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コラムーー台湾行きっ戻りっ 第14回

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SNSでつながる87歳

「日本人との交流は楽しい」

花蓮県光復で雑貨店を営む張さん

 

昨年 10 月下旬、台湾東部の花蓮県光復郷で 87 歳の女性と知り合い、SNSでつながった。張碧霞さんという方である。SNSにはリスクもあるが、張さんもそこは心得ていて、スマホの画面に目を凝らしながら「知らないうちに広がってしまうことがあるから」とつぶやいている。指の動きが慎重だ。

 

張さんが次々に見せてくれるメッセージ欄を目で追うと、日本人と頻繁にやり取りしていることが分かる。張さんは日本統治期に白川国民学校(現在の花蓮県瑞穂郷富源国民小学)を卒業した後、アジア太平洋戦争が終結。このころ習い覚えた日本語で日本人と手紙をやりとりし、SNSでもメッセージを交換しているのだ。

 

それにしても律儀な張さんである。日本人から届いた手紙には「〇月△日受取り」といった具合に一枚ずつ書き込みがしてある。手紙を送る日本人のほうも負けてはいない。封筒に折り鶴を入れて張さん宛に手紙を寄越した送り主からは、日本の菓子が届いたことがもあるとか。「日本人との交流は楽しい」。張さんの言葉も弾む。

 

張さんは光復郷にある太巴塱(タバラン)小学校の前で雑貨店を営む。50 年ほど前、夫の故・歐徳財さんとともに薬局を始めたのが商売の始まり。歐さんは 2011 年 9 月に亡くなったそうだが、その年の 3 月に起きた東日本大震災では日本円で 2 万円の義援金を送ったという。

 

光復については本紙が昨年 10 月号で取り上げており、日本統治期に設置された製糖工場を再利用した花蓮観光糖廠などを紹介している。同じ花蓮県でも、切り立った崖が絶景を織りなすタロコ渓谷などに比べると、光復の知名度は日本ではまだまだだが、朝の街角を歩けば、なるほど朝とはこのようなものだったのかと思い起こさせてくれる落ち着きが漂っている。人口密度は 80 人台だ。

 

張さんのインタビューを終え、タクシーで光復駅に向かうと、私は花蓮行きの列車に乗った。ほどなくして、張さんからメッセージが届いた。私の名前「良孝」の読み方を尋ねてきた。すぐに返すと、張さんからまたメッセージ。

 

「知道了謝謝!(分かりました。ありがとう)」

 

なるほど。こういうふうにしてつながりを続けているのだな。次はいつ来ようかな。

 

つい、考え始めてしまった。

 

日本の知人から届いた手紙やはがきを手にする張碧霞さん=写真はいずれも 10 月 23 日撮影

 

光復の朝。間もなく午前 7 時になるころ

 

花蓮観光糖廠で記念撮影を楽しむ人たち

 

 

松田良孝(まつだ よしたか)


1969 年、さいたま市生まれ。北海道大学農学部農業経済学科卒。八重山毎日新聞記者などを経て、現在はフリー。石垣島など沖縄県と台湾の関係を中心に取材を続ける。著書の『八重山の台湾人』(南山舎、2004 年)は、2012 年に『八重山的台湾人』として中国語訳され、行人文化実験室(台北)から出版。共著に『石垣島で台湾を歩く:もうひとつの沖縄ガイド』(沖縄タイムス社、2012 年)。2014 年には小説『インターフォン』で第 40 回新沖縄文学賞受賞。


トラベル特集--台北市「康青龍(カンチンロン)」

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台北市「康青龍(カンチンロン)」

文芸小路を散策しレトロ風情に浸る

 

企画構成/鍾昀彤  文/鍾昀彤・劉宛昀  写真/宋育玫

 

「康青龍(カンチンロン)」とは台北市内の人気の観光エリア、永康街・青田街・龍泉街を総称する呼び名である。北は東門市場から南は台湾大学まで、東は大安森林公園から西は中正紀念堂まで、東門や台湾師範大学を含めた範囲を指す。この辺りは市の西部より、戦前は日本人たちの住宅が集まり、今も多くの和風民家が残る一角だ。どこか古風な街並みに魅せられ、多くのアーチストが続々進駐し、個性的なショップやカフェを開いている。午後のひと時をゆったりと過ごし、台北ならではの路地裏風情に触れてみたい。

 

 

Access: MRT 東門駅下車後徒歩で各スポットへ。

 

個性派台湾料理

鉄支涮火鍋TIGI Hot Pot

 

路地裏に潜む一見バーのような火鍋屋さん。四人のオーナーがそれぞれの専門分野を生かして、店を立ち上げており、そのオリジナリティは内装にもメニューにも遺憾なく発揮されている。黒板塀を思わせる外観と赤レンガの取り合わせが印象的で、日中は陽光がさんさんと差し込み、夜は淡い照明が都会のムードを引き立てる。

 

 

おすすめは「鉄支海陸豪華セット」。定番スープの「大紅袍麻辣湯」は漢方の香料や薬材を炒めてブイヨンを加え、八時間煮込むという。濃厚な味と香りのスープは、ピリ辛感が絶妙のアクセントになっている。「ニュージーランド嫩肩小羔羊」は柔らかいラム肉の味を、オリジナルのスパイシーソース、スペイン産スモークソルト、柚子ソースが引き立てた一品。「澎湖野生明王蝦」は歯ごたえのあるエビに農家直送の有機野菜を取り合わせた。白米は宜蘭県五結産の優勝米。「サンザシ・ローゼル・烏梅」といったドリンクはお口直しに最適だ。

 

Add: 台北市大安区和平東路 1 段 141 巷 6-1 号

Tel: +886-2-2391-1798

Open: 11:30-14:30、17:30-22:30

予約: 可/カード:可/サービス料: 10%/ミニマムチャージ:セット NT$ 580 より

 

大隠酒食

 

2006 年の開店以来、永康街(ヨンカンジェ)で台湾料理の代表店として名声をはせる。台中出身というご主人は、台湾のお袋の味を伝えたいと創業した。小ぶりの店内はレトロ感いっぱい。スタッフの温かいもてなしやアットホームな雰囲気にリピーターが多い。平日のランチセット「豆豉牡蠣」は、濃厚な豆豉醤で生カキが見事に変身。「柚醋魚皮」は柚子の酸味と魚皮の組み合わせがビールにぴったり。「塩干し魚蒸肉餅」は干魚と豚肉を取り合わせたスナック風メニューだ。

 

 

Add: 台北市大安区永康街 65 号

Tel: +886-2-2343-2275

Open:月曜-金曜 17:00-23:45、土.日曜 11:30-14:00/17:00-23:45

予約: 可/カード:可/サービス料:無/ミニマムチャージ:無

 

喫飯食堂

 

台湾料理の専門店。入り口のバーカウンターには、廚房でその日に使用する新鮮食材が並んでいる。英語と日本のメニューが用意されているように、ツーリストに高い人気を誇る。家庭料理からシーフードまでスタンバイ。外はカリッと中はふわふわ、「芋巻」はタロイモのペーストと千切りを取り合わせた看板料理だ。卵白・醤油・米酒・コショウで漬け込んだ「焼き豚レバー」は、ご飯をついついお代わりしてしまう定番メニュー。「鹹蛋ブロッコリー」はアヒルの玉子のソースをカリフラワーにかけていただくもので、鮮やかな色の取り合わせが楽しい。

 

 

Add: 台北市大安区永康街 8 巷 5 号

Tel: +886-2-232-22632

Open: 11:30-14:00、17:00-21:00

予約:可(8人以上)/現金のみ/ミニマムチャージ:一人 NT$ 200/サービス料:無

 

 

雅な空間で茶の香を楽しむ

青田茶館

 

かつて青田街(チンテンジェ)一帯には台北帝大の官舎が立ち並んでいたが、戦後それらは台湾大学の教員へと受け継がれた。ヒノキとスギで構成された「青田茶館」はその中の一軒。1940 年の創建で、帝大教授.庄司萬太郎の住まいだったといわれる。二十年近く放置されていたが 2011 年「敦煌画廊」がリノベーションして画廊カフェとして再生させた。

 

 

老木が心地よい陰をつくるギャラリーは、台湾の名画や美術の展示にふさわしい。最高の空間で提供される台湾茶も選りすぐりの逸品。なかでも数々の受賞歴を誇る南投県鹿谷の凍頂茶と苗栗県九華山の東方美人茶がお薦め。また中国産の「雲南古樹茶」は樹齢二百年以上の古木から一枚一枚手摘みした茶葉を使用。濃厚で深みのある味わいは通をうならせる。お茶請けには「緑豆糕」か「南棗クルミ糕」を。静かに絵を鑑賞しながら銘茶とともに極上の午後を過ごしたい。

 

 

Add: 台北市大安区青田街 8 巷 12 号

Tel: +886-2-2396-3100

Open: 10:00-18:00

Web: www.facebook.com/aota812teahouse/

予約: 可/カード:可/サービス料:無/ミニマムチャージ:無

 

青田七六

 

この一帯は官製の住宅街ではなく、往時の教授たちが共同で開発した団地だったともいえる。その一つ帝大の足立仁教授が建て、戦後は台湾大学の馬廷英教授が入居した建物は、現在市の史跡に指定され、カフェやレストランとして再利用されている。周辺ではこの地区の歴史を訪ねるツアーも随時開催されている。

 

 

建物は和風の家屋をベースにしながら、応接間・食堂・書斎など西洋建築の長所が取り入れられている。まさに東西の建築様式が融合した理想の住まいだ。付近の散策に疲れたら、ぜひここに立ち寄りアフタヌーンティーセットでひと休みしたい。「クラシックチョコケーキ」は 85% ベルギー・ビタースイートチョコを用い、ガナッシュが厚く覆っている。「紅茶パイナップルダックワーズ」は日月潭紅茶を用いた油脂を使わない生地に台湾産パインジャムを合わせる。こくのあるダッチコーヒーやさっぱり風味のティ-ドリンクもおすすめ。

 

 

Add: 台北市大安区青田街 7 巷 6 号

Tel: +886-2-2391-6676

Open: 11:30-21:00、毎月第一月曜定休

Web: https://qingtian76.tw

予約: 可/カード:可/サービス料: 10%/ミニマムチャージ: NT$ 150

 

串門子

 

オーナー夫妻は若い頃から茶の愛好家。喫茶文化の伝統を守りつつ、現代のトレンドを取り入れた斬新なスタイルの茶芸館である。店内には、流行の音楽が流れ、シンプルかつ明るい雰囲気に満ちている。選りすぐりの茶器からは、ご夫妻のこだわりが感じられよう。茶会に貸し出される地下は「曲水流觴」と名付けられている。東晋時代の「蘭亭」に着想を得て、床に穿った溝を清水が流れる趣向になっている。往時文人たちは川の流れに盃を浮かべながら詩を吟じたという。当店の一番人気は、金萱・烏龍・東方美人がミックスした「青春三泉」アイスティー。水餃子・まぜ麺、また手作りスイーツとあわせて味わいたい。

 

 

Add: 台北市大安区麗水街 13 巷 9 号

Tel: +886-2-2356-3767

Open: 13:00-21:00、水曜定休

予約: 可/カード: 可/サービス料: 無/ミニマムチャージ: NT$ 160 ドリンク一杯

 

 

カフェ・レストランでひと休み

参柒象 37 Elephant

 

コーヒーを愛する店長と、十数年ホテルで経験を積んだパティシェが経営する今川焼き専門店。「参柒」は住所標示の「37」に由来し、今川焼きには商標の「象」の焼印が押されている。セミオープンタイプのカウンター席では職人の技を愛でながら、ソファー席では友人たちとの歓談をゆったり楽しむことができる。

 

 

今川焼きは台湾の街角でよく見られるおやつの一つ。生地はどの店も似通っているが、こちらの皮はやや薄くかりっとしている。やはり看板商品は小豆餡。別々に作ったつぶ餡とこし餡を合わせるため、深みのある食感が楽しめる。そのほか、切り干し大根入り、チーズ・ポテト入りなどの餡もそろう。ハンドドリップコーヒー、台湾茶、パイヤミルクなどのドリンク類も多彩。

 

 

Add: 台北市大安区永康街 37 巷 2-3 号

Tel: +886-2-2343-5252

Open: 月曜-木曜 11:30-20:30、金曜-日曜 10:30-21:30

予約: 可/カード: 可/ミニマムチャージ: NT$ 120

 

 

五方食藏 Take Five

 

「Take Five」は有名ベーカリーの「珠宝盒」が、2014 年に立ち上げたブランド。長年欧米を旅してきたオーナーは、ショーケースに色とりどりの料理が並ぶデリカテッセンに憧れ、台湾での開店を決意した。店ではデリの料理をテイクアウトできるほか、新鮮野菜やイタリアのバルサミコ酢や三星シェフが作るソースもゲットできる。また緑いっぱいのテラス席では無国籍料理、スイーツ、搾りたてのフレッシュジュースが味わえるので友人とのひとときに最適だ。

 

 

Add: 台北市大安区青田街 6 巷 15 号

Tel: +886-2-2395-9388

Open: 11:00-21:00 (LO20:30)、月曜定休

Web: facebook.com/Take5delitw

予約: 可(火-金 17:30 以降のみ)/カード:可/サービス料:無/ミニマムチャージ:無/休日の混雑時のお食事 2 時間に制限。

 

 

自分だけのお気に入りを探して

繭果子

 

店内の商品は、インテリア雑貨、ファッション小物、食品にいたるまで、異国情緒たっぷり。それらはすべて世界フェアトレード機関 (WFTO) 認証の生産チームが製造したものだ。オーナーはフェアトレードの理念に共鳴し「繭裹子」を創業したという。環境にやさしく、伝統の技を守り、弱い立場にある生産者をサポートできるビジネスを目指している。さまざまな国のハンドメイドが並び、スタイルも多様なら、色彩も多様。ここでしか手に入らない宝物がきっと見つかるだろう。

 

 

繭果子 永康店

Tel: +886-2-2395-6991
Add: 台北市大安区永康街 2 巷 3 号 1 階
Open: 12:30-21:30

Web: www.twine.com.tw

 

台湾伍中行

 

1900 年、西村武士郎なる人物が台湾の主要都市に茶葉や高級食材の専門店「西村商社」を創業した。戦後、各店舗は各台湾人支店長に譲渡され、1945 年「台湾台灣伍中行」が誕生することとなった。現在も半世紀以上秘蔵されてきたヴィンテージものの茶葉が陳列され、コレクター垂涎の的となっている老舗である。

