「小吃」とは台湾風のスナックのこと。そのほとんどが中南部で誕生したものといわれる。古都台南と並ぶ美食どころとして知られる彰化には、爌肉飯・肉圓・猫鼠麺・芋丸といった名物がある。老舗が軒を並べる風情ある街並みと併せて、彰化市と鹿港鎮を中心に、郷土色いっぱいの庶民の美食を紹介しよう。
「彰化小吃」は2016台湾美食展で
彰化「小吃」にチャレンジしたい方はぜひ台湾美食展へ!2016台湾美食展は8/5-8/8、台北世界貿易センターで開催される。「庶食小吃」美食街には彰化県の著名小吃業者も大挙出展し、彰化美食の神髄を披露する。絶好のチャンスをお見逃しなく!
2016台湾美食展
Date:8/5-8/8
Location:台北世界貿易センター展覧一館
Web:www.tcetva.tw
彰化市
台中に隣接する彰化県は、台湾本島の面積最小県で、まだ純朴な風情を残している。台湾鉄道彰化駅で下車した後、扇形車庫・八卦山・孔子廟など市内のスポットへは徒歩で行けるので、観光しながらの小吃巡りに最適の町だ。
猫鼠麺
「猫鼠麺」とは一風変わったネーミング。彰化ならではの小吃で、見た目は台南の担仔麺に似ている。平べったい黄色の麺、淡い色のスープ、さらにエビ団子・肉団子・豚肉の湯葉包みという三つの具が特長。シンプルに見えるが、肉燥の香りがするスープはなかなかコクがある。
猫鼠麺
Add: 彰化市陳稜路223号
Tel: +886-4-7268376
Open: 9:30-20:30
爌肉飯
爌肉飯もまた彰化の味覚で、阿泉爌肉飯はその代表格だ。豚の角煮風と白いご飯のシンプルな組み合わせだが、肉のほどよい柔らかさとさっぱりした塩味が根強いファンを作っているようだ。
阿泉爌肉飯
Add: 彰化市成功路216号
Tel: +886-4-7281979
Open: 7:30-13:30
肉圓
彰化の美食といえば、多くの台湾人はまず肉圓(肉餡入り揚げ団子)を思い浮かべる。陳稜路にある「正彰化肉圓」は四代続く老舗。モチモチした皮からぎっしり詰まった肉餡まで、すべてその日に手作りする。シイタケ・卵の黄身・干し貝柱などの素材とピーナッツともち米粉ペーストを合わせた甘めのソースが調和して、独特の風味が楽しめる。
正彰化肉圓
Add: 彰化市陳稜路203号
Tel: +886-4-7227868
Open: 10:00-20:30
カキスープ
彰化県は牡蠣の産量が台湾随一。なかでも芳苑郷産の生ガキは名高く、彰化訪問の折にはぜひ新鮮なカキ料理を味わってみたい。「蚵仔仁」はとても具だくさんで、一粒一粒まるまるとしたカキが入った海の風味あふれるスープだ。そぼろ肉ご飯と一緒にいただけば、最高の組み合わせとなる。
蚵仔仁
Add: 彰化市華山路234号
Tel: +886-4-7294220
Open: 11:10-23:00
卦山焼
カステラに似た生地で色々な餡を包んだお菓子。八卦山の大仏は彰化の観光名所で、その名にちなんだ地元の特産品だ。
卦山焼
Add: 彰化市民生路152号
Tel: +886-04-7223989
Open: 9:00-22:00
リュウガンケーキ
「宝珍香」は創業百年余の菓子店。人気商品のリュウガンケーキは発売からすでに四十年。八卦山付近で生産される龍眼(リュウガン)をたっぷり使い、表面にはクルミが散らしてある。一口咬むと、大きい果肉が入っていて、香りがお口いっぱいに広がる。
宝珍香
Add: 彰化市彰南路二段165号
Tel: +886-4-7381635
Open: 8:00-22:00
※高速鉄道台中駅内でも販売
鹿港鎮
鹿港はかつての貿易港。市内の各所に繁栄の跡を留める古民家や壮麗な寺廟がみられる。清代の面影が残る鹿港老街は、歴史探訪と宝探しにぴったり。歩き疲れたら、第一市場や天后宮前で一休みして、当地ならではの庶民の味を楽しむことができる。
「第一市場」には小吃の屋台が密集している。特に「蚯蚓龍山麺線糊」や「楊記肉圓・芋丸」がこの市場の名物。麺線糊は、豚肉・干しエビ・ネギ・ソーメンを豚骨スープで煮込んだなめらかな食感とコクが特長。芋丸はネギを細切りにして片栗粉を加え、豚肉を包んで蒸し煮したもので、肉圓とよく似ている。彰化以外の場所ではなかなかお目にかかれない逸品だ。
蚯蚓龍山麺線糊
鹿港鎮美市街193号
楊記肉圓・芋丸
鹿港鎮民族路1号
天后宮前の美食
鹿港「天后宮」は当地の信仰の中心であるだけでなく、鹿港鎮を代表する美食の拠点でもある。小吃の屋台や商店が門前と中山路上にびっしり並んでいる。付近で採れるカキを使った蚵仔煎(カキオムレツ)と粉をまぶして揚げたアナジャコは、鹿港お薦めの小吃。お土産に売られている「総合酥」とは、テナガエビ・アナジャコ・一口蟹などを使った揚げ物の詰め合わせのこと。
豚まん
「肉包」、すなわち肉まんは鹿港名物の一つ。百年の歴史を誇る「阿振肉包」と新興の「老龍師肉包」の両店がとくに有名。行列のできる「阿振肉包」の外皮はしっとり柔らかく、中の餡はとてもジューシー。黒胡椒の香りが特徴で、日本からわざわざ秘訣を習いにやってきた人もあるという。「老龍師肉包」の肉まんは、豚のモモ肉・シイタケ・ネギ・香料を合わせた逸品。一口咬むと、強い肉の香りが口を満たし、コクのあるスープは大きな小籠湯包を思わせる。
阿振肉包
Add: 鹿港鎮中山路71号
Tel: +886-4-7772754
Open: 9:00-18:30
老龍師肉包
Add: 鹿港鎮三民路117号
Tel: +886-4-7777402
Open: 8:00-19:30
肉羮
五十年以上の老舗で、鹿港で知らない人はいない名店。朝6時前から店を開ける秘密は、当地の人たちが朝食にここの麺を食べる習わしから。まさに人々の一日の活力の源になっているのである。お勧めのイカと肉入りとろみスープは、メンマ・キクラゲ・シイタケ・イカをじっくり煮込んで、さわやかな甘みに仕上げたもの。
肉羮泉
鹿港鎮公園一路41号
Tel: +886-4-7770166
Open: 5:30-20:00
麺茶氷
鹿港老街にある「怡古斉」は、古風な趣に満ちた茶館で、なかでも昔懐かしい麺茶が有名。麺茶は、小麦粉を乾いたなべに入れて炒め混ぜ、砂糖・油・ゴマなどを加えて、火が通ったらお湯を加えてペースト状にしていただく。昔、物が少なかった時代は、これを粉ミルクと交換していたともいわり、その世代の人にとってはまさに懐かしの味。伝統の麺茶以外に、麺茶氷といった新しい商品も用意され、若者たちにも人気の店となっている。
怡古斉
鹿港鎮埔頭街6号
Tel: +886-4-7756413
Open: 11:00-18:00