台中市
現代的なイメージを持つ台中市だが、市内には歴史を感じさせる建築物や生活感溢れる伝統の市場が今も残る。近年、彩虹眷村・審計新村・台中市役所といった過去の施設がリニューアルされ、人気スポットとして再生している。台中は美食の都としても知られているので、伝統市場で台湾風軽食を賞味したり、おいしい茶菓子をお土産に買いたい。
古い建物リニューアル
彩虹眷村は退役した軍人が住んでいた落。92歳という黄永阜さんは、2008年から自宅と隣人の家屋の壁に、カラーペンキで神様・人物・動物などの絵を描き始めた。そのカラフルな遊び心いっぱいの画風がだんだん注目され、いまや村全体が「彩虹眷村(レインボービレッジ)」として観光スポットに生まれ変わった。
Add:台中市南屯区春安路56巷
Open:昼間参観可、昼休みの時間は静かに
Web:www.1949rainbow.com.tw
国立台湾美術館近くの審計新村は、40年前の官舎の所在地。長年放置されていたが、中興大学と台中市が提携して整備し、2015年に陶磁器・木製品・ハンドメイド靴・料理工坊などのショップが並ぶ創作基地に生まれ変わった。ほとんどのショップ開くが週末がお勧め。毎月第三週の週末なら、小蝸牛市集が開催され、台中の若者たちの息吹を感じることができよう。
Location:台中市西区民生路368巷(向上中学傍)
Open:各ショップの営業時間
小蝸牛市集:www.facebook.com/lolemarket/
台中市役所は1911(明治44)年の創建で、日本時代は市議会が置かれていた。建物自体は戦後も利用されてきたので保存状態がよく、退役後の2016年2月から一般公開された。一階はタピオカミルクティーや豆腐干・ダイコン餅などの軽食を提供する飲食エリア。ギフトショップでは台中市役所の記念品と台中の農産物が販売されている。二階の芸術センターは台湾の若いアーティストの作品展示やライブが行われる。
Add:台中市西区民権路97号
Open:
1F Café 1911 / 昭和沙龍 10:00-21:00
2F 芸術センター10:00-17:00
毎月第三月曜休館
台中の美食
小さな庭のある古い洋館。半世紀を超える歴史を誇る。2015年に修繕されて温かみのあるレストランとして生まれ変わった。レトロなデザイン格子やタイルなどが残され、懐かしい台湾の風情に満ちている。一般の台湾料理のほか土鍋粥は十種以上のテイストが用意されている。お一人様も歓迎とのこと。また、サトイモペーストとアヒル肉の揚げ物、揚げダイコン餅、昔ながらの無糖パイナップル茶も、当店ならではのお勧めメニューだ。
Add:台中市西区台湾大道二段179巷12号
Open:11:30-24:00
Web:www.facebook.com/12moon.tw/
お勧めの台湾風軽食は、特製の菜頭粿(ダイコン餅)・もち米ソーセージ・タロイモ餅・豚の血スープ・大腸入りスープなど。特に人気は、「ダイコン餅+もち米ソーセージ+卵」のセット。しっとりした食感のダイコン餅、プルプルしたかみごたえのもち米ソーセージを、つるんとした目玉焼きと一緒に食べれば、朝ごはんに最適。
Add:台中市中区三民路二段87号(第二市場中門 臨175)
Open:6:30-18:00
第二市場で30年以上経営を続ける著名な老舗茶屋。お勧めの「老頼紅茶」は、南投埔里産の紅茶を使用。紅茶香りが魅力で、くだいた氷を少々加えれば、爽やかに喉が潤う夏にぴったりの飲み物。豆乳と紅茶を合わせて作った豆香紅茶もお勧め。
Add:台中市三民路二段74巷13号(第二市場中門 臨180)
Open:8:30-18:00
台湾原産のパイナップルより糖度が高い金鑽パイナップルを餡に使用し、皮は薄め、餡はたっぷりに仕上げている。バターとチーズの香りがするサクサクの生地にパイナップルの繊維の残る食感が特長。形も小さな円形をしている。
日出大地的乳酪蛋糕(国立台湾美術館付近)
Add:台中市西区五権西三街43号
Open:10:00-21:00
