Quantcast
Channel: 台湾観光のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 817

トラベル特集――嘉義 木都の旅(前編)

$
0
0

企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/陳正国・季子弘・宋育玫





嘉義 
木都の旅
嘉義は日本時代には林業で栄え、「木都」と呼ばれた。当時、阿里山で切り出されたヒノキなどの原木は阿里山森林鉄道により運搬された後、嘉義で材木に加工され、各地へ出荷された。このため嘉義市内には製材所や木造の日本式宿舎などをはじめとする当時の建物が数多く残っている。街を歩けば、いまなお息づく日本時代の記憶にふれることができるだろう。





Access:台湾鉄道嘉義駅から徒歩または公共レンタサイクルで各スポットへ

嘉義市Youbike
Web:chiayi.youbike.com.tw/home


「木都」歴史探訪
阿里山森林鉄路車庫園区

嘉義機車庫


台湾鉄道嘉義駅の北東約1㎞に位置する北門駅は、1912年(大正元年)に阿里山森林鉄道が開通した際、起点駅の「北門驛」として開業した。駅舎は建材に阿里山のタイワンベニヒノキが使われた、和の佇まいを持つ美しい建物。駅西側には鉄道車庫や整備工場が残っており、公園として公開されている。

 

北門驛

 

園内では引退した蒸気機関車やディーゼル機関車、旅客車両、貨物車両のほか、円形転車台を間近に見ることができる。タイミングが合えば、線路を走る現役の森林鉄道に出合うことも。鉄道ファン必見のスポットだ。


時おり敷地わきを通過する現役の森林鉄道

円形転車台

ディーゼル機関車と蒸気機関車


Add:嘉義市東区林森西路2号
Open:8:00-18:00


阿里山森林鉄道

嘉義駅1番ホーム


阿里山森林鉄道(正式名称:阿里山林業鉄路)は1906年(明治39年)に建設工事が開始された産業鉄道。複雑なループ線、スイッチバック構造など、登山鉄道の特殊な工法が使用されており、歴史的価値の非常に高い世界遺産級の登山鉄道だ。現在の起点駅は嘉義駅で、台湾鉄道と1番ホームを共用している。ぜひ嘉義に宿泊して、森林鉄道で海抜2000mを超える阿里山を登り、巨木が佇む神木の森を訪ねてみたい。

神木駅~阿里山駅間の大カーブ


香林神木

阿里山林業鉄道と文化遺産管理処(日本語)
Web:afrch.forest.gov.tw/Ja


檜意森活村

タイワンベニヒノキをイメージしたオブジェがたつ「年輪広場」


阿里山森林鉄道北門駅の南側は、日本時代に嘉義林場の宿舎があった場所。2014年に、現存する28棟の日本家屋の宿舎をリノベーションし、文化施設の「檜意森活村」がオープンした。

 

 

宿舎の建物はすべてヒノキ造り。瓦葺きの宿舎の間を歩いていると、まるで昭和の日本にやってきたような気分が味わえる。園内では「森林文化創造」をテーマとして、地元の工芸品や農産物、ブランドなどを紹介している。散策を楽しみながら、嘉義ならではの土産物を探してみよう。



Add:嘉義市東区林森東路1号
pen:10:00-18:00、屋外エリアは24時間開放
Ticket:入園無料
Web:afrch.forest.gov.tw/Ja/0000271(日本語)


阿里山林業村

製材所


阿里山森林鉄路車庫園区の線路を挟んだ北側に位置する「阿里山林業村」には、阿里山で伐採されたヒノキの製材を行っていた「嘉義製材所」が残っている。日本政府により1910年(明治43年)に国有化された阿里山で1912年(大正元年)に官営事業として伐採事業が始まると、1914年(大正3年)には貯木場と嘉義製材所が完成した。

 

製材工場の材木

 

工場は当時、「東洋一」と呼ばれる世界最先端の設備を誇り、ここで製材された材木は日本や台湾各地に運ばれていった。現在、嘉義製材所の製材工場、事務所、動力室、鋸屑室、乾燥室などが嘉義市の歴史建築に指定され、その他の建築物とともに一般公開されている。



林業村の西端には台湾の芸術家・王文志氏の制作による大型インスタレーション作品「森林之歌」が設置されている。デザインコンセプトは阿里山森林鉄道と阿里山の神木。籐で編まれたトンネルは卵型のドームに続いている。ブナとヒノキをふんだんに使用した内部の空間は清々しい木の香りが漂い、まるで阿里山の自然の中に立っているかのよう。「木都」にふさわしい芸術作品だ。


籐で編まれた森林之歌         

森林之歌の内部

阿里山林業村 嘉義製材所
Add:嘉義市東区林森西路4号
Open:9:00-17:00、月曜・火曜休園
Ticket:入園無料
Web:afrch.forest.gov.tw/Ja/0000268(日本語)

森林之歌                          
Add:阿里山林業村西側文化路林森西路地下道そば
Open:24時間開放
※夜間ライトアップあり


嘉義舊監獄



「嘉義舊監獄」は1922年(大正11年)に「台南監獄嘉義支監」として完成した刑務所。戦後に「台湾嘉義監獄」と改称した後、1994年に嘉義監獄が移転した際に「嘉義監獄嘉義分監」となったが、やがて受刑者の減少により役目を終えた。