 

 

Add: 台北市大安区潮州街 109 号

Tel: +886-2-2392-6388

Open: 12:30-20:30、日曜定休

Web: www.wuchunghang.com

特別企画ーー客家の伝統集落を歩く 「桃園市龍潭」

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客家の伝統集落を歩く

「桃園市龍潭」

 

文・写真/張立宇

 

龍潭(ロンタン)は台湾本島北部、桃園市内の客家(ハッカ)の集落。伝統の商店街「三坑老街」がその中心を担う。近隣の大渓老街のような繁華はないが、タイムトンネルを抜けたようなノスタルジックな佇まいが特徴だ。古い町屋が並ぶ街道で客家の美食を堪能したら、新興のスポット「菱潭街」に足をのばしてみよう。町おこしの若者が続々進駐し、クリエイティブなスペースを提供している。

 

Access:桃園客運バス中壢ターミナルより台湾好行バス慈湖線に乗車、「三坑老街」下車。

 

三坑老街

 

永福宮を起点に懐かしい家並みが続く「三坑老街」

 

龍潭の開発は大漢渓河畔の「三坑(サンカン)」から始まった。当時は水運が活発で、三坑は物資の集散地として栄え、多くの客家人が集まったという。彼らが開いた「龍潭大池」は周辺の農地を潤し、当地開拓の基礎を築いた。

 

 

水運業の衰微とともに「三坑」の町もその賑わいを失うが、往時の繁栄を偲ばせる古い町屋が独特の風情を醸し、近年多くのツーリストが訪れるようになった。長さ百メートル余りの「三坑」は台湾でもっとも短い「老街(ラオジェ)」と呼ばれる。街道の一端には百年の歴史を誇る永福宮がたち、今も昔も信仰の拠り所となっている。

 

当地には客家の移民が多かったことから、いまも商店街の食事処では客家伝統の美食が満喫できる。平日なら長閑な散策が楽しめよう。また週末や休日にはすべての店舗がオープンするほか、どっと近隣農家の屋台も繰りだし、往年の人出が戻ったかのように活気づく。

 

 

老街を一歩抜けると農地が広がり、田園の風光が楽しめる。林間の遊歩道を辿れば、サクラやアブラギリの小道、楓香神木といった地元のスポットに出会えよう。レンタサイクル(週末のみ営業)を利用すれば三坑自然生態公園・大平紅橋へも足をのばせる。

 

◎黒白洗

 

三坑老街入口に位置する。「黒白洗」とは洗い場のこと。かつて婦人たちが集まっては手を動かしながらおしゃべりに興じていたことだろう。「黒白洗」は当地の言葉で、他愛もない会話を「黒白講」と呼んだことに由来する。その水源は石門ダムにあたり、年中清流が絶えない。用水路わきのかつて水くみ場は、いまはツーリストたちの格好の遊び場になっている。

 

◎阿香菜包

 

客家の家庭に伝わる「菜包」「艾粄(草仔粿)」「包子(肉まん)」などを販売。いずれも都会では味わえない地元の風味だ。客家菜包の外皮はもち米を原料に蒸し上げる。しっとりした歯ごたえが魅力。なかの餡は干し大根・蝦米(オキアミ)・ひき肉など。黒胡椒の香りが人をひきつける。

 

TEL:+886-3-471-2559

ADD:桃園市龍潭区三坑老街 43 号

OPEN:7:00-17:00(月曜定休)

 

◎阿秋姨牛

「牛汶水」とは、「もち」の一種。通常のものより弾力があり、黒糖・ショウガ・ピーナッツ・ゴマなどが複雑なハーモニーを奏でる。かつて農民たちのおやつの時間に供され、心身の疲れを癒したという優れものだ。

 

黒糖としょうがが見事なハーモニーおやつに最適

 

TEL: +886-3-471-2131

ADD: 桃園市龍潭区三坑老街 45 号

OPEN:  土曜・日曜 8:00-18:00

 

◎阿琴小吃

「粄條」「湯圓」「米粉」といった客家伝統の美食を販売。手軽な地元の小吃店といった趣きだ。純米で製作される「粄條」は麺の一種で、シンプルに特製のたれのみでいただく。湯圓は甘みのある白玉のスープが一般的だが、当店のものは食事のお供にもなりそうな風味がある。

 


これぞ客家名物「粄條」シンプルさがたまらない

 

TEL: +886-3-479-3070

ADD: 桃園市龍潭区三坑老街 76 号

OPEN: 24 時間

 

◎三坑自然生態公園

地元の人たちが憩う風光明媚な秘境が公園として整備されている。三坑の中心街から約 2 キロ、大きな池を中心に緑の山麓が広がる。ときにシラサギなどの水鳥が訪れ、絵のような景観を呈する。

 

 

園内には木橋や東屋が配置され、広々とした芝生では家族連れがピクニックを楽しんでいる。夏になると水遊びのスペースは子供たちの歓声が絶えない。公園そばの大漢渓堤防には艶やかな色彩で絵が施され、遥かに石門ダムが眺望できる。

 

◎大平紅橋

台湾百大歴史建築物にも選ばれた大平紅橋。1923 年の創建で、百年近い歴史を擁する。かつて村民たちが三坑への往復に必ず渡った通り道だった。橋身は五つのアーチから構成され、橋体は赤レンガからなる。幅はわずか二メートル。素朴な佇まいである。小ぶりながらも親水公園が整備されているほか、周辺には桜花歩道・親水歩道が設置され、散策には最適のスポットである。

 

 

桃園市龍潭区石門路 55 巷内

 

若者たちの夢を育む「菱潭街」

 

Access:桃園客運バス中壢ターミナルより台湾好行バス慈湖線に乗車、「龍潭大池」下車、徒歩で約 5 分。

 

龍潭の大池に近い菱潭街は「興創基地」と名付けられ、若者たちが創意を発揮できるエリアとなっている。かつて市場のフードコートがあったが、火災などに遭遇し、十数年にわたり閉鎖されていたという。2017 年に地元の青年たちが手作りバザールの開催を通じて意気投合し、龍潭の旧称「菱潭(リンタン)」を冠して起業基地の立ち上げに取り組んできた。

 

 

菱潭街に入ると、灯篭やカラフルな看板が掲げられ、背景は格好のインスタグラムスポットになっている。カフェ・小食堂・ドライフラワー店・リサイクル雑貨店のほかライブスタジオや工房など 23 のブースが進駐している。共通するのは、いずれも「創造」がテーマとなっていること。例えば「武威学堂」はコンプレックスな文化空間で、日常は講座やミニコンサートが開催されている。またシーズンによっては短期の似顔絵描きやパフォーマーが登場したり、展覧会が開催されたりするなど、若々しいエネルギーに満ちている。

 

 

菱潭街を探訪するなら、やはり全店がオープンする週末や休日がお薦め。若いオーナーたちの掛け声が交差するなど活気が満ちる。地方都市の人情や龍潭・菱潭の歴史に触れる絶好の機会となろう。地元のショップでは定時・定点ツアーも開催されるので、ぜひチャレンジしてみたい。

 

案内人:菱潭街「興創基地」執行長張智宇

 

龍潭出身の張智宇さんは、故郷の老建築や事物が次々に消失していくのを目の当たりにし、Uターンして、地元の若者とともに町おこしに取り組んできた。現在は「菱潭街興創基地」執行長を務める。

 

ADD: 桃園市龍潭区南龍路 44 号

 

◎一人食堂

 

各地をドライブしては地元の食材を持ち帰るのが趣味だった女主人。しかし地方へ行けば行くほど大きな包装で売られているのが悩みの種だったという。そこで彼女は小さなパッケージで地産の良品を提供することを思いついた。店内では、ジャム・ビネガー・雑穀・調味料など防腐剤や添加物のない食品のほか安全安心な新鮮野菜を販売している。

 

◎艸木間

 

台湾高山茶をはじめ多彩なティドリンクを提供する地元モードのカフェ。お茶請けには台湾小吃の代表選手「刈包」を選んだ。風味は多彩で、三杯鶏・ピーナッツチーズなど異色のテイストが週替わりで登場する。

 

◎桃澗堡故事屋

 

地元の小学校で語り部を務めるお母さんが開いた物語スペース。いろいろなお話を聞けるほか、扇子の絵付けなどの DIY 教室にも参加できる。週末には子供たちを連れて多くの家族連れが訪れる。

美食特集ーーナイトグルメを楽しもう 「深夜食堂」台北版

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ナイトグルメを楽しもう

「深夜食堂」台北版

 

企画構成/鍾昀彤  文/鍾昀彤・楊善文  写真/宋育玫

 

 

早朝の豆乳店から深夜の粥店まで、台北は24 時間美食が楽しめる「眠らない町」。最近は和風の居酒屋や異国情緒あふれるパブなど、夜食の選択肢も広がりつつある。今号は、背景となる歴史や文化に触れながら、台北を代表する「深夜食堂」を一挙にご紹介する。

 

世界豆漿大王

 

「豆漿(トウジャン)」とは豆乳のこと。台湾人の朝に欠かせない国民的ドリンクだ。台湾で「豆漿」文化を語る上で外せないのが「永和豆漿」。大戦後、中国東北部から台湾に移り住んだ退役軍人たちが、現在の新北市永和区、中正橋一帯で豆漿・烤焼餅・炸油條といった大陸風の朝食を売り始めた。次第に「永和豆漿」は豆乳を提供する朝食店全般を指すようになり、「永和」の地名を冠する「豆漿店」も全台湾に広がっていった。MRT頂渓駅そばの「世界豆漿大王」も終戦当時創業の一店。屋台から身を起こし、台湾で最初に 24 時間営業を開始した豆乳の有名店だ。

 

現在当店では数十種の点心メニューをそろえる。

豆漿はアイス・ホットのほか常温も選べる。

 

現在、店には数十種の点心メニューがそろう。看板の「焼餅油條」は、中国風の揚げパンを、白ごまを散らしうっすらと焼き目をつけたクレープ風の焼餅で巻いたもの。頬張れば口の中に小麦の香りが広がる。もうひとつのおすすめは「蘿蔔絲蛋餅」。美濃産の大根を使用した切り干し大根を「蛋餅(玉子焼き入りクレープ)」で包んだボリュームの一品。ドリンクにはその日に手作りされた豆漿(加糖豆乳)・清漿(無糖豆乳)・米漿(米とピーナッツのドリンク)がおすすめ。豆漿はアイス・ホットのほか常温も選べる。そのほか、小豆餡の豆沙酥・小籠包にもチャレンジしたい。

 

Add: 新北市永和区永和路 2 段 284 号

Tel: +886-2-8927-0000

Open: 24 時間

 

無名子清粥小皿料理

 

物資が乏しかった時代、台湾人は安くて栄養豊富な地瓜粥(いもがゆ)を肉鬆(肉でんぶ)・醬菜(漬物)・菜脯蛋(玉子焼き)などをおかずに常食していた。時代が移り、経済成長期に夜間接待後の締めに粥が利用されるようになったことから、深夜まで営業する粥店が賑わうようになった。「無名子」がある復興南路はかつて「お粥横丁」と呼ばれていたが、いま残るのは三軒のみ。店内は清潔感にあふれ、カウンターに並べられている無数の小皿料理のほか、炒め物や肉類・海鮮までオーダーできる。テーブルに運ばれる人数分の芋粥を主食に、肉鬆(肉でんぶ)、豆棗(豆製品の甘煮)や麵筋(麩の煮物)を加えていただくのが台湾人流の食べ方だ。

 

 

Add:台北市大安区復興南路 2 段 146 号

Tel: +886-2-2784-6735

Open: 11:00-未明 3:00

 

建宏牛肉麺

農業社会の台湾では牛肉を食べる習慣がなかった。戦後大陸から渡来した軍人たちが四川風味の「紅焼牛肉麺」を持ち込んだのが、台湾牛肉麺文化の始まり。「紅焼」とは醤油・八角などがベースの濃厚なスープ。そのほか、塩ベースの透明スープ「清燉」、トマト味の「蕃茄」、激辛タイプの「麻辣」もある。

 

 

台北市北門付近の鄭州路は牛肉麺の聖地だったが、いまは数軒のみが残る。24 時間営業の建宏牛肉麺は、紅焼牛肉麺と牛雑麺(ホルモン)・綜合麺がメイン。牛肉麺の肉塊は柔らかく煮込まれ、牛雑麺のホルモンは臭みがない。スープは一般の紅焼牛肉麺よりあっさりしている。麺は細麺・幅広麺から選べ、小皿料理も豊富だ。

 

Add:台北市萬華区西寧南路 7 号

Tel: +886-2-2371-2747

Open: 24時間

 

饞食坊

 

台北 MRT 大安駅 5 番出口そばの路地に、大学の同窓三名が開いた店。一見普通の民家だが、店内は台湾風のノスタルジーに満ちている。多彩な小吃類をベースに台湾各地の食材を駆使した創作料理を提供。さらに深夜11時前後には日替わりメニューがスタンバイ。中でもおすすめは「花椒麺」。コシのある台南關廟麺に自家製の花椒油、胡椒、酢を合わせた、香り高く少し酸味のある辛さが絶妙だ。皮蛋(ピータン)入り玉子焼きは深夜限定メニューで、台湾ビールとの相性もぴったり。同じく深夜限定の「小捲鹹粥」は新鮮なイカ入りの粥で、夜の締めにおすすめ。

 

 

Add:台北市信義路 4 段 30 巷 8 弄 13-1 号

Tel:+886-2-2755-5859

Open:18:00-未明 1:00

予約:可/カード:不可/サービス料:無/ミニマムチャージ:無

 

渣男 Taiwan Bistro

 

台北市東部「象山」の山裾にたつ「渣男」。創業者の Tony 氏は気の置けない友人たちと飲める快適な空間を目指し、内外装に工夫を凝らした。懐かしい鉄枠の窓、客家伝統花柄の灯籠が店内を彩り、静かに 1990 年代の流行歌が流れるのは 30-40 代のゲストを想定してのこと。カウンターに座り、「滷味拼盤」「猪尾巴」「大腸包小腸」などの小吃が出来上がる様子を見ていると、まるで台湾の屋台にいるかのよう。ビール・ワイン・ウイスキーのほか、薬用酒「維士比(ウイスビー)」にコウリャン酒をあわせるパンチのきいたショット「癡情男子漢」など、個性的なカクテルもそろう。

