博物館」。中華圏では初めての「アジア文化」を主題にした博物館であり、台湾の地方都市にとっては貴重な国立博物館として計画されました。この間五人の院長の奮闘努力が実って、ついに今年12月に正式に開幕できる運びとなりました。


水墨画をコンセプトに
 「故宮南院:アジア芸術文化博物館」は大元聯合建築師事務所の姚仁喜建築師の設計によるものです。中国伝統の水墨画の世界に伝えられてきた「濃墨」「飛白」「渲染」という三つの技法が設計の理念となっており、これらは中華・インド・ペルシャという三大文明の交錯と交流を象徴しています。

 「濃墨」の特徴は西側の建築に表れています。スチールと石材を基調にした貯蔵庫と展示空間はとても重厚な印象があります。「飛白」は、ガラスカーテンによって構成される建築で、東側に位置しています。弧状をなすラインが優美で、屋外の景色を取り込んだ透明感のある建築です。また「渲染」は博物館につながる中庭とそのオブジェを指しています。

 故宮南院は環境に配慮されたエコ建築です。主建築がすえられた人工湖は景観のほか、洪水・旱魃に効果を発揮するよう設計されています。36ヘクタールに及ぶ敷地には将来、レジャーパークや宿泊施設も併設される予定で、南院の多彩な魅力をご理解いただけるでしょう。


開幕を彩るアジア展
 中華文化は東アジア文明の一角を担っています。陸にも海にもシルクロードはあり、アジア各地の文化交流をになってきました。わけても台湾・日本・韓国は文化交流が密切でありますが、近年は東南アジア各地からの移民がエキゾチックな色彩を持ちこんでくれています。故宮南院の開幕展は、こうしたアジアに目を大きく開いた観点から企画されました。内容は、常設展が五つ、特展が三つ、国際展が二つです。以下に紹介しましょう


○常設展:「芳香遥かに-アジア茶文化展」。「茶郷-中華茶文化」「茶道-日本茶文化」「茶趣-台湾功夫茶」という三つのゾーンに明代茶寮・日本茶室・台湾現代茶席が設置されている。阿里山茶をはじめアジア各地の茶処が紹介される。


特展:「崑崙を越えて-イスラム玉器特展」。清朝乾隆24年(1759年)、新疆ウイグルが清朝の版図に入って以降、皇帝の希望によりイスラムの玉器が大量に流入し、玉器文化を一変させた。本展では中央アジアのほか南アジア・インド、西アジアトルコなどの王公貴族が愛用したイスラム玉器をご紹介する。院秘蔵の文物で、台北故宮でも未公開のもの。


 2014年には日本の東京や九州で「国立故宮博物院-神品至宝展」を開くなど国立故宮博物院は世界の博物館と交流を重ねてきました。今回開催予定の「揚帆万里-伊万里磁器特展」も大阪市立東洋陶磁器美術館から提供を受けた161組、そして故宮秘蔵の伊万里13組をあわせて紹介しようという特別企画です。


アクセスを強化します
 利用者の便宜を考えて故宮では、高速鉄道・台湾鉄道にシャトルバスを組み合わせた公共交通システムを検討中です。さらに台湾鉄道太保駅からレンタサイクルで南院へ、というプランもあります。また交通部観光局とともに雲林・嘉義・台南の周辺スポットと結んだパックツアーも考慮しています。故宮南院二日コース・三日コースでは、台北故宮と故宮南院両館の入場券と高速鉄道チケットを組み合わせたプランも含まれています。さらに高雄文藻外語学院と提携して英語・日本語・韓国語・フランス語・ドイツ語など多彩な言語のボランティアガイド1200名を養成中です。日本の皆さんもどうぞ安心して足をお運びください。


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