 

第二工場

 

100年の歴史を持つ監獄は2005年に国定古跡に指定され、修復を経て2011年に台湾唯一の「獄政博物館」として生まれ変わった。敷地内には中央見張所、舎房、工場、浴場、病舎などがほぼ完全な形で残されている。

 

中央見張所から舎房に続く渡り廊下

鉄格子がはまった扉が並ぶ舎房

 

なかでも看守が監視を行う中央見張所から放射状に3棟の舎房が渡り廊下で接続している構造は、網走刑務所などの日本国内の刑務所と共通する様式で興味深い。刑務所南側に残る職員官舎群もリノベーションされ、工房や展覧会場として使用されている。



独房

Add:嘉義市東区維新路140号
Open:平日9:30・10:30・13:30・14:30・15:00、土曜・日曜9:30・10:30・11:00・13:30・14:00・14:30・15:00、月曜休館
Ticket:入館無料
Web:prisonmuseum.moj.gov.tw
※入館にはガイドツアー参加が必要(所要時間約50分)


台湾花磚博物館 (修復工事のため閉館中) 
 


「花磚」とは、金型で凹凸のあるレリーフを施して鮮やかな色釉で彩色した「和製マジョリカタイル」のこと。大正から昭和のはじめにかけて日本で盛んに生産され、台湾に輸出されたタイルが「台湾花磚」の源流だ。

 

 

博物館オーナーの徐嘉彬氏は、失われつつある花柄タイルの文化を惜しみ、故郷の嘉義で日本時代の木材商店だった建物を購入し、台湾唯一の花柄タイル「台湾花磚」の博物館を立ち上げた。

 

館内には台湾各地の古い建物から集められた数千枚にもおよぶタイルが収蔵されている。古民家の中で息を吹き返した花柄タイルの美しさは必見!


Add:嘉義市西区林森西路282号
Tel:0905-012-390
Open:10:00-17:30、月曜・火曜休館(祝日の場合は開館)
Ticket:NT$100(チケットは館内の150元以上の商品に50元の割引券として使用可)
Web:1920t.com


嘉義市立美術館(旧菸酒公売局)


旧台湾総督府専売局嘉義支局庁舎


2020年にオープンした美術館。前身は1936年(昭和11年)建設の台湾総督府専売局嘉義支局(戦後に菸酒公売局嘉義分局と改名)。正面右側のL字型の建物は、嘉義の市定古跡に指定されている旧支局庁舎。設計は台湾総督府専売局技師の建築家・梅澤捨次郎で、丸みを帯びた外観が優美な建物だ。

 

柔らかな曲線を描く木の梁が印象的な吹き抜け

 

正面左手の瓦屋根の建物は戦後に建設された酒類倉庫。中央の日本時代建設の倉庫は、壁一面を覆うガラスのカーテンウォールと木の梁の組み合わせが明るくモダンな空間を演出。木材の温もりが、かつて「木都」と呼ばれた嘉義の歴史に重なる美しい美術館だ。

展示室の天井に見える屋根の梁


階段の壁に施された特徴的な格子縞の通風孔

Add:嘉義市西区広寧街101号
Tel:05-227-0016
Open:9:00-17:00、月曜休館
Ticket:大人NT$50、6歳以上12歳未満の児童NT$25、65歳以上は平日無料・休日NT$25
Web:chiayiartmuseum.chiayi.gov.tw


嘉義のホテル
嘉楠風華酒店 Orient Luxury Hotel


ホテル併設の「奇幻魔法堡」は、台湾初となる独立棟のファミリー向けプレイスペース。館内でひときわ人気を集める二階建ての高さを誇る滑り台は、職人の手による打ち出し板金を用いて作られたステンレス製。

 

奇幻魔法堡の滑り台

 

ホテル外観は重厚感あるデザイン。館内は大きなガラス窓や木材を配し、モダンなインテリアにナチュラルな雰囲気を添えている。屋上階のインフィニティプールを備えたバー「IRON WIND BAR」では、空と一体となったような270度の眺望が楽しめる。台湾鉄道嘉義駅まで車で6分と、観光スポットへのアクセスも抜群だ。

スタンダードダブルルーム


バーの夜景

Add:嘉義市西区四維路232号
Tel:05-233-0000
Web:chiananwind.com.tw


楽億皇家渡假酒店 Lookroyal Resort



レモンイエローを基調とした外観が爽やかな、「都市・花園・幸福」をテーマとする都会のリゾートホテル。リゾート感あふれる屋外プール、キッズプレイルーム、ミニサーキットなどの施設のほか、会議室やビジネスセンターも完備。

 

 

シックなインテリアの客室は、計214室のスタンダードルームとデラックスルームのほか、スイートルーム6室、ファミリールーム18室、バリアフリールーム3室など、多彩なバリエーションが揃う。スタッフのきめ細やかなサービスも心地よく、ゆったりした休日が楽しめる。観光にもビジネスにも最適のホテルだ。


ミニサーキットのキッズカート

Add:嘉義市西区玉山路501号
Tel:05-283-0099
Web:www.lookroyal.com



※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。
 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 817

Trending Articles