 

 

Add:台北市信義区信義路 5 段 150 巷 315 弄 12 号

Tel:+886-2-2720-9820

Open:17:30-未明 1:30

予約:不可/現金/サービス料:無/ミニマムチャージ:一人ドリンク一杯

 

天命庵

 

もとは台湾大学の宿舍だったという、徐州路に鎮座する築 80 年余りの建物に有名デザイナー葉裕清氏が惚れ込みリノベーション。彼は建物との出合いの感動を「天命庵」という名に込めた。外観は和風の佇まいながら、メニューは純台湾モード。豚のホルモンや耳、テールなど、台湾ならではの食材を取り入れた串焼がメイン。シンプルに塩味にこだわるところにシェフの自信があふれる。カラスミや鶏の皮を揚げた「鶏皮仙貝」も台湾ビールにぴったり。

 

 

Add:台北市中正区徐州路34号

Tel:+886-2-2322-5642

Open:17:30-24:00・月曜定休

予約:可/カード:可/サービス料:10%/ミニマムチャージ:NT$ 250/満席時は食事時間 1.5hr

 

老貳階串焼

 

古いアパートの一室をリニューアル。オーナーの周氏が、アットホームな雰囲気の居酒屋を目指して開業した。趣味で集めた骨董家具を巧みに配してノスタルジックな風情を醸している。店内では和風と台湾風をミックスしたメニューを提供。ボラの一夜干しは大根おろしとともにいただく和風のスタイル。看板の「老貳蛋」は,牛肉でウズラの玉子を巻いて焼き上げ、カツオブシでいただく。「麻醬カリフラワー」や「鶏皮サラダ」は箸休めに最適。ドリンクは台湾ビールのほか、ノンアルコールの「凍檸茶(レモンティー)」が人気。

 

 

Add:台北市中山区長安東路 2 段 172 之 1 号 2 階

Tel:+886-2-2752-2297

Open:平日 18:00-未明 1:00

           休日 18:00-未明 2:00

Web: www.facebook.com/OLD2F

予約:可/カード:可/サービス料:10%/ミニマムチャージ:無

 

特別企画ーー河畔の風を頬に 台北市内のサイクリングコース

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河畔の風を頬に

台北市内のサイクリングコース

 

企画構成/鍾昀彤  文/楊善文  写真/宋育玫・邱欽煌・視野創異行銷

 

 

高級自転車の生産では世界屈指の規模と技術を誇る台湾。近年は、自転車道が各地に整備され、また都市部にレンタサイクルシステムが稼働し、ペダルを踏んでの移動が市民の生活に浸透しつつある。ぜひシティツアーの足にも活用してみたい。

 

台北市内の河畔には自転車道網が完備し、いろいろなタイプをそろえたレンタルショップも各スポットにスタンバイしている。今号は、台北市と新北市でツーリストにお勧めのサイクリング三コースをご紹介しよう。きっと意外な都会の顔が発見できるはずだ。

 

新店渓自転車道

 

家族連れも安心して利用できる河畔の自転車道。主に新店渓(シンテンシー)の左岸あるいは右岸に沿って進む風光明媚なルートで、台北市と新北市にまたがる長い区間に、木道やアスファルト、敷石による専用道が整備されている。沿線には歴史的スポットのほか、住宅街・緑化公園・フラワーガーデンと多彩な景観が広がり、全体に平坦で安定した走行が楽しめる。

 

碧潭風景区

 

右岸の起点は「碧潭(ビータン)」の渡し場。清代の 1881 年に船着き場があった記録が残る由緒ある場所だ。現在も対岸とは手漕ぎの渡し船が運行している。河畔を数分下った「碧潭風景区」は、台北市民にはお馴染みの行楽地として知られる。堰き止められた湖面が青緑色を呈していることからこの名があり、対岸にそびえる岸壁が長江を想起することから「小赤壁」と呼ぶ人もいる。休日には足漕ぎ式のスワンボートが湖上を無数に行きかう。

 

 

さらに河畔を下ると純白に輝く「陽光橋」が見えてくる。新北市が初めて設置した自転車・歩行者専用の橋で、渡った対岸は陽光運動公園として市民に開放されている。さらに北上し台北市内に入ると、やがて台湾大学のある「公館(ゴングワン)」に到着する。この地区のおすすめスポットは「宝蔵巌国際芸術村」。敷地は 3.97 ヘクタール。もとは山腹に広がる集落だったが、近年アーティストに創作空間を提供するなど、《ニューヨークタイムズ》にも取り上げられたユニークな地域おこしに取り組んでいる。

 

宝蔵巌国際芸術村

 

碧潭風景区

Location: 新北市 MRT 新店駅すぐ

 

宝蔵巌国際芸術村

Add: 台北市汀州路 3 段 230 巷 14 弄 2 号

 

八里左岸自転車道

 

台北市内を貫流する二大河川、淡水河と基隆河は圓山で合流する。さらに大きな流れとなった淡水河はやがて東シナ海に至る。河口エリアの右岸を「淡水(タンスイ)」、左岸を「八里(バーリー)」と呼ぶ。淡水でいったん自転車を返したら、渡し船で対岸に渡ろう。八里で自転車を借りて河畔を下るのがおすすめ。船着き場から、左岸公園・左岸劇場・挖子尾マングローブ保護区を経由して十三行博物館に達する 3.5 キロの自転車道が整備されている。

 

 

挖子尾保護区は土砂が堆積した砂嘴(さし)。内陸側に湾曲したラグーンが形成され、台湾では珍しいマングローブや海辺の植物が繁茂することから、保護区に指定された。十三行博物館は、先史時代の遺跡発見を契機に、2003 年に開館した台湾初の市立考古博物館。出土した文物が展示され、十三行文化、円山文化の背景がそれぞれ紹介されている。また、台湾建築賞を受賞した建築が独特な外観で人気の記念撮影スポットとなっている。

 

 

渡し場付近には八里の古い町並みが残り、海鮮レストランやカフェが軒を連ねる。時間があれば、河畔を南に遡上しよう。やがて見えてくるのは真っ赤な関渡大橋。輝く大橋は当地のランドマーク。橋の上から眺める淡水河の風景は、淡水河サイクリングの終着点に相応しい美しさだ。

 

 

挖子尾自然保留区

Location: 新北市八里区挖子尾街

 

十三行博物館

Add: 新北市八里区博物館路 200 号

Open: 9:30-17:00、毎月第一月曜休館

Ticket: NT$ 80

Web: www.sshm.ntpc.gov.tw

 

双渓生活水岸自転車道

 

陽明山国家公園を水源とする双渓(スワンシー)は、台北市のほぼ中心部の河浜緑地公園を貫流する。左右両岸に設けられた自転車道は、それぞれ約 3 キロあり、市内でもとくに整備され、気軽に楽しめるコースとなっている。また復興橋・雨農橋・文昌橋・福林橋・士林橋・双渓橋・双渓壩頂橋という個性的な七つの橋を通過する魅力もあり、週末になると、多くのカップルや家族連れでにぎわう。

 

芝山文化生態緑園

 

起点の双渓河浜公園のほか、沿線には瑞々しい緑地が広がる。小魚の群れをみかけるなど生態も豊富な一角だ。対岸にあたる芝山文化生態緑園は、台湾第一号の文化生態公園。貴重な動植物を育む園内には、台北で唯一現存する「芝山岩文化」の遺跡が残る。

 

台北市立児童新楽園

 

また近隣の台北市立児童新楽園は、5 ヘクタールの敷地に 13 のアトラクションを擁する市内最大の遊園地。児童新楽園の隣は天文科学教育館。直径 35 メートルに及ぶドームシアターは 325 人収容。夜空にまたたく星々たちと対話できる夢のスペースだ。

 

台北市立天文科学教育館

 

芝山文化生態緑園

Add: 台北市士林区雨声街 120 号

Tel: +886-2-8866-6258

Open: 9:00-17:00、月曜定休

Ticket: 一般 NT$ 50

Web: www.zcegarden.org.tw

 

台北市立児童新楽園

Add: 台北市士林区承徳路 5 段 55 号

Tel: +886-2-2181-2345

Open: 平日 9:00-17:00、土曜 9:00-20:00、日曜 9:00-18:00

Ticket: 一般 NT$ 30

Web: www.tcap.taipei

 

台北市立天文科学教育館

Add: 台北市士林区基河路 363 号

Tel: +886-2-2831-4551

Open: 火曜-金曜 9:00-17:00、土曜 9:00-20:00

Ticket: 一般 NT$ 40

Web: www.tam.gov.taipei

 

台湾鉄道ーー途中下車の旅 高雄、鳳山、九曲堂

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企画構成/鍾昀彤 文/高田雅子 写真/宋育玫

地図
https://drive.google.com/open?id=1vo2oeLHOiAMuNp5Yquy2xSqZdiMji8St&usp=sharing



高雄駅
港街の伝統と進化を訪ねて



台湾鉄道縦貫線終点にして屏東線始発である高雄駅。高雄市区鉄道地下化計画により、現在高雄駅の改修工事が進行中。新駅舎の利用開始予定は2018年8月。変化していく高雄駅に注目しよう。


珍芳からすみ見学工場


高雄の下町塩程市場の小さな店で創業してから50年以上にわたり、高品質のからすみを生産し続けている珍芳。二代目主人は工場の近代化を進め、からすみ工場初の ISO 22000 と HACCP 認証を取得。かつて外で天日干ししていたからすみは、ガラス張りの室内で乾燥するようになり、食の安全と衛生面がさらに高まった。

清潔な室内乾燥

予約制で工場見学を行っており、観光客は製造工程やパネル見学を通して、からすみについて学ぶことができる。売店では、からすみ本体はもちろん、からすみアイスキャンディーやふりかけなどのお土産も購入できる。からすみの色の薄いものはあっさり、色の濃いものは濃厚な味わいで値段も高め。古く酸化したものも色が黒くなるが、光に透かしてみると、新鮮なものは光が通るので見分けるといいそう。からすみ炙り体験など、各種DIYも楽しめる。


人気№1からすみアイスキャンディー
 

DIY図
薄皮をはがし竹串に刺す

 

高梁酒に火をつけて炙る

 

葉にんにくと大根を添えて完成!

住所:高雄市前鎮区新衙路 296 巷 81 弄 13 号
電話:+886-7-822-7488 
時間: 9:30-12:00、14:00-16:30(予約制)
工場参観:10:00、14:30各一回、約 60~120 分(手作りの体験時間も含む)
$:工場見学 NT$ 50(約 40 分)、DIY付工場見学 NT$ 100 から(60 分以上)
アクセス:台湾鉄道高雄駅からタクシーで約20分
高雄 MRT 紅線前鎮高中駅から高雄市バス紅 9 系統「仁愛国小」下車、徒歩約8分
公式サイト:jp.a-ten588.com.tw/ (日本語)

*    予約方法:参観希望日の 7 日前まで電話予約(変更またはキャンセルは前日までに電話連絡)。
* 工場見学各コース詳細は公式サイト jp.a-ten588.com.tw/ を参照。
*    休日は 20 名以上の団体のみ、20名以下は他グループと合同見学。
*    工場稼働の都合により、見学不可日や日程変更になる場合あり。

玫瑰聖母聖殿主教座堂

台湾最古かつ最大のカトリック聖堂。最初の布教所が創建されてから約 160 年の歴史がある。現在のゴシック様式聖堂は 1931 年の完成。天井や窓の柔らかな曲線、色彩豊なステンドグラスが、清らかな美しさを醸しだしている。
 


   
アドレス:高雄市苓雅区五福三路 151 号
電話:+886-7-221-4434
時間:月曜-水曜、金曜日 09:00-12:00、14:00-17:00 
木曜日 11:00-12:00;14:00-17:00
公式サイト:www.rosary.org.tw/
※参拝時は脱帽、撮影はフラッシュ禁止

高雄鉄路地下化展示館(旧高雄駅舎)

 

旧高雄駅舎は、1941 年の落成。台湾で唯一の和洋折衷の帝冠様式建築の駅舎として知られる。2002 年に新駅舎の建設が決定した際、現在の位置に移された。高雄駅地下化がすべて完成すると、地上部分は緑地公園になり、旧駅舎は新駅舎のシンボルとなる予定だという。
 
住所:高雄市三民区建国二路および南華路口
電話:+886-7-236-3357
時間: 10:00-18:00(月曜休館)
https://www.facebook.com/khuricenter/

旧三塊厝駅舎

 

高雄市の古蹟に指定されている旧三塊厝駅舎。開業は日本時代の 1908 年。1986 年に一度廃業したが、高雄市区鉄道地下化計画に伴い 2018 年 8 月に旅客駅として復活予定。現在工事中の新駅舎地上入口部分も旧駅舎と調和した木造日本建築となっている。
 
ADD: 高雄市三民区三德西街 90 巷 8 号


鳳山駅
アートと自然のハーモニー



清代から開発されてきた鳳山地区。近年は MRT が開通し、都市文化と自然の融合が進んだ潤いのある街へと進化を遂げている。高雄市区鉄道地下化計画では、この鳳山駅までが地下化される予定。

大東アートセンター

 

ホール、展覧館、図書館などを備えるアートセンターは、鳳山地区市民の文化生活の中心地。モダンな建築、芝生の公共芸術など、アート感覚にあふれた空間で、人気撮影スポットにもなっている。
 
住所:台灣高雄市鳳山區光遠路 161 號
アクセス:台湾鉄道鳳山駅から徒歩約 15 分、または高雄 MRT 橘線大東駅 2 番出口すぐ
サイト:dadongcenter.khcc.gov.tw

Zone Café 大東店

 

2017 年 11 月、アートセンター敷地内に高雄の人気カフェがオープン。ドライフラワーがあしらわれた店内は、明るく若々しい雰囲気。軽食におすすめは、アボカドとゆで卵のフランスパンと、薄い生地でチーズをはさんだトリュフと茸の薄焼きピザ。コーヒーから紅茶、フルーツソーダなどドリンクも豊富。のんびりくつろげるカフェだ。
  
左:酪梨太陽法国塔(アボカドとゆで卵のフランスパン)、右:松露野菇起司脆餅(トリュフと茸の薄焼きピザ)

住所:高雄市鳳山區光遠路 161 號
時間:10:00-24:00
ミニマムチャージ:ドリンク一杯(NT$ 60~)
サイト:https://goo.gl/Jcmy1D 