裕珍馨は台中大甲の老舗菓子店で、定番商品のバタークッキーの餡は麦芽糖・天然バターで作られている。サクサクとして皮としっとりした餡が味わい深く、心に残る逸品だ。タロイモ饅頭は大甲特産のタロイモに軟らかいモチを加えたもの。しつこくない甘さと、しっとり軟らかい食感が嬉しい。
裕珍馨広三SOGO店
Add:台中市西区台湾大道二段459号15F
Open:11:00-22:00
Web:www.yjs.com.tw
台南市
古都台南は、17世紀以降、オランダ・清朝・日本と支配者が変遷し、多様な文化遺産が受け継がれてきた。現在それが台南にみなぎる芸術と創作のエネルギー源となって、多くの文化団体の拠点や工房・博物館・文化パークが多数展開するようになった。いまや台南は文化観光のメッカである。
芸術と文化の旅
藍晒図(青図面)は台南市海安路にある街角アートで、建築士劉国滄氏が2004年に設計した。しだいに人気を集め、今では台南のランドマークの一つになっている。一度は安全上の問題により取り壊されたが、その後西門路と国華街の間にあった宿舍群のリニューアルに合わせて藍晒図文創パークが創設された。レストラン・カフェ・工房が集まり、台南文化の特色をイメージさせる新しい人気スポットになった。
Add:台南市南区西門路一段689巷
Open:各店営業時間を参照。パークは火曜定休
Web:bcp.culture.tainan.gov.tw
台湾奇美集団の創設者である許文龍氏は音楽と芸術をこよなく愛し、博物館を作ることを夢見ていた。展覧と収蔵をとおして、芸術伝承の成果を市民と分かち合いたいと考えたのだ。奇美文化基金会が長期にわたりコレクションした各時代、流派の芸術品が、このヨーロッパの宮殿のような奇美博物館に展示されている。豊富な館内収蔵品は西洋の作品が主で、音楽や兵器に及ぶ珍しいコレクションを誇る。なかでも古典的なバイオリンの所蔵数では世界随一という。高速鉄道の車窓からなら、昼夜を問わず、宮殿のような建物を見つけることが出来よう。
Add:台南市仁徳区文華路二段66号
Open:9:30-17:30、月曜休館
Tickets: 一般200元、優待150元、6歳以下の児童は無料
http://www.chimeimuseum.org/
台湾初、太鼓をテーマとする芸術村。東南アジアの各種太鼓を参観できるほか、小さな太鼓が備え付けの体験室では実際に叩いてみることができる。大人にとっても子供にとっても、楽しい学習スポットだ。十鼓文化村では、連日太鼓演奏のライブが披露されている。
Add:台南市仁徳区文華路二段326号
Open:9:00-17:00
夜間:金・土曜18:00-21:30、日曜 18:00-21:30
Web:www.tendrum-cultrue.com.tw
三本の人気ストリート
近年、台南市では使用されない古民家の価値が見直され、個性的なカフェ・民宿・ショップ・ギャラリーに再生されている。とくに正興街・信義街・新美街などの路地裏散歩が注目を集めているところだ。
蜷尾家は2015年にジェラード・ワールド・ツアー (Gelato World Tour)で受賞した有名アイスクリーム店で、コクがありながらもさっぱりとした味わいが人気。これまでに計五十種以上のテイストを練り出しているものの、一日二種類しか販売しないので、毎日通う人もいるとか。通常19:00前には完売してしまうので、お早めに。
Add:台南市中西区正興街92号
Open:平日14:00-売切まで。土・日11:00-売切まで。火、水曜定休
泰成水果行は、正興街にあり、現在三代目が経営する老舗果物屋。他店と同様にカウンターの前に、色鮮やかで新鮮な旬の果物がきれいに並べてある。果物の盛り合わせのほか、半分に切ったメロンの上にアイスクリームが載ったメロンデザートが夏の人気メニューだ。
Add:台南市正興街80号
Open:14:30-23:00、休日13:30-23:00不定休
香港出身の夫婦が経営。二人ともロックバンドに関わる仕事に従事していることから、店内の壁は一面レコードで埋め尽くされ、また各国のインディーズバンドのアルバムがいずれも試聴できる。看板の猫たちも香港出身とか。メニューはブランチ・パニーニその他の軽食が用意されている。
Add:台南市中西区信義街114号
