企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/陳正国・季子弘・宋育玫
台湾ランタンフェスティバル in 高雄
2022年の台湾ランタンフェスティバルは20年ぶりに高雄で開催される。今回は初めて愛河湾を中心とした高雄港亜洲新湾区(アジア新湾区)と鳳山の衛武営の2か所をメイン会場とし、例年の2倍となる2会場あわせて約100haという過去最大規模の会場面積での開催となる。
両会場は高雄MRTとLRTといったグリーンな公共交通で結ばれ、スムーズにアクセスできる。さらに1か月という長期開催となるため、多くの来場者が集まると予想される。会場では伝統的なランタンの展示のほか、陸海空の3Dアレンジによる360度陸海空ランタン鑑賞などのハイテク運用による革新的なパフォーマンスを展開。都市型の新しいランタンフェスティバルが港町高雄の魅力を盛り上げる。
光栄碼頭の夜景
台湾ランタンフェスティバル・公式ポスター
2022台湾ランタンフェスティバル
公式サイト:theme.taiwan.net.tw/2022TaiwanLantern/
会場:高雄流行音楽中心、愛河、衛武営国家芸術文化中心など
会期:2022年2月1日~2月28日
交通:台湾鉄道高雄駅から高雄MRTと高雄LRTで各スポットへ
高雄港
ベイエリアの新しい風景
台湾ランタンフェスティバルのメイン会場のひとつとなる愛河湾を中心とした高雄港亜洲新湾区は、高雄の最新スポットが集まるベイエリア。隣接する高雄港の旧市街では歴史ある建物を利用した観光スポットやご当地グルメめぐりも楽しめる。高雄の新旧の魅力を満喫する旅に出かけよう!
Access:高雄MRT、LRTの最寄り駅より徒歩またはレンタサイクルで各スポットへ
高雄市公共レンタサイクルYoubike
Web:kcg.youbike.com.tw/home
高雄流行音楽中心 & 光栄碼頭
愛河の河口そばの埠頭「真愛碼頭」にたつ「高雄流行音楽中心」は、2021年10月31日にオープンしたばかりの複合文化施設で、高雄の新しいランドマーク。白亜のモダン建築は青い空と海のなかで鮮やかに輝き、夕暮れ時や夜間もそれぞれに美しい色合いを見せる。高雄流行音楽中心前の遊歩道は、東は高雄展覧館、西はMRT西子湾駅までつながっており、自転車や徒歩で高雄港の風景を眺めながら散策が楽しめる。
真愛碼頭
真愛碼頭わきの愛河にかかる「苓雅寮鉄橋」に上がると、高雄港と愛河の両方の景色が一望できる。鉄橋を渡った対岸の「光栄碼頭」にもライブハウスや文化施設が並んでおり、高雄流行音楽中心とともに高雄の流行をけん引する文化エリアとなっている。
高雄港の夕陽
愛河は高雄を代表する河川。緑あふれる両岸の遊歩道沿いにはカフェやレストランも多く、おしゃれな雰囲気が漂う。散策やサイクリング、遊覧船のクルーズなど、楽しみ方はいろいろ。遊歩道に立って、ときおり魚がはねる川面を眺めるだけでも心が安らぐ。街の灯が川面に揺らめく夜間の景色も美しい。高雄市民の心を潤すウォーターフロントで、心地よい時間を過ごしたい。
愛河遊覧船クルーズ
苓雅寮鉄橋から眺める愛河の夜景
高雄流行音楽中心
Add:高雄市鹽埕区真愛路1号
Tel:07-521-8016
Open:14:00-22:00、月曜休館
Web:kpmc.com.tw
苓雅寮鉄橋
Add:高雄市鹽埕区苓雅寮鉄橋(LRT真愛碼頭駅わき)
光栄碼頭
Add:高雄市苓雅区海邊路31号
市港河濱公園
Add:高雄市鹽埕区五福四路1号
大港橋
2020年7月に開通したアジア最長の港湾をまたぐ旋回橋。鹽埕区の高雄LRT駁二大義駅前と対岸の倉庫群「蓬莱商港区」を結ぶ橋で、全長110m。橋の開通により、以前は片道徒歩30分かかった道のりがわずか2分で到着できるようになった。