大東湿地公園

 

浄化水を再利用して作られた人口湿地。9 ヘクタールの広大な敷地では花や樹木が四季折々の表情を見せる。樹木の緑が水に映る様子は、街中の公園とは思えない程の美しさ。「高雄版忘憂森林」との呼び声も高い。
   
住所:高雄市鳳山区光遠路および博愛路
アクセス: 台湾鉄道鳳山駅から徒歩約 12 分、または高雄 MRT 橘線大東駅1番出口すぐ


九曲堂駅
近代産業発展の記憶を歩く



九曲堂駅は高雄から始まる台湾鉄道屏東線高雄市内最後の駅。かつては台湾糖業鉄道の始発駅でもあった。日本時代には高屏渓に鉄橋がかけられ高雄と屏東を結ぶ陸運の要所として発展した。

旧鉄橋空中歩道


日本人技師・飯田豊二が設計し、1913 年に建設された下淡水渓鉄橋(別称:高屏旧鉄橋)。橋梁の全長は 1526 メートルと、当時はアジア最長を誇った。近年、当時の構造を再現して修復され、空中歩道として人気観光スポットとなっている。鉄橋の足元には、高屏渓、岸辺の湿地帯など、水と緑の景色が広がっている。朝日や夕日の時間帯は特に美しい。

 


    
住所:高雄市大樹区竹寮路 109 号
時間:9:00-18:00(10 月-3 月は 17:00 まで)
アクセス:台湾鉄道九曲堂駅より徒歩約 15 分
※旧鉄橋上入場人数制限は最大 200 人。

三和瓦窯


伝統的なレンガ製造を続ける「三和瓦窯」の前身は、大正七年(1918)創業の「順安レンガ工場」。近年はミニレンガ製の文化クリエイティブ商品を開発したり、ガイドツアーやDIY教室を開催したりと、文化的な取り組みに力を入れている。高雄歴史建築十景、台湾歴史建築百景にも選出されている。

 


    
住所:高雄市大樹区竹寮路 94 号
電話:+886-7-651-2037
時間:8:00-17:00、休日・祝日 9:30-17:30
アクセス:台湾鉄道九曲堂駅より徒歩約 15 分
www.sanhetk.com.tw

コラムーー台灣之光 第33回「台湾のレゴブロック」

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みなさんこんにちは。このコラムでは、台湾常連観光客である私(胖太子)の目線から見た台湾のよいところやよいものなどを「台湾の光」として読者の皆様にお届けしています。

 

私事ですが、昨年末でまた一つ年を重ねてしまい、世間で「不惑」といわれる40歳までもあとわずかとなりました。しかしながら、現実はというと、夜市で実演販売している光る竹とんぼを見つけて衝動買いしたり、小さい頃に遊んだプラレールを捨てるどころか台湾新幹線やタロコ号の車両を再び買い集めていたりもしていて、小学生、いや幼稚園の頃から惑わされてばかりで何も変わっていません。つい先日も台北で、心ときめく衝動買いをしてしまったので今日はそのお話をしたいと思います。

 

私の心をときめかせたお店は、台北MRTの台電大樓駅の 3 番出口を上がって、2~3 分師大路を歩き、さらに一本路地へ入ったところにあります。路地を歩いていた私の目に留まったのは、レゴブロックでできたスターウォーズのミレニアムファルコン号のディスプレイでした。他にも建物や乗り物などのセットやキャラクターもののレゴブロックが所狭しと並んでいて、店中がおもちゃ箱のような雰囲気に圧倒され、気が付いたら私は店の中に入っていました。店内は映画が公開されるということもあって、スターウォーズのキャラクターのレゴが充実していて、私もついダースベイダーのライト付きレゴブロックを購入してしまいました。店員さんに聞くと、同じ路地にもう一つ店舗があり、そちらでは、新品・中古品のブロックパーツに加え、お店のオリジナルレゴブロックを販売しているとか。このオリジナルレゴブロックが私のハートのストライクゾーンど真ん中を射抜いたのです。

 

どんなものかといえば、台湾コンビニで売られている飲み物やカップラーメン、教科書、封筒、高速鉄道の乗車券、ナンバープレートなど、台湾の生活感が感じられるものがレゴブロックになっていて、それぞれひとつ20元~30元(約80円~110円)というお手ごろな価格で売られているのです。これがとにかくかわいくて、愛おしくて、ついついショーケースの前に居座り、結局1時間ほど滞在してしまいました。私はこの時は高速鉄道の切符のブロックを買いましたが、ほかにもたくさんのブロックがあるので、その時の台湾旅行の思い出に関連したブロックを買ってみるというのもよいと思います。

 

さて、そんなレゴブロックですが、台湾ではこんな漢字表記をします。

 

「樂高」

 

中国語の音に近づけた当て字ではありますが、楽しさを高く積み上げていくという漢字は、私のへっぽこコラムでは伝えきれないレゴの魅力をしっかりと伝えてくれます。改めてレゴブロックと漢字がもつ楽しさの奥の深さに感服した午後のひと時になりました。

 

お店のオリジナルレゴ。台湾の日用品がたくさん。

 

<今回紹介したお店>

必買站

台北市師大路93巷13號

営業時間:10時(土日は12時)~21時

 

 

胖太子(ぱんたいず)
仕事で台湾を訪れるうちに、いつしか仕事を忘れて台湾を訪れるようになった日本人。最近は季節に 1 回どころか月に 1 回台湾を訪れないと発作が起きる。外見は「電音三太子」にそっくりとかなんとか…。

コラムーー台湾行きっ戻りっ 第15回

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港町に古本屋ができた

台東県成功鎮に兆す新たな試み

山と海が結び合う新港の街で

 

台湾東部にある港町で、昨年 12 月、一軒の古本屋がオープンした。日本統治期の 1932 年に建てられた木造 2 階建ての 1 階部分を改装したもので、「眺港」という店の名前の通り、2 階のベランダからは港を眺めることができる。この港町は台東県成功鎮。日本統治期に竣工した新港漁港(成功漁港)が今も使われ、「眺港」のベランダから見渡せるのはこの漁港を核にして暮らしてきた人々の営為だ。

 

「眺港」のある木造建築は「新港教会会館(菅宮勝太郎宅)」と名付けられている。菅宮は 1883 年に茨城県鹿島郡東下村(現在の神栖市)で生まれた人物。官吏として新港に勤めていたころに建てた自宅がこの建物である。1943 年に亡くなると、お骨は日本に帰ることなく新港で埋葬された。

 

戦後は診療所として使われ、現在は成功鎮にある新港教会の所有となっている。台湾の東海岸はキリスト教を信仰する人が多いことで知られ、成功鎮でも教会の十字架をそこここに見かける。新港教会はこうした教会のひとつで、劉炳熹牧師(35)は「この建物をさまざまな機能を持った場所にしたい」と話す。「眺港」はこの取り組みの一環で、古書を販売するだけでなく、海産物やローゼルの加工品、ハーブなど地場産品を陳列したスペースもあった。文教や産業の新たな地域拠点に育っていこうとする兆しが、こぢんまりとした店内に感じられる。

 

QRコードをスマホで読み取ると、建物のいわれを説明した中国語を聞くことができるという仕掛けもある。台湾を旅する人のなかには中国語がしゃべれたり、中国語を勉強中という人もいることだろう。遊び心とともに試してみてはどうだろうか。手作り感のあるナレーションを聞きながら館内を歩くのは悪くない体験だ。内部には中国語を使った説明パネルも掛かっており、丁寧に文字を追っていけば中国語は全くダメという人でも大意は読み取れるから心配は要らない。

 

ことし 1 月、成功鎮を訪れた。寒いし、雨も降るしというあいにくの空模様ではあったが、帰りしなに台湾東部ならではの景色に出合った。用事を済ませて新港教会からバス乗り場に向かって歩いていくと、綿を引いたような雲が海岸山脈にかかっているのが見えたのだ。深く青い海が峰々と接するような地形があってこその、すがすがしい風景。台北の松山空港から台東空港まで飛行機を使ったとしても成功鎮までは 2、3 時間は必要だが、それだけ費やしてでも来たかいがあっただろ、と語りかけてくるような眺めだった。

 

 

「眺港」の店内で出会った子どもたち。左側の柱にあるにはQRコードを使うと、建物のいわれを聞くことできる

 

「新港教会会館(菅宮勝太郎宅)」と名付けられた建物

 

 

松田良孝(まつだ よしたか)


1969 年、さいたま市生まれ。北海道大学農学部農業経済学科卒。八重山毎日新聞記者などを経て、現在はフリー。石垣島など沖縄県と台湾の関係を中心に取材を続ける。著書の『八重山の台湾人』(南山舎、2004 年)は、2012 年に『八重山的台湾人』として中国語訳され、行人文化実験室(台北)から出版。共著に『石垣島で台湾を歩く:もうひとつの沖縄ガイド』(沖縄タイムス社、2012 年)。2014 年には小説『インターフォン』で第 40 回新沖縄文学賞受賞。


NEWS--ミシュランガイド台北版発刊 20のレストランに星マーク

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さる 3 月 14 日、初のシュランガイド台北版が発刊され、話題を集めている。お薦めりリストには 33 種、110 のレストランが紹介され、うち 20 軒に星マークがつけられた。

 

 

唯一三つ星を獲得したのは君品酒店の広東料理「頤宮」。二つ星は日本料理「祥雲龍吟」と台北喜來登飯店の中華料理「請客樓」の二軒だった。

 

一つ星のレストラン 17 軒は、欧風・和風・網焼・杭州など多士済々。地元台湾料理からは「金蓬莱遵古台菜」と「明福台菜海産」が選ばれた。また比較的手ごろな価格で利用できる「ビブグルマン」リストには36軒が入選し、うち 10 軒が夜市や屋台の美食だった。

 

 

ミシュランの発行を強力に後押してきた台湾政府交通部観光局の林坤源主任秘書は授賞式に出席し、台湾の美景・人情とならんで、美食は海外から来台するツーリストの大きな動機となっている。今回ミシュランガイド台北が産声をあげ、台湾の美食がついに国際舞台に華々しく登場したと、祝辞を述べた。

 

三つ星
頤宮 Le Palais (Cantonese / 広東料理)
 

二つ星
祥雲龍吟 RyuGin (Japanese contemporary / 日本料理)
請客樓 The Guest House (Chinese / 中華料理)


一つ星
大腕 Da-Wan (Barbecue / 網焼き)
教父牛排 Danny's Steakhouse (Steakhouse / ステーキ)
金蓬萊遵古台菜 Golden Formosa (Taiwanese / 台湾料理)
謙安和 Ken An Ho (Japanese / 日本料理)
吉兆割烹壽司 Kitcho (Sushi / 寿司)
侯布雄 L'Atelier de Joël Robuchon (French contemporary / フレンチ)
La Cocotte by Fabien Vergé (French contemporary / フレンチ)
Longtail (European contemporary / 欧風料理)
明福台菜海產 Ming Fu (Taiwanese / 台湾料理)
MUME (European contemporary / 欧風料理)
RAW (Innovative / 創作料理)
鮨野村 Sushi Nomura (Sushi / 寿司)
鮨隆 Sushi Ryu (Sushi / 寿司)
Taïrroir (Innovative / 創作料理)
大三元 Three Coins (Cantonese / 広東料理)
天香樓 Tien Hsiang Lo (Hang Zhou / 杭州料理)
雅閣 Ya Ge (Cantonese / 広東料理)

トラベル特集ーー高雄「美濃・旗山」

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高雄「美濃・旗山」

豊かに息づく客家の文化

 

企画構成・文/鍾昀彤  写真/宋育玫

 

高雄市郊外に位置する旗山(チーサン)と美濃(メイノン)には、繁華な市内とは異なる純朴な小村の雰囲気が漂い、独自の文化に根差した暮らし振りが息づいている。かつて「バナナ王国」と称された旗山。旧旗山駅を中心にバロック風の街並みを散策し、ご当地グルメとバナナスイーツに舌鼓。美濃では伝統の唐傘作りや擂茶の体験、そして本格的な客家料理にもチャレンジしたい。南国の山里にはきっと奥行きのある旅の時間が待っている。

 

 

Access:

高速鉄道左営駅から旗美国道快捷バスで「旗山南バス停」か「美濃バス停」で下車後徒歩あるいはタクシー

 

旗美国道快捷巴士 www.kbus.com.tw/bus_info.asp?id=106

 

美濃

客家の里ならではの体験

 

広進勝紙傘

 

油紙傘とは油紙を貼った唐傘のこと。美濃(メイノン)の客家(ハッカ)文化を象徴する文物のひとつだ。油紙傘は、風雨を避ける役割のほかに、客家語の「油紙」の発音が「有子」と通じるため、子孫繁栄の縁起物として大切にされてきた。実父が創業したという「広進勝紙傘」は現在二代目の林栄君・呉剣瑛夫妻に受け継がれている。彼らは傘の表面に切り紙やプリント技術を応用し、次々に斬新な作品を生み続けている。

 

 

当店では唐傘作りに挑戦できる。半成品に、筆とポスターカラーを駆使して、思い思いの世界を描こう。最後にニスを塗ってもらい、天日で 15 分ほど乾せば完成だ。美濃の思い出にオリジナル唐傘を持ち帰りたい。

 

 

Add: 高雄市美濃鎮民権路 47 号

Open: 9:00-18:00

Tel: +886-7-681-3247

料金:DIY 100 元/人

 

美濃駅桟擂茶舖

 

昔から客家の人々は自家用に茶葉を栽培してきた。その茶文化の一つが「擂茶」だ。今ではツーリストにとって、客家文化体験の重要なアイテムとなっている。アンティークの茶碗をコレクションしている林希舜さんは、伝統の茶文化を後世に伝えるべく、美濃で初めての擂茶館「美濃駅桟」を開設した。

 

 

擂茶は、ピーナッツ・黒白ゴマ・玄米をすり鉢に入れ、擂粉木で円を描くように、すべての材料から油が滲み出てくるまで摩る。さらに客家山茶粉や小豆を入れながら粉末状にする。好み量を茶碗に入れて適量のお湯を注げば出来上がり。お薦めのお茶菓子とともに客家の雰囲気いっぱいのお店でいただく一杯は格別だ。店内ではレトロなおやつや擂茶缶も販売しているので、お土産にぜひ。