Open:11:30-22:00
狐狸小屋は台南在住の有名写真家のお店。1階のレストランは ハンドドリップコーヒー・お茶・菓子を扱う。大きいコーヒーカップと小さいガラス製カップにコーヒー注いで出すのは、温度によって違う風味を楽しんでもらうため。新鮮な果物とバニラアイス付きのパンケーキもお勧めだ。
Add:台南市中西区信義街118号
Open: 13:00-18:00、月曜定休
天井2つと、前・中・後3棟の古民家が、有名な建築デザイナー潘俊元氏により改造され、レストランに変身。「茶来了」はこのレストランの名前。ブランチは5種類あり、台湾式ハンバーガーと台湾式クレープが食べられる。ティータイムは午後2時から。
Add:台南市中西区新美街149号
Open:10:00-17:00 (食事10:00-14:00、アフタヌーンティー14:00-17:00)
不定休
店名は日本語の「ここ」に由来する。建物は60年以上の歴史があり、隣の木造家屋とともに昔懐かしい雰囲気を漂わせている。アフタヌーンティーのほか、海塩サケおにぎり・ショウガ焼き・アジの一夜干し・鶏モモ肉のレモンと明太子ソース添えなど色々な和風のメニューが人気だ。
Add:台南市中西区西門路二段372巷23号
Open:11:30-20:30、last order 19:30、火曜定休
高雄市
高雄は台湾第三の大都会ながら人情味あふれた港町だ。MRT(主に地下)やLRT(路面電車)といった市内の交通網も完備され、市内ツアーが便利になった。現在のところ、LRTはC1籬仔内駅からC8高雄展覧館駅まで利用でき、年末までに全線開通する予定だ。
LRT沿線のスポット
LRT前鎮之星駅で下車すると、特殊な外観で人目を引く前鎮之星自転車ブリッジが見える。この美しい空中回廊は、傾斜設計が採用され、夜のライトアップもまた美しい。最上階にある展望台からは高雄の街並みが一望でき、高雄のランドマークである高雄85ビルや特大観覧車もすぐ目の前に見える。
Access:LRTC3前鎮之星駅で下車/MRTレッドライン凱旋駅から徒歩
高雄展覧館駅で下車すると目の前に立つ高さ347.5メートルの高雄85ビル(85 Sky Tower)は、絶好の夜景スポット。付近の高雄市立図書館本館は特殊なサスペンションシステムのグリーン工法により明るい閲覧空間を実現している。高雄港横にある高雄展覧館は台湾初の港に隣接するコンベンションセンターで、ウェーブ状をした建物が港の風景とよくマッチしている。
Access: LRTC8高雄展覧館駅/MRTレッドライン三多商圏駅で下車後徒歩
高雄85ビル
Add:高雄市苓雅区自強三路1号
74F展望台10:00-22:00、チケットNT$180
Web:www.85sky-tower.com
高雄市立図書館本館
Add: 高雄市前鎮区新光路61号
Open: 10:00-22:00(土曜日、日は入館21:30まで)、
国定休日10:00-17:00(入館16:30まで)。
大晦日、月曜休館。
案内ガイド:個人向け定時ガイドと団体向け予約ガイド、中国語・英語・日本語の解説あり。
詳細はwww.ksml.edu.twを参照
高雄展覧館
Add:高雄市前鎮区成功二路39号
Web:www.kecc.com.tw
駁二芸術特区(The Pier-2 Art Center)は高雄で近年人気が高いスポットで、1970年代に使用されていた埠頭の倉庫を再利用した革新的アートスペース。「駁二」は主に大勇倉庫群・蓬莱倉庫群・大義倉庫群の三つのエリアに分かれ、今年は蓬莱倉庫B8にミニトレイン哈瑪星駁二線が登場した。倉庫をぐるりと一周する列車は、1回の乗車が約10分間、目新しく、ユニークな体験ができる。
駁二芸術特区
Add:高雄市塩埕区大勇路1号
Open:屋外24時間利用可
屋内空間:月曜-木曜10:00-18:00
金曜-日曜10:00-20:00
Web:pier-2.khcc.gov.tw
Access:MRTオレンジライン塩埕埔駅または西子湾駅より徒歩約5分
哈瑪星駁二線
Ticket: 一人149元、サービスセンター「問吧」または蓬莱B8倉庫で購入