平時は橋の上を歩行者と自転車が通行し、橋が水平に回転すると橋の下を船が通行する。中央に設置された展望台に立つと、高雄港や市街地を一望できる。美しい純白の橋は港の中でひときわ目を引き、写真撮影スポットとして人気を集めている。
展望台
旋回中には橋のわきを船が通過する
Add:高雄市鹽埕区新化街1号
Open:8:00-22:00/旋回ショー:月曜-木曜15:00、金曜-日曜15:00・19:00
Web:facebook.com/GreatHarborBridge
HOLO PARK映像鹽埕
2021年4月にオープンしたレジャー施設。敷地内は高雄港が繁栄を極めていた1960年代の街並みを再現した商店街になっており、レトロな雰囲気の中でショッピングが楽しめる。
メイン施設は1999年に閉館した劇場「大舞台戯院」をモデルにした台湾初の7D映画館。館内では高雄の7つの名所を舞台としたホログラムミュージカルを上映し、人気を集めている。近接するアート基地「棧貳庫KW2」まで蒸気機関車を模したミニトレインを運行しており、高雄港のミニトリップも楽しめる。
Add:高雄市鼓山区蓬萊路(高雄港 7号碼頭・大港橋そば)
Tel:07-521-7534
Open:14:00-20:00、土曜・日曜11:00-21:00
Web:facebook.com/HoloParkKH
棧貳庫KW2
「HOLO PARK映像鹽埕」の西側に位置するアート基地。もとは1914年(大正3年)に日本人が建設した砂糖保管倉庫で、第二次世界大戦で爆撃を受け破損したが、戦後の1962年に再建された。2003年に高雄市の歴史建築に指定され、リノベーションを経て2018年に複合施設としてオープンした。
素朴な倉庫の建物とモダンアートを組み合わせたおしゃれな空間に、高雄ブランドを中心としたクリエイティブグッズを扱うショップやカフェ、レストランなどが集まっており、高雄の最新カルチャー&アートにふれられるスポットになっている。
Add:高雄市鼓山区蓬萊路17号
Tel:07-531-8568
Open:日曜-木曜10:00-21:00、金曜・土曜・祝日10:00-22:00
Web:kw2.com.tw
舊打狗驛故事館 & 哈瑪星鉄道文化園区
旧高雄港駅事務所を改装した舊打狗驛故事館
鹽埕区を中心とした高雄港の旧市街は、日本時代に鉄道が敷かれたことで高雄港の貿易が拡大し、1960年代から1970年代に街の繁栄は頂点に達した。「哈瑪星(ハマシン)」と呼ばれたこの地域は、1990年代に高雄市政府が移転すると素朴な下町に姿を変えたが、現在も街のいたるところに往時の繁栄の記憶を見ることができる。
駅事務所内は営業当時の様子が保存されている
MRT西子湾駅前の「舊打狗驛故事館」の前身は、高雄で最初に開業した鉄道の駅で、高雄港の物流の要衝だった「旧高雄港駅」。資料館として利用されている駅事務所で日本時代から残る備品や歴史資料を見学し、蒸気機関車が停車する旅客ホームに立つと、まるで昭和の高雄にタイムスリップしたかのような気分になるだろう。
旧高雄港駅旅客ホームと蒸気機関車
旧高雄港駅旅客ホーム前にはLRT哈瑪星駅ホームが並ぶ
ホーム前の線路が交差する緑地「哈瑪星鉄道文化園区」にはユニークな形をしたパブリックアートが置かれており、写真撮影や散策を楽しむのにぴったり。
哈瑪星鐵道文化園区のパブリックアート
Add:台湾高雄市鼓山区鼓山一路32号
Tel:07-531-6209
Open:10:00-18:00、月曜休館
Ticket:入館無料
Web:trm.tw/ja/(日本語)
西子湾レトロカフェ
大正浪漫薫るティータイム
新濱・駅前