 

客家伝統の藍染めシャツを借りて(無料)記念撮影。

 

Add: 高雄市美濃区成功路 142 号

Open: 10:00-18:00

Tel: +886-7-681-8475

料金:DIY 150 元/人

 

美濃周辺スポット

中正湖

 

面積 21 ヘクタール、高雄市では澄清湖に次ぐ大きな湖水で、日本時代から周辺に生活用水・農業用水を提供していたという。今は、豊かな自然の生態と優美な環境を求めて、サイクリングや散歩、釣りを楽しむ人が増え、美濃を代表するレジャースポットになっている。

 

 

Add: 高雄市美濃区民権路と泰安路の交差点

 

原郷縁紙傘文化村

 

1989 年に設立された工房。当地伝統の油紙傘の文化を伝える、観光と教育の機能を兼ね備えた文化拠点となっている。中国風の塀を巡り、大きな門をくぐると、内部は台湾伝統の三合院建築の邸宅をなす。当村では唐傘作りと陶芸が体験でき、地元の風情がいっぱいの土産物をゲットできる。

 

Add: 高雄市美濃区中興路 1 段 147 号

Open: 平日 9:00-17:30、週末 8:30-18:00

Tel: +886-7-681-0888 

Web: www.meinung.com.tw

 

美濃民俗村

 

懐かしい農村の風景を再現した。入口に牛車の車輪など、かつての農村を象徴する品々が並ぶ。まさにここは美濃のミニチュアともいえる。館内では伝統の傘作りと、手ひねりの陶芸が体験できる。本格的な客家料理と美濃の特産品もお薦め。

 

Add: 高雄市美濃区中山路 2 段 421 巷 80 号

Open: 平日 8:30-17:00、週末 8:00-18:00

Tel: +886-7-681-7508 

 

美濃客家文物館

 

美濃地区は、台湾南部では有数の客家の町。二階建ての文物館では、昔話をテーマに展示がなされ、客家の暮らしや文化に触れることができる。一階は特別展示室・テーマ館・文物展覧館、二階は児童探索エリアとなっている。

 

 

Add: 高雄市美濃区民族路 49-3 号

Open: 火曜-日曜 9:00-17:00、月曜休館

Tel:+886-7-681-8338

Web: meeinonghakka.kcg.gov.tw

 

客家風味料理

珍佳味風味小館

 

美濃市内の繁華な一角で、現代人の好みに合った、さっぱりした客家料理を提供している。お勧めは「看板ダイコン粄」。美濃特産の白玉ダイコンを用い、黄金色に焼けた皮はカリッと、内側は弾力と柔らかさがある。パクチー、醤油、ニンニクで調整した特製ソースをつけて食べれば、ダイコンの爽やかな甘みが感じられる。「野蓮炒め」は客家の家庭料理。千切りショウガ、豆豉を加えて強火で炒め、淡い香りと歯ごたえが特徴。ちょっと珍しいのが「干しキャベツスープ」。干して発酵させたキャベツを用い、しゃきしゃき感を残しながら、酸味とのど越し甘味が魅力の一品。

 

Add: 高雄市美濃区美中路 92-7 号

Open: 10:30-14:00、16:30-20:00、水曜定休

Tel: +886-7-681-2839

予約:可/現金のみ/ミニマムチャージ:無

 

秀宜粄條

 

創業 35 年の老舗。美濃の粄條(客家米きしめん)の専門店、本場の味と多彩なメニューから観光客にも愛されている。粄條は、汁なしと汁あり、焼きそばタイプの三種がある。「汁なし粄條」は粄條に特製の揚げネギをまぶし、繊細な食感のニラを合わせ、特製ソースをかけていただく。「看板スープ粄條」にはモヤシ、ニラ、豚肉が入り、熱いスープで柔らかくなった粄條とよく合う。豚骨スープは揚げネギの香りが魅力的だ。「キャベツ封」は醤油ベースの煮汁でキャベツを一個丸ごと煮込む。とろける柔らかさで、ご飯が進む人気メニューだ。

 

Add: 高雄市美濃区美興街 18 号

Open:平日 9:00-18:30、週末 8:00-20:00

Tel:+886-7-682-0826

予約:可/現金のみ/ミニマムチャージ:無

 

美濃の古民家民宿

香蕉與黒膠三合院

 

80 年近い客家伝統の邸宅が民宿に生まれ変わった。オーナーの鍾士為さんは後継ぎとしての責任を感じ、2013 年に祖父が残した邸宅の修復に取り掛かった。ベテラン職人に依頼し、伝統の工法で「三合院」と呼ばれる様式とともに、リビングや台所から家具の細部に至るまで、建設当時の姿に復元させたという。客室は現在四部屋。そのうちの二室はかつてタバコの葉を燻した「菸楼」を改装。基礎は土レンガでできているため、冬は暖かく夏は涼しいという。

 

 

民宿には「菸楼」を改造したレコード収蔵室が設けられている。母親がかつてラジオのアナウンサーを務めていたことから、五千枚に近いレコードコレクションを擁している。そのほとんどが台湾歌謡界の重要な資産であり記録で、夜の帳が下りると、赤瓦と木の香りをお伴に、ビール片手に懐メロを聞き、思い出にひたるゲストも少なくないという。

 

 

家の外に出ると、遥かなる山並みと水田がコントラストをなし、壮麗な景観が広がる。簡素な佇まいの宿には地元の人ならではの温かいもてなしが用意されている。忘れられない一夜になりそうだ。

 

 

Add: 高雄市美濃区興隆一街 112 巷 34 号

Tel: +886-9-1282-3556

 

旗山

旧市街の五大B級グルメ

 

 

旗山はかつて製糖業でにぎわった街だ。当地の商店街には古典的体裁のアーケードが残る。石をアーチ状に積みあげた回廊のような歩道は、台湾では唯一現存する貴重な存在。赤煉瓦の街並みとともに、この町の探索を魅力あるものにしてくれる。

 

阿婆香鶏排

 

創業二十数年ながら、旗山旧市街でも屈指の名店。看板料理の「酥脆イカ」はカリッと揚がったイカフライ。噛めば噛むほど旨味が溢れ出し、思わず次の手がのびる当地の名物。

 

Add: 高雄市旗山区中山路 25 号

Open: 16:00-1:00

Tel: +886-9-3923-3609

 

波蘿泡芙

 

大人気の手作りシュークリーム店。当日製造にこだわる新鮮さがウリだ。生クリーム・バナナ・タロイモ・チョコ・イチゴの五種あり、どれも香料や防腐剤を一切不使用。黄金色のシュー生地に、たっぷりのクリームはムースのようになめらかさで、冷凍すればまた違った風味が楽しめるという。

 

 

Add: 高雄市旗山区中山路 66 号

Open: 10:00 売切れ御免

Tel: +886-7-661-5206

 

吉美香蕉蛋糕

 

街角の老舗のパン屋さんながら、特産のバナナを使い、旗山を代表するスイーツを開発し、一気に話題の名店に。一番人気のバナナケーキは、濃厚なバナナの香りがいっぱい。濃い目のコーヒーとあわせて楽しみたい。

 

Add: 高雄市旗山区中山路 62 号

Open: 8:00-21:00

Tel: +886-7-661-5006

 

旗山枝仔冰城

前:旗山バナナアイス/後:ミルク小豆アイス

 

1926 年から営業しているアイスキャンディ専門店。創業者の鄭城さんは、台湾で初めてアイスキャンデーを作った人と言われ、地元の有名人だ。近年はバナナアイスをアレンジした冷たいスイーツが人気で、滑らかな舌触りとさっぱりした甘さが人気の秘密だ。

 

Add: 高雄市旗山区中山路 109 号

Open: 平日 9:30-22:30、週末 9:00-23:00

Tel: +886-7-661-2066

Web: www.kaps.com.tw

 

旗山周辺スポット

旗山旧駅-糖鉄故事館

 

旗山旧駅は 1911 年に作られた駅舎。ビクトリア様式とゴシック様式が融合したレトロな風格で、八角形の尖った屋根が特徴。かつては糖業鉄道「旗尾線」の駅で、当時は運輸・交通の拠点だった。旗山の糖業史を保存しようと、旗尾線で唯一残る「旗山駅」が「糖鉄故事館」にリノベーションされた。館内では当地の歴史と産業の変遷について理解が深められるほか、往時を偲ばせる蒸気機関車も展示されている。

 

駅限定の「ローゼルとサツマイモのアイスキャンデー」は甘酸っぱい爽やかな味

 

Add: 高雄市旗山区中山路 1 号

Open: 平日 10:00-18:00、週末 10:00-19:00、火曜休館

Tel: +886-7-662-1228
Ticket: 30 元/人

Web: cishanstation.khcc.gov.tw

 

旗山天后宮

 

海の神様「媽祖」を祀る信仰の中心だ。高雄市の史跡に指定されている境内は福建伝統の様式を伝える。正殿に祀られている媽祖像は、中国大陸から運ばれた神像の中では最古といわれる。

 

Add: 高雄市旗山区永福街 23 巷 16 号

Open: 5:30-22:00

Tel: +886-7-661-2037

 

武徳殿

 

1934 年創建の武道場。唐風と和風が見事に融合した優美な建築を誇ったが、1994 年に火災に見舞われたあと、「武徳殿文化センター」として補修が施され、文化イベント会場に生まれ変わった。

 

Add: 高雄市旗山区華中街 (旗山小学校向かい)

Open: 9:00-18:00、月曜休館

Tel:+886-7-661-4684

 

旗山孔子廟

 

孔子の生誕を祝う「祭孔大典」が盛大に執り行われることで有名。「鼓山公園内」にあり、敷地面積が 4 ヘクタールを超える台湾最大の孔子廟とされる。宋代の建築様式を伝え、黄色の瑠璃瓦、朱塗りの梁や柱、白い欄柵は堂々たる威風を放つ。境内からは旗山の街を一望でき、夜景の名所として知られる。

 

Add: 高雄市旗山区華中街 44 号

Open: 9:00-17:00、月曜休館

Tel: +886-7-661-6859

美食特集ーー台湾「熱炒の世界」 炎で炒め揚げる醍醐味

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台湾「熱炒の世界」

炎で炒め揚げる醍醐味

 

企画構成/鍾昀彤 文/鍾昀彤.劉宛昀.楊善文 攝影/宋育玫

 

台湾には「熱炒店」と称するジャンルの食堂がある。一皿が 100-200 元(五百円前後)と手軽で、メニューが多く深夜まで営業していることから、仕事帰りや友人同士の会食に利用される。一方、ツーリストにとっては、地元の人たちの食生活や暮らしぶりに生で触れる絶好のスポットでもある。

 

33 区熱炒

 

 

林森北路と長安東路が交差する周辺は多くの「熱炒(ラーザオ)店」が集まる一角だ。「33 区」そのなかでとくに有名なレストラン。近隣の串焼店「薑母六三」も同じオーナーなので、いずれの店に入っても、「熱炒」と「串焼」が同時にオーダーできるのがセールスポイント。「熱炒」とは字義の通り、強火で炒めあげる料理をいう。しかも民家では考えられない火炎で一気に炒めるところに醍醐味がある。当店には六十以上のメニューかあるが、なかでも人気は「糖醋排骨」、いわゆる「酢豚」である。骨付きのリブに玉ねぎ、ピーマン、パイナップルを取り合わせた逸品。「塔香茄子」は九層塔(バジル)とナスをピリリと炒めたもので、シンプルながら彩りの対照が食欲をひきたてる。「香酥牛蒡」はゴボウの千切りの香味揚げ。ほかに刺身や海鮮もスタンバイしているので、台湾ビールのお供には最適だ。

 

 

Add: 台北市中山区長安東路 1 段 63-1 号

Tel: +886-2-2563-3687

Open: 11:00-14:00、16:00-02:00

予約:可/現金のみ/ミニマムチャージ:無/サービス料:無

 

 

全福海鮮

 

仁愛路ロータリーそばの全福海鮮。午前は弁当屋ながら夜間は熱炒店に変身する。一般の熱炒店と異なり、外観・内装ともにシンプルかつ清潔なイメージで統一されている。

 

 

「海鮮」を謳うように食材は当然新鮮さにこだわる。しかもボリュームたっぷりのことから地元民に愛用されるほか、外国人ツーリストの姿も少なくない。「皮蛋地瓜葉」は栄養価の高いサツマイモの葉と皮蛋(ピータン)をニンニクとともに一気に炒めあげた。しゃきしゃき感がたまらない野菜炒めの一級品だ。おつまみに欠かせない「辣子雞丁」は紅辣椒と花椒を使って鶏の胸肉をピリ辛風味に仕上げる。「鹹豬肉」は焼き上げた塩味のばら肉をニンニク風味のたれでいただく前菜。

 

 

Add: 台北市仁愛路 4 段 48巷  7 号
Tel: +886-2-2702-8818
Open: 18:00-1:30
予約: 可/カード:可/サービス料:無/ミニマムチャージ:無

 

 

小張亀山島

 

台北遼寧夜市には多くの海鮮熱炒店があるが、なかでも小張亀山島は素材が豊富で新鮮と人気が高い。宜蘭県の大渓漁港で育ったオーナー「張さん」にとって海鮮はお手の物。養殖物や冷凍品は一切使用せず、実家の海産物を取り寄せて店頭に陳列している。

 

 

その景観が目を引き、多くの外国人観光客も立ち寄るとか。大ぶりの生カキにカタクリをまぶして強火で揚げた「蚵仔酥」は塩コショウでいただく。さくさく、しっとりの食感がなによりの魅力。お勧めの「炒蛤蜊」は台湾風酒蒸し。ぷりぷりのハマグリをショウガやニンニク、米酒とともにざっと炒める。「櫻花蝦炒飯」は香ばしいサクラエビ入りのチャーハン。締めに最適!

 

Add: 台北市中山区遼寧街 73 号
Tel: +886-9-2780-8693
Open: 17:00-1:00
予約: 可/現金のみ/サービス料:無/ミニマムチャージ:無

 

大道 18 号精緻熱炒

 

オフィス街に近い市民大道上の大型店で、平日にはアフターファイブの会社員、週末には多くの家族連れが集結する。新鮮な素材を生かした台湾の北部、中部、南部の料理が出そろい、外国人観光客にも人気が高い。

 

 

澎湖直送のイカをさっと湯がいた「小卷川燙」は新鮮シーフードをワサビ醤油でいただけるのがうれしい。「金沙蝦球」はエビ団子の揚げ物。衣に含んだ黄身が黄金色を呈することからこの名がある。

 

Add: 台北市大安区市民大道 4 段 20 号
Tel: +886-2-2711-0985
Open: 17:00-14:00
予約: 可/カード:可/サービス料:無/ミニマムチャージ:無

 

 

bEERu啤調客

 

台北市東部の繁華な市民大道上にあるインダストリアルなビストロ風バー。台湾では珍しい自製のクラフトビールが目玉で、カウンターには三種の生ビールーバーを設置。量り売りでセルフでビールを注ぐこともできる。ビールのおともには台湾風創作料理を。

 

黃飛鴻潑水炸雞(ピリ辛風から揚げ)

 

涼拌雞肉絲(ビール漬鶏もも肉)

 

Add: 台北市松山区市民大道 4 段 129 号
Tel: +886-2-2577-1815
Open: 18:00-2:00
予約 :可/カード:可/サービス料:10%/ミニマムチャージ:お一人 $350 (休日)

 

参和院

 

そごうデパート近くの台湾風ビストロ。伝統的な台湾料理のほか、各国の料理をイメージした多彩なアイデア料理を提供。フロアは、台湾の古いアパートを思わせるモザイクタイルの床と打ちっぱなしの壁、木枠の窓が独特の風情を醸している。

 

刺蝟叉焼包(ハリネズミの揚げ叉焼まん)

 

五味九孔鮑(ポテトサラダとトコブシの前菜)

 

Add:台北市大安区忠孝東路 4 段 101 巷 14号

Tel: +886-2-2731-3833

Open: 11:30-23:00

Web www.sanhoyan.com.tw

予約: 可/カード:可/サービス料: 10%/ミニマムチャージ:お一人 $300

街道散策ーー三峡・板橋 日帰りの旅

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三峡・板橋

日帰りの旅

 

企画構成/鍾昀彤 文/劉宛昀 攝影/宋育玫

 

「板橋(バンチャオ)」は新北市でもっとも人口が多く、交通の要衝に位置することから、台湾北部の政治経済の中心地になっている。数々の名所旧跡のほか、賑やかな夜市もあって、近年は観光の拠点としても注目されている。

 

同じく大漢渓畔に位置し、板橋の上流にあたるのが三峡(サンシャー)である。大漢渓のほか三峡河・横渓が合流することから、日本時代に「三峡」と呼ばれるようになった。水運の便を利用して商業の要地として栄え、地産の茶葉・染め物・樟脳などが内外に搬出された。その後、川底に土砂が堆積して、水運は衰微したが、その明媚な風光が愛でられ、北部を代表する観光スポットになった。また近年、台北大学が設立されたのを契機に人口が増加に転じたともいう。かつて繁華を極めた商店街「三角湧街」には福建伝統の軒並にバロック風の建物が加わり、独特の風情を醸している。現在は「三峡老街」と呼ばれ、工房やギャラリーのほか古風な食堂が並ぶ、歴史情緒あふれる街道をじっくりと歩いてみたい。

 

 

Access

台北市内から板橋へ:

台北 MRT 5板南線の江子翠駅 - 亜東医院駅間は板橋区内にあたる。新北市政府ビル(市役所)に隣接する板橋駅と府中駅は板橋でもとくに繁華な一角。ここから林家花園・湳雅夜市へも徒歩圏内だ。

 

 

台北から三峡老街へ:(車で約 30 分)

1. 台北 MRT 板南線永寧駅より路線バス 705、706、916、922、藍 43 に乗り換えて三峡老街へ

2. 台北 MRT 板南線新埔駅より路線バス 910 に乗り換えて「三峡国小」下車後徒歩で老街へ

 

 

三峡の見どころ

三峡老街

「三峡老街」とは山と川に隣接する約 260 メートルの民権街一帯を指し、「老街(ラオジェ)」と称される伝統の商店街の中でも台湾で最長といわれる。明代末期に中国大陸からの移住者開墾に入った。河畔で水の便がよいことから、沿岸に集落ができ、清代乾隆期に入り、三角湧街と称される商店街が形成された。当時付近で染料用のリュウキュウアイが生産されていたことに加え、水量も豊富で、染色業が勃興。波止場とその周辺は、茶葉・染め物・樟脳の三大物産の集散地として栄えた。

 

 

日本時代に入ると、表通りの家並みが欧風に改められ、和洋中のデザインや紋様がコラボした独特の景観が誕生した。商店街入り口には二階の展望台に通じる階段があり、見事に設計された街並みが一望できる。

 

三峡拱橋 (アーチ橋)

 

1933 年竣工したアーチ型の橋。往時は三峡と市街を結ぶ貴重な架け橋だった。現在は三峡を代表するランドマークとして知られる。

 

三峡長福巌

 

1767 年の創建と伝えられる「三峡長福巌」、俗に「三峡祖師廟」とも称され、福建省泉州安渓県の高僧清水祖師を祀っている。艋舺祖師廟・淡水祖師廟とともに台北三大祖師廟とされる。建物は幾度も再建を余儀なくされてきたが、大戦後は李梅樹教授の手で全面的な改装が執り行われ、面目を一新した。台湾でも比類ない精緻な石彫が施されたことでその名を高め、とくに本殿の「三層双龍柱」「花鳥柱」「百鳥朝梅柱」は台湾宗教美術の結晶といわれる。

 

Add: 新北市三峡区長福街 1 号

 

庶民美術館

 

地元のアーチスト「呉冠徳」とその一家が古民家を改装して開いた私設美術館。その名の通り庶民の暮らしの中で磨かれてきた雑器や美術品・工芸品のなかに「美」を発見しようという試みだ。なかには骨董的価値をもつものも少なくない。一家は三代にわたり三峡に住まう。呉さんは美術教師を務めたこともあるが、現在は山河をテーマに水彩画・油絵を描いており、その作品もあわせて展示している。館内のカフェテラスでは、台湾産のコーヒーや有機果汁を提供している。

 

Add: 新北市三峡区民権街 110 号

Open: 木曜-日曜 12:00- 18:00

Tel: +886-2-2671-2009

Ticket: 大人 NT$ 20、子供無料

Web: www.facebook.com/SuChiungArtMuseum/

 

井香階咖啡茶館

 

デザイナーの経験をもつオーナーが赤レンガの古民家を借り受けて、複合式レストランを開設。入るとオリジナルデザインのファッションを展示販売するショップとなっており、中庭を抜けたところにレストランがある。小さな庭には、百年の歴史を持つ井戸が残り、壁には李梅樹教授の画作が掛けられている。屋根裏を利用した天窓からは燦燦と自然光が差し込み、陽だまりのような温かい空間を生み出している。花茶や手作りスイーツが人気だ。

 

 

Add: 新北市三峡区民権街 96 号

Open: 平日 10:00- 18:00 週末 10:00- 20:00

Tel: +886-2-2671-0138

 

三峡の美食・手土産

金牛角麺包 (三峡クロワッサン)

 

三峡を代表する名物の一つで、サックリとした皮としっかりした歯ごたえが大勢の人に愛されている。三峡市場内にある福美軒はこのクロワッサンの生みの親で、昔ながらの味を販売する。老街に数店舗を置く康喜軒は、黒糖もち、チョコレート、アイスクリームなど様々なテイストのクロワッサンが旅行者に人気だ。

 

福美軒

Add: 新北市三峡区信義街 25 号

Open: 8:00-18:00、月曜定休

 

康喜軒

Add: 新北市三峡区民権街 44 号

Tel: +886-2-2671-1767

Open: 8:00- 20:00

 

三角湧醤菜茶(醤菜坊)

 

三峡祖師廟近くの漬け物専門店。なんといってもお勧めは、豆腐を発酵させて作った自家製豆腐乳。プレーンのほかピリ辛・四川風ごま油・紅麹などのテイストがある。台湾伝統食品のメッカである。

 

Add: 新北市三峡区長福街 12 号

Open: 9:00- 19:00

Tel: +886-2-2673-1899

 

勇伯豆花

 

玄関に赤い提灯を掛け、店内はレトロな風情。人気が高いスイーツショップで、アイスとホットの豆花(トウホア)に、緑豆・小豆・餡入り団子、タピオカなどを選んでトッピングできる。伝統のかき氷も、黒糖・パッションフルーツ・ストロベリーなどのテイストがある。濃厚な味わいのピーナッツミルク、小倉ミルクもお薦めの一品。

 

Add: 新北市三峡区民権街 139 号

Open: 平日 11:00- 18:00、週末 11:00- 20:00

 

古伯手工米苔目

 

三峡公設市場のすぐそば。「米苔目」は一種のライスヌードルである。スープのあるタイプとないタイプが選べる。また米苔目以外に、ワンタンや魯肉飯などをそろえる。つるりと滑らかな米苔目は肉そぼろ・セロリ・コリアンダーとの取り合わせがぴったり。小皿料理やスープもあわせてオーダーしたい。

 

Add: 新北市三峡区民権街 9 号

Open: 平日 8:00- 18:45 週末 8:00- 20:00

 

 

板橋の見どころ

湳雅夜市

 

湳雅夜市は南雅路が目印。最寄り駅は MRT 府中駅で、新北市でも最大の規模を誇り、30 年以上続く伝統の夜市である。午後4時を過ぎる頃から店が開き始める。道の中央に整然と屋台が並び、道側にはテーブルや椅子を具えた飲食店もあるので安心。なかでも 24 時間営業の「眼鏡仔猪血湯」は、豚の血入りスープ、カキ入り台湾ソーメン、焼きそばが看板料理だ。このほか、「許記薬燉排骨」、「懐念排骨酥湯」、「板橋宋家」と人気店が集まる。

 

Open: 16:00- 深夜 01:00

 

新北市政府ビル展望台 

 

板橋駅の真向かいにある新北市政府ビル(市役所)は、33 階建ての豪壮な建物。32 階に無料展望台が設置され、180 度のワイドビューで板橋市街を一望できる。直行エレベーターが用意されている。

 

Add: 新北市板橋区中山路 1 段 161 号 32 階

Tel: +886-2-2960-3456

Open: 8:00- 23:00

 

林本源園邸(林家花園)

 

かつて台湾五大富豪と称された林本源が 1853 年頃巨額を投じて建設した敷地面積六千坪を超える庭園。台湾では希少な清代の園林風庭園であることから、国の史跡に指定されている。来青閣・汲古書屋などの建物を中心に、山水を取り入れた優美な構成は素晴らしい。

 

Add: 新北市板橋区西門街 9 号

Tel: +886-2-2965-3061

Open: 9:00- 17:00 (金曜 19:00 まで)、第一月曜・旧暦除夜・旧正月元旦休園

Web: www.linfamily.ntpc.gov.tw

Ticket: NT$ 80

特別企画ーー台湾最南端「屏東県北部」文化探訪ツアー

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台湾最南端「屏東県北部」文化探訪ツアー

 

企画構成.文/楊善文 攝影/宋育玫

 

台湾本島最南端に位置する屏東県は、紺碧の海と勇壮な山塊を擁し、豊かな自然景観を誇るとともに、多様な民族と文化を育んできた。県北部に位置する屏東市と瑪家郷・三地門郷は、穏やかな気候と水量に恵まれ、農業が盛んな地域だ。またパイワン、ルカイといった複数の台湾原住民族が独自のコミュニティを形成し、山間の村々に異色の風情を醸し出している。今回は屏東県の北部を巡って、輝くような自然と伝統文化を体験してみたい。

 

 

 

勝利新村

 

日本陸軍第三飛行団所属の軍人やその家族の住まいとして整備された「祟蘭陸軍官舎」が前身。戦後は中国大陸からやってきた軍人たちが使用することになり、名前を「勝利新村」と改めた。台湾本島最大規模の「眷村(チュエンツェン)=大戦後中華民国軍の家族が居住するために設置された集落」である。1927 年建造の和風宿舎約 70 棟が残され、一部が一般に公開されているほか、2007 年に屏東県の歴史建築群に登録された。昨年は建村 80 周年を記念するアートフェスティバルが屏東県の主催で開催され、貴重な作品を通して時代の移り変わりを回顧した。

 

 

 

屏東ランタンカーニバル

 

2017 年から屏東県では独自にランタンカーニバルを開いている。春節(旧正月)や元宵節(旧 1 月 15 日)前後に、屏東市中心部を流れる萬年渓の河畔にランタンを取り付け、華麗なイルミネーションで河畔を彩る。その幻想的な雰囲気は市民とともに多くのツーリストを魅了した。

 

山の里でフルーツ三昧

大花農場

 

トロピカルフルーツのパラダイス、屏東県北部は台湾随一の農業生産高を誇る。九如(ジョールー)郷の大花農場は毎年 11 月から 4 月にかけて有機栽培のバラ園を無料で開放している。除草剤と化学肥料を一切使わない栽培方法にこだわり、楊添徳オーナーが 3 年かけて開発した「大花一号」「大花二号」などの食用種は台湾政府農業委員会の神農獎を受賞している。一般のバラに比べると、型が大きく、香りと味が濃厚だ。毎日手摘みしたバラを使って、芳香蒸留水の「玫瑰精露」やジャム、フラワーティーに加工する。期間中は、バラの手摘み体験ができるほか、有機栽培のバラを使った麺や寿司・サンドイッチ・パンケーキ・フラワーティーも楽しめる。バラの香りに包まれた至福の時間だ。

 

大花農場

 

屏東県の名物と言えば、パイナップル。大武山のふもとにある銘泉生態観光農場では、温暖な気候と豊饒な土地を利用して干ばつにも強いパイナップルが栽培されている。かつて農場の責任者を務めていた呉木泉氏は自然農法によってパイナップル本来の甘さと酸味を引き出し、初めて日本への輸出を成し遂げた。呉堅銘氏の手に引き継がれた二十数ヘクタールのパイン園は現在有機農園として認証を受けているほか、自然の生態系を生かした動植物の宝庫ともなっている。予約制の農場エコツアーがあるほか、パインケーキやパインピザなどのDIYも体験できる。

 

銘泉農場

 

大花農場

Add: 屏東県九如郷九如路 1 段

Tel: +886-8-739-3505

Open: 9:00-17:00 (11 月- 翌 4 月)

Web: f88.myorganic.org.tw

 

銘泉農場

Add: 屏東県瑪家郷佳義村 114-6 号

Tel: +886-8-799-0220

Open: 9:00-18:00

Web: ecloud.ewang.com.tw/index.php?Act=125

 

 

山村で体験するルカイの暮らし

 

屏東県北部の三地門(サンディメン)郷は、先住民のパイワンやルカイが独特の文化を伝えている。2009 年夏の台風で甚大な被害を受けたことから、政府は民間企業と力を合わせ、台湾糖業の瑪家農場に団地を整備し、瑪家村・好茶村・大社村の住民が暮らせるようにした。この新しいコミュニティは礼納里(リナリ)集落と名付けられた。「ともに歩み、進む」という意味が込められているという。

 

 

礼納里集落では複数の民族が共存し、新しい活気とエネルギーに満ちている。整然と並ぶ住宅は傾斜した欧風の屋根が特徴。外観は統一されていたも住民たちは、それぞれ伝統の精神を主張する工夫を凝らしている。純潔を示す百合の花や、再生を意味する百歩蛇(ヒャッポダ)、貴族の身分を表す木彫などがあり、一軒一軒に個性と温もりを灯しているといえる。

 

 

礼納里集落には都会からUターンした青年たちが地域おこしに取り組んでいる。例えば 17 巷の路地はグルメ街として人気を集めており、コミュニティのリーダーの息子がシェフを務める魯魯湾餐庁では、集落内が育てられた作物を楽しむことができる。法法様工作坊では、粟(アワ)を使ったドーナツが観光客の人気を集めている。先住民ルカイの暮らしを体験する予約制のツアーもある。一泊二日の日程で、民家に宿泊するプログラムが組み込まれており(礼納里に正式の民宿はない)、先住民風の料理を味わえるほか、民俗の舞踊が鑑賞できる。台湾原住民族の一つに認定されているルカイ。その悠久の歴史と文化はこうして村の移転を乗り越えて受け継がれている。

 

 

礼納里集落

Add: 屏東県瑪家郷和平路 1 段 65 号

Tel: +886-87-997418

Web: rinari.pgo.tw/index.php

Price: 一人 899 元より(朝食とおよび台湾原住民文化パークとの往復を含む)

     ビレッジツアー一人 1600 元(英語と日本語のガイドあり、要予約)

※高速鉄道左営駅からの送迎は一人往復 1500 元、台湾鉄道屏東駅からは往復一人 800 元

 

魯魯湾

Add: 屏東県礼納里好茶部落 17 巷 13 号

Tel: +886-9-7206-0887

Price: お任せメニュー 1 人 450 元から

 

 

山間の原住民族に伝わる故事

青葉集落

 

三地門郷にはさらに、台湾で唯一、ルカイの神話とアートをテーマとしたスポットがある。名付けて「青葉集落」。山間の 185 線街道を進むと、チョウをモチーフにしたゲートと百歩蛇をかたどった長椅子が目に入る。伝説のお姫様が暮らす場所を示す目印だ。

 

青葉集落

 

ルカイに伝わる故事に、バラン姫と百歩蛇をめぐる愛の物語がある。この集落はこの伝説をテーマに設計されている。数年前、地元のアーティストと住民が力を合わせて、アートによる村起こしに取り組んだという。各住宅の門や窓・壁には、それぞれの家系を象徴する細工が施されている。例えばある住宅はチョウが装飾のモチーフとなり、ある住宅ではクロクマやシカ、キョンをデザインして狩人だった祖先に対する敬慕を表現している。また、目で見たものを燃やすことができたという超能力をもつ子孫の家の壁には、小さな石をくみ上げた大きな二つの眼が光っていたりする。青葉集落は、さながら先住民が伝えてきた神話の博物館である。

 

台湾原住民文化パーク

 

三地門には 1985 年に、台湾原住民族の伝統や文化を継承する目的で、台湾原住民文化パークが開設されている。約 82 ヘクタールの敷地には優美な自然景観が広がり、16 民族が認定されている台湾原住民族を網羅する展示や、ライブステージが設置されている。園のそばにかかる「山川琉璃吊橋」は、当地に縁があるトンボ玉が橋の随所に埋め込まれている。その色やデザインには自然界に対する畏敬の念が込められ、大地との絆を象徴しているという。

 

山川琉璃吊橋

 

青葉集落

Add: 屏東県三地門郷青葉村光復巷 1 号

Tel: +886-87-965667

 

台湾原住民文化パーク

Add: 屏東県三地門郷青葉村光復巷 1 号

Tel: +886-87-965667

Open: 8:30-17:00、月曜休園

Ticket: 150 元

 

山川琉璃吊橋

Add: 屏東県瑪家郷北葉村風景 104 号

Tel: +886-87-323180

Ticket: 50 元

台湾鉄道 途中下車の旅ーー屏東駅

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いま、会いに行きたい! 古くて新しい屏東へ

 

企画構成/鍾昀彤 文/高田雅子 写真/宋育玫.視野創異行銷

勝利文創園区

 

屏東市の玄関口にして市内最大の駅。旅人を出迎えるのは、2015 年に高架化された新駅舎。2017 年末には旧駅舎跡に新バスターミナルが完成予定。進化中の屏東の今と昔をめぐってみよう。

 

地図 https://drive.google.com/open?id=1Fr4f3p-aUo_2IG0SMO9UJaTyI9NSyDLC&usp=sharing

 

 

阿猴城門(朝陽門)

 

清代が屏東に築いた「阿猴城」の唯一現存する城門。「阿猴」とは屏東の旧名。門の高さは、わずか 3.6 メートル。180 年余りに渡って屏東を見つめつづけてきた歴史の証人だ。

 

ADD:屏東県屏東市公園段 3 小段 17 地号(屏東公園内、運動場トラックそば)

 

 

秋林牛乳大王

 

搾りたてのフルーツジュースやフルーツたっぷりのかき氷が人気の店。看板商品は超濃厚パパイヤミルク。できたての新鮮な美味しさを味わうため、20 分以内に飲みきって。

 

ミルクは屏東科技大学のものを使用。

 

ADD:屏東市信義路 28 号

OPEN:11:00- 22:00

Web: https://goo.gl/q7bEP3 

 

 

屏東民族夜市

 

屏東駅近くに位置する B 級グルメ天国。各種小吃がそろうなかで、特に多いのがシイタケと豚肉のとろみスープ「香菇肉羹」の店。三代続く「味津」のなめらかで香り高い香菇肉羹は、麺を入れても美味。百年の歴史を誇るワンタンの老舗「福記」では、大根の漬物をトッピングした胡麻だれ麺「蘿蔔麻醤麺」とニラたっぷりの揚げワンタン「炸餛飩」をぜひ。

 

香菇肉羹

 

左:炸餛飩 右:蘿蔔麻醤麺

 

味津 

ADD:屏東市民族路 69 号(18 番ブース)

OPEN:9:00- 01:00、不定休

 

福記

ADD:屏東市興市巷 83-1 号

電話:+886-8-765-5642

OPEN:10:30- 20:30、月曜・火曜定休

 

 

勝利文創園区

クリエイティブにリノベーション! 生まれ変わった軍人村

 

軍歌館

 

日本時代に日本陸軍の宿舎が立ち並んでいた地域は戦後、「勝利新村」と改称され、残された日本家屋は中国大陸からわたってきた軍人の宿舎となった。軍歌がテーマの資料館「軍歌館」も、そうした建物のひとつ。館内では軍歌の試聴や楽譜の展示を行っている。

 

ADD:屏東市青島街 97 号

TEL:+886-8-732-0567

OPEN: 9:00- 12:00、13:00- 17:00、月曜・祝日休館

$: 入館無料

 

驛前大和コーヒー

 

屏東駅前の「大和ホテル」復活を目指すオーナーが開いた和風リノベーションカフェ。暖簾をくぐると、店内は畳の和室。こだわりのブレンドコーヒーや台湾茶、スイーツのほか、日本茶や日本式の定食も提供している。

 

ADD:屏東市青島街 96 号

TEL: +886-8-733-7922

OPEN:9:30- 18:30

$:ミニマムチャージ NT$ 120/クレジットカード:不可

Web: https://www.facebook.com/yamatocoffee/

※屋内は脱靴、9 歳以下の児童は入店不可

 

繫。本屋 

 

古い日本家屋をリノベーションした書店兼カフェ。店名の「繋」に、古い建物の生命力を繋ぎ、地域と繋がり、書店を屏東の地に繋ぎ根付かせたいとの願いが込められている。居心地の良い文化空間だ。

 

ADD:屏東市青島街 112 号

OPEN:本館・本屋:水曜-金曜 12:00- 20:00、土曜・日曜12:00- 22:00

   別館・侍屋(カフェ):水曜-金曜12:00-14:00、17:30- 20:30、土曜・日曜休憩なし

TEL:+886-908-839-267

$侍屋:ミニマムチャージ NT$ 90

https://www.facebook.com/akauwbooks/

※屋内は脱靴、不定期でイベントも開催

 

日食糖224 (Sugar bistro 224 creative living park) 

 

台北東門のカフェ「日食糖 Sugar bistro」が手がける新拠点。カフェでは、オーガニックパームシュガー使用のメニューをメインに提供。クリエイティブグッズが並ぶアートショップも併設している。 

 

ADD:屏東市康定街 22-24 号

OPEN:10:00- 21:00

TEL:+886-8-766-9881、+886-8-766-9882

Web: https://www.facebook.com/SUGARbISTRO.224.TW/

コラムーー台灣之光 第34回「夜市の麻雀ビンゴ」

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みなさんこんにちは。このコラムでは、台湾常連観光客である私(胖太子)の目線から見た台湾のよいところやよいものなどを「台湾の光」として読者の皆様にお届けしています。

 

先日、会社の後輩が台湾へ遊びに行くというので、私のところに相談にやってきました。定番の九份への行き方や美味しい店などの質問に答えた後に、「夜市は何が面白いですか?」という質問を受けました。ギラギラした照明、臭豆腐のにおい、音に反応してころころ転げまわるB級おもちゃ…本当のところ、そこに立っているだけで面白いし、エネルギーをもらえるのですが、日本の縁日等にはない遊びということで麻雀ビンゴを彼女に紹介しました。

 

麻雀ビンゴは、文字通り麻雀牌でビンゴを作って商品をもらうというゲームです。私の印象では、台北にもないわけではないですが、中部・南部の露天型の夜市に比較的多いような気がします。場所やお店によっても多少ルールが異なる可能性がありますが、簡単に遊び方を解説していきましょう。

 

まず、お店を見つけたら椅子に座って、お店の人に代金を支払います。代金は夜市やお店によっても多少異なると思いますが、3~5 ゲーム1セットで 100 元くらいというのが大体の相場だと思います。代金を払ったら、裏返しになっている麻雀牌から 15 個の牌を選びます。手元にビンゴの用紙のように麻雀牌の絵柄が描かれたものがありますので、ひとつずつ麻雀牌をひっくり返し、ひっくり返した麻雀牌を同じ絵柄がある位置に置いていきます。15個の麻雀牌をすべてひっくり返し、ビンゴができたら景品がもらえます。リーチの場合は、さらに追加で麻雀牌を 7 個ひっくり返し、ゲームを続けます。追加の 7 個の麻雀牌でビンゴが完成した場合は、賞品はもらえませんが、追加でもう1ゲームを楽しむことができます。

 

このゲームの楽しさは、揃いそうで揃わない絶妙なバランスと、射的やダーツなどと違って技術を全く必要とせず、運だけで勝負できることにあります。また、射的やダーツなどは、複数回遊んで点数を貯めないともらえないクッションやぬいぐるみなどそこそこ豪華な景品が運頼みのビンゴ 1 回でもらえるというリターンの高さも魅力の一つです。さらに 1 セットで複数回のゲームができるので、一緒に行った友人とプレイヤーを変えてゲームを楽しむこともできます。

 

運だけで生きているような私にはぴったりのこのゲーム。あなたも台湾旅行中のちょっとした運試しに、麻雀ビンゴはいかがでしょうか。

 

 

 

胖太子(ぱんたいず)
仕事で台湾を訪れるうちに、いつしか仕事を忘れて台湾を訪れるようになった日本人。最近は季節に 1 回どころか月に 1 回台湾を訪れないと発作が起きる。外見は「電音三太子」にそっくりとかなんとか…。


コラムーー台湾行きっ戻りっ 第16回

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ゆっくり歩き、深く味わう旅

最南端のひとつ手前をてくてく

屏東県車城郷で魅力再発見

 

中国語などまともに知らず、台湾へひとりで行くのは初めてという旅で、通りすがりのトラックに乗せてもらった。30 歳を少し過ぎたころのことである。

 

高雄行きのフェリーで一緒になった日本在住の台湾人から「車城というところに古戦場があるよ」と聞かされて、興味に任せて行ってみたのである。ネットは普及しておらず、路線バスのダイヤもなかなか調べられない。幹線道路の台 26 線で目的地のそばまで行き、そこから歩きだしたが、目的地は見当たらない。路肩に停まっていたトラックの運転手に声を掛けたところ、身振りで「乗っていけ」と勧められた。

 

台湾島の南端にはリゾート地の墾丁を有する屏東県恒春鎮があるが、私が訪ねたのはその北にある車城郷である。海岸に漂着した沖縄・宮古島の人たちが犠牲になったことをきっかけに 1874 (明治 7)年の牡丹社事件(台湾出兵)と関係の深い場所である。牡丹社事件は、日本の台湾統治へとつながる出来事として知られるエポックだ。

 

昨年 1 月、その車城を訪れた。ひとりで行くのは 17 年ぶりである。

 

今回も台 26 線から歩くことになったが、スマホを使えば場所と時間が分かるので、不安はほとんどない。帰りのバスに乗り遅れまいかと気をもむこともない。

 

おかげで、犠牲になった宮古島の人たちを慰霊する「大日本琉球藩民五十四名墓」ではたっぷりと時間をかけて撮影することができたし、特産の玉ねぎが植えられた広大な畑の前でちょっと立ち止まってみたりする余裕もあった。ほとんど朽ち果てたようなオート三輪を見つけたのも思いがけない収穫だ。

 

台 26 線を海側へまたぎ越し、車城の集落を歩く時間的な余裕もあった。そこには開基から 300 年を優に超える台湾最大の土地公廟のひとつ、車城福安宮が鎮座し、廟の門前から伸びる中正路には日本統治期の建物もいくつか残っていた。由来を尋ねようと民家に飛び込んでみると、老人が「建ってから 100 年ぐらいになるよ」と日本語で説明してくれたりもした。

 

意外なことに、次の目的地、台東でも歩く旅への誘いが待っていた。偶然知り合った高雄出身の男性が「最近は、歩いて台湾を一周する人がいるよ」と教えてくれたのだ。台湾を一周する「環島」の徒歩バージョンだ。見かけた人が、何か食べていけ、少し休んでいけ、と何くれとなく世話を焼いてくれたりもするという。歩く旅は人の距離を縮め、台湾の魅力を深いところまで見せてくれるのかもしれない。

 

 

開基 300 年を超える車城福安宮=写真はいずれも 1 月 21 日撮影

 

沖縄・宮古島の人たちを慰霊する「大日本琉球藩民五十四名墓」

 

特産のタマネギがモニュメントに

 

 

松田良孝(まつだ よしたか)


1969 年、さいたま市生まれ。北海道大学農学部農業経済学科卒。八重山毎日新聞記者などを経て、現在はフリー。石垣島など沖縄県と台湾の関係を中心に取材を続ける。著書の『八重山の台湾人』(南山舎、2004 年)は、2012 年に『八重山的台湾人』として中国語訳され、行人文化実験室(台北)から出版。共著に『石垣島で台湾を歩く:もうひとつの沖縄ガイド』(沖縄タイムス社、2012 年)。2014 年には小説『インターフォン』で第 40 回新沖縄文学賞受賞。

伊藤千明 環島で出会ったもの

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伊藤千明さんの「環島」

 

「環島」とは、一筆書きに台湾を一周する旅。2016 年、伊藤千明さんは日本からたった一人、初めて訪れた台湾で、2 か月かけて徒歩での「環島」に挑んだ。ひょんなことから台湾のニュースに取り上げられ、伊藤さんの環島は台湾で注目を集めた。伊藤さんは旅行中、台湾の牛肉麺インスタントラーメン「満漢大餐」が大好きで、よく食べていることを自身の SNS で語っていた。環島終了後、これに注目した台湾企業が、伊藤さんに動画撮影を依頼。伊藤さんの環島の物語は、より多くの人々に伝えられることとなった。

 

南投集集 緑のトンネル

 

伊藤さんのおすすめ! 「満漢大餐」とは?

牛肉麺は、台湾を代表する料理のひとつ。満漢大餐はインスタントラーメンでありながら、レトルトの大きな牛肉入り。本格的な牛肉麺の味わいは海外でも大人気。台湾旅行で必ず買い求める外国人観光客も多い。

 

旅の始まり

昔から海外旅行が好きで、ラオスやスリランカを一人旅し、街歩きを楽しんでいた伊藤さん。台湾は他のアジアの国々と比べて都会というイメージがあったため、以前はあまり興味をひかれなかったという。

 

 

ところが、台湾旅行に行った家族や周りの人たちが口をそろえて「台湾いいよ!」と言うのを聞き、さらに台湾による 311(東日本大震災)への支援の話を聞くうち、「こんなに日本が好きで、日本によくしてくれる国って、どんな国なんだろう」と、興味がわく。

 

近いのによく知らない台湾を知りたい―。2016 年 10 月、伊藤さんは徒歩での環島を始めた。

 

環島を始めて程なく、伊藤さんの旅は台湾のメディアに注目されるようになる。最初のきっかけは、環島スタート二日目の出来事。節約のためテントを設営していた公園で地元警察の注意を受けたのだが、好意で警察署に泊めてもらえることになった。しかしどういうわけか、台湾のヤフーニュースに掲載されてしまったのだ。

 

苗栗泰安 烏嘎彦竹林トンネル

 

さらに台湾中部の日月潭近くでは、ある廟への宿泊問い合わせを手伝ってくれた警察官がテレビ局を呼んだことで、突然テレビに出ることにもなった。こうして度々ニュースに取り上げられ、関心を集めるようになっていくにつれ、大まかな予定や旅の出来事を公開していた伊藤さんの SNS も注目を集め、その動向がまたニュースになったりもしたのだった。


「満漢大餐」との出会い

 

旅行中の食事は主に、安くて便利な屋台や食堂を利用していた。初めはまったく言葉が分からず、唯一注文できたのは、日本で覚えてきた魯肉飯だけ。その他は、インスタントラーメンをよく食べていたという。

 

南投 武嶺

 

「満漢大餐っていうインスタントラーメンが、大きな肉が中に入っていて、肉が食べたかった時に、すごく嬉しかったんですね。それに、味が濃い目で好みで。美味しい太麺ラーメンって感じで。それで台湾では、インスタントラーメンはこればかり食べてました」

 

SNS でも、旅で出会ったインスタントラーメン「満漢大餐」が大好きと公言していた伊藤さん。つい最近、この「大きな牛肉の塊が入ったインスタントラーメン」が「牛肉麺」のひとつだったと知った。旅行前は、「牛肉麺」の存在も知らず、旅行中に一般家庭でご馳走になった「牛肉麺」は日本の「うどん」に似ていたため、「牛肉麺」というのは「うどん」のことだと思っていたのだ。微笑ましい勘違いである。

 

環島終了後、大好きなインスタントラーメンは、大きな縁を運んできた。伊藤さんが「満漢大餐」のファンだと知った台湾企業から、動画のオファーを受けたのだ。撮影では、2016 年の環島を再現しながら、当時訪れた場所の一部と、未訪の場所を巡るのだとか。当時はルートが異なっていたり、知らなかったために足を運べなかった場所を訪問するのはとても楽しみと、伊藤さんは期待を寄せる。

 

忘れえぬ台湾人の人情と美景

台中藍色公路(満漢大餐公式youtube 動画のスクリーンショット)

 

2016 年の旅を振り返って、環島で出合ったすべての人へ、伊藤さんの感謝は尽きない。日本に旅行したことがあって日本のことが大好きな人にも多く出会った。歩いている伊藤さんに、気軽に話しかけてきてくれる人も多かった。2か月の環島は、たくさんの人に支えられて達成されたものだった。

 

「予定を決めない自由な旅で。歩いている途中で出会った人に、次のおすすめの場所を教わったり、宿泊先を紹介してもらったり。ある所で知り合った人が、違う場所に訪ねてきてくれたこともありました。スナックとか、食べ物をもらったこともありましたね。本当に、いろんな方にお世話になりました」

 

屏東 台湾最南点

 

すべての瞬間が観光になる徒歩の旅。「歩いていて一番目をひかれたのは、地方ごとに異なる生活スタイル」と語る伊藤さん。道沿いに、少しずつ民家が増え、やがて街が現れ、そして建物が減って、街がなくなる。そんな移り変わりを見るのも楽しかったとか。

 

美しい景色にも出会った。台湾の人に連れて行ってもらった武陵、清境付近の台湾最高点では、壮大な景色に感動。台湾最南端・鵝鑾鼻では、「これで、旅が半分終わったんだ」という感慨が、伊藤さんの胸に深い印象を残した。「台北に戻る前に行っておきたい」と歩いた太魯閣(タロコ)渓谷も忘れがたい。

 

台湾屏東墾丁 鵝鑾鼻燈台

 

伊藤さんは現在、環島で出会った台湾人男性と結婚し台湾で暮らしている。2017 年 3 月からは、台南市の国立台南成功大学語学センターで中国語を学んでもいる。現在の生活圏であり、旅行中に友人が一番多くできた台南は、伊藤さんの一番好きな場所になった。

 

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台湾を心から愛し、多くの現地の人々と交流した伊藤さんの環島の物語を、下記の QR コードからご覧いただけます! 動画で素敵な環島の物語を追体験すれば、きっと愛する土地で新しい生活を送る伊藤さんに心からの祝福とエールを送りたくなることでしょう。

 

https://youtu.be/6DF8Wk_gGTQ

小林賢伍 翡翠色の大地に恋して

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取材・文/高田雅子 写真/小林賢伍・統一企業・宋育玫

 

 

写真家・小林賢伍

東日本大震災をきっかけに台湾と出逢う。2016 年から台湾に拠点を置き活動を開始。台湾の秘境や大自然、多元的な文化を題材とした作品を台湾内外に向け精力的に発表中。台北、台南での個展開催、台湾大学の講演会登壇など、活動の幅を広げている。2017、2018 年と台北新芸術博覧が選ぶ百大名人に選出されている。現在は、台湾原住民の伝統文化の撮影、記録、発信に力を注いでいる。2017 年、台湾原住民をテーマにした写真集「天」を自費出版。同年、モデルとして台湾のおやつ「科学麺」の広告に出演している。

 

海端郷初来部落で、布農族の衣装に身を包む小林さん

 

「科学麺」とは?

「科学麺」は、味付けフライ麺風の、台湾人なら誰でも子供の頃から親しんでいる国民的なおやつ。袋に入れたまま砕いて、同封の調味料を振りかけて、そのまま食べるのが定番。青い袋に魔法使いのおじいさんが目印。

 

 

東日本大震災をきっかけに
台湾と出逢う

小林賢伍さんにとっても、2011 年の東日本大震災は大きな転機となった。台湾から日本に寄せられた支援金が、200 億円を超えたと伝えるニュースに驚き、歴史教師の母に台湾の歴史や文化を学んだ。「台湾ってどんな国だろう」という好奇心と、母の「台湾へお礼に行ってきなさい」という言葉に背中を押され、「あの時の感謝を台湾の人々に直接伝えたい」と、会社の退職を決意する。

 

インタビューに答える小林さん

 

そして 2016 年。小林さんは台湾に拠点を移し、写真家として活動を開始。最初に衝撃を受けたのは台湾の猛暑と、お祭りのように夜遅くまで活気ある夜市が毎日あることだった。それなのに朝も早く、朝食の種類も多い。「一日がとても長く、何か得した気分になるし、毎日新しい発見がある」と小林さんは目を輝かせる。街を歩くと、男女に限らず服装がフランクなことにも気がつく。きちんとした服装を求められがちな日本から来ると、それがとても開放的に感じられた。自由な国民性がありながらも、電車の待機列ではしっかり並ぶなど、モラルはきちんとしている。小林さんは台湾での生活で、新鮮な日々と、「プレッシャーが減ったような居心地の良さ」を感じているという。

 

 

国民的おやつ
「科学麺」広告ビデオに出演!

ある日、茶芸館でアルバイトをしていた小林さんに一通のメッセージが届いた。送信者は、店の常連客の友人で、台湾の食品関連企業・統一グループのマネージャーだった。「台湾が大好きな日本人写真家が働いている」と噂を聞き、自社のおやつ「科学麺」の広告出演を打診してきたのだ。「台湾の仲間たちと科学麺を手に、実際に台湾を一周してビデオを撮影する」と聞き、「絶対に参加したい!」と小林さんは一も二もなく承諾した。

 

バイクで台湾全土を一周した科学麺広告撮影の一コマ(科学麺広告動画のスクリーンショット)

 

その後、撮影で初めて科学麺を食べた時、台湾の仲間たちが見せた独特の食べ方は、小林さんを大いに戸惑わせた。「袋入りのインスタントラーメンなのに、袋の上から拳で叩いて、中の麺を砕きはじめたんです。ラーメンなのに、お湯を使わないんですよ! 『え?みんな何やってるの!?』って驚いたんですが、僕も真似して食べました。袋の中の砕いた麺に調味料の粉をまぶして、こうやって食べるんですよ」と、口に科学麺を注ぐポーズをとる小林さん。当時の衝撃は今も忘れられないようだ。

 

翡翠色の大地でみつけたもの

台湾で暮らし、各地を旅するなかで、特に目を見張ったのが大自然の近さだった。台北の街中からでも山が見え、交通も便利。沖縄より赤道に近く、木々の種類も異なる。台湾の自然は、緑色と表現するより、光り輝く翡翠のような感じがすると感じた。森林、草原、水辺、太陽光など、台湾の自然美がテーマの作品「翡翠大地」シリーズからは、艶やかな翡翠色の大地へ注がれる、小林さんの愛しむような視線が感じられる。

 

「翡翠大地」シリーズの 1 枚

 

民族の多様性も台湾の特徴の一つ。台湾には、古くから台湾に居住している「本省人」、戦後に大陸から渡ってきた「外省人」、大陸から渡ってきたもう一つの漢民族「客家人」、漢民族がやってくる前から台湾に住んでいた「台湾原住民」の四つの民族が共存して暮らしている。小林さんは、ひとつの国の中に民族ごとの伝統文化や言語などの違いを見ることができることに、とても興味を引かれたという。

 

もっと知って欲しい、
美しい大自然と、台湾原住民

台湾の東西南北を巡ってきた小林さんに、おすすめの場所を教えてもうと、「まずは、絶対に東部! 南部もいい」と、力強い返事が返ってきた。台湾の山岳は、平地から急斜面に突き上がってるような地形が多く迫力があり、富士山よりも標高がある玉山や国のシンボルである阿里山の他にも、多くの秘境がある。台湾は国土の約75%が資源あふれる自然で、海沿いの街も多い。しかも、東部などに行けば台湾原住民の部落も多い。現在、台湾原住民は合計16民族。原住民の部落を訪ねると、文字を持たない言語や手編みの衣装、豊作に感謝する祭りや儀式もあり、台湾の起源を見ることができ、都会の忙しさを忘れさせてくれる。

 

台東・大鳥部落の朝日

 

各地の原住民部落を訪ね、現地人と交流を重ねながら撮影してきた小林さんにとって、最も印象深いのが台東の大鳥部落だ。そこは、小林さんが「異文化、異世界」を感じたという、百歩蛇を神と崇める排湾族の部落。海と川と山の間にある部落で、住民は自分で建てた家で、食料となる動物たちと暮らしていた。畑のカエルはご馳走だった。大きな門をくぐれば、皆が家族と同様の存在になる。誰かが病気になると皆が知っていて、誰かが結婚したら皆で祝う。そんな、「家族の村」のような暖かい安心感が小林さんを感動させた。「大鳥部落は観光地ではないですが、出逢う価値があります」と、小林さんは言葉に力を込めた。

 

写真を通して、
台湾の魅力を世界へ

台湾原住民に魅了され、「彼らのことをもっと知りたい、もっと彼らの魅力を発信したい」と話す小林さんからは、台湾と台湾原住民に対する限りない愛情が伝わってくる。小林さんが台湾に留まるのは、台湾の美しさと台湾原住民を世界中に知って欲しいから、ということに尽きるのだ。

 

美しい緑の