「新濱・駅前」は、日本時代に建設された「旧三和銀行高雄支店」をリノベーションしたカフェ。ユニークな店名は、三和銀行時代に店舗が位置する旧高雄港駅前の地名が「新濱町」と呼ばれていたことに由来する。
建物は和洋折衷の二階建て。2000年代に高雄市歴史建築の指定を受け、修復を経て2020年にカフェとしてオープンした。
建物は建設当時のスタイルがよく保たれており、店内には三和銀行の金庫も残されている。カフェのカウンターは銀行の窓口をイメージしたつくりで雰囲気たっぷり。レトロモダンな空間で優雅にティータイムを楽しもう。
Add:高雄市鼓山区臨海三路5号
Tel:07-531-5770
Open:11:00-18:00
Ticket:ミニマムチャージ:1人NT$100
Web:bit.ly/3wdEegZ
書店喫茶 一二三亭
MRT西子湾駅にほど近い鼓元街の路地裏にひっそり佇む隠れ家カフェ。もとは1914年(大正3年)に建てられた日本の高級料亭だった。戦後の増改築を経て、現在はカフェに生まれ変わっている。
外から見ると一見カフェとはわからないが、1階入口に片仮名で「ヒフミ 書店喫茶 一二三亭」と書かれた白い暖簾がかけられているのでそれとわかる。暖簾をくぐり階段を上がると、そこはレトロな雰囲気が漂うカフェ空間。
書棚にはずらりと本が並び、日本語の本や雑誌も置かれている。気になる本を手に取って、台湾茶やスイーツをお供にゆったり過ごしたくなる静かなカフェだ。
Add:高雄市鼓山区鼓元街4号2F
Tel:07-531-0330
Open:10:00-18:00
Ticket:ミニマムチャージ:1人平日NT$90・休日NT$110
Web:facebook.com/cafehifumi
西子湾B級グルメ
とっておき食べ歩き
萬全肉圓米糕
創業50年の老舗。看板メニューの「肉圓」は米粉で作った皮で豚肉餡を包み蒸しあげたお餅のような食べ物。たれはおろしニンニク入りの甘みのある醤油だれ。好みで豆板醤をつけると豚肉と米の味わいが引き立つ。
もうひとつの看板メニュー「米糕」は、餅米のご飯に豚そぼろとほんのり甘い魚のでんぶ、きゅうりのスライスを添えたおこわ。店自慢の特製ラー油を添えていただくのがお店のおすすめだ。豚ホルモンの薬膳スープ「四神湯」や魚のつみれスープ「魚丸湯」をあわせて朝食とする地元の人も多い。
左から時計回りで米糕、四神湯、肉圓
特製ラー油は辛さの中に甘みもある逸品
Add:高雄市鼓山区臨海一路1号
Open:6:00-17:30
漁行大支佬黒輪
鼓山フェリー乗り場すぐわきのおでん専門店。名物の「烤黒輪片」は薄い円盤状のさつま揚げに醬油ベースのたれを塗って炙ったもので、表面にまぶした落花生の粉が香ばしさをプラス。種類豊富なおでんは鰹節のだしが香る和風味で、こちらも大人気!
烤黒輪片
おでんのスープは無料でおかわりも自由
Add:高雄市鼓山区濱海一路85号
Open:12:00-20:00、火曜定休
高雄渡船頭海之冰
高雄名物のジャンボかき氷の先駆けとなったかき氷店。ジャンボかき氷は最大20倍までチャレンジでき、料金はかき氷1人前の価格に希望の大きさの数をかけて計算する。例えば1人前60元のかき氷3倍盛りなら180元といったぐあいだ。
迫力満点のデカ盛り!
ベースのかき氷は透明の氷に練乳と黒糖シロップをかけた「伝統冰」と、ふわふわのミルクかき氷「雪花冰」から選べる。おすすめは、マンゴーをはじめとした台湾のトロピカルフルーツが満喫できる「水果芒果牛奶冰」。デカ盛りでも取り分け用の食器の用意があるので安心だ。ひとりで食べるもよし、友達とシェアするもよし。思い思いに楽しく食べよう!
3倍盛りの水果芒果牛奶冰
Add:高雄市鼓山区濱海一路76号
Open:11:00-23:00、月曜定休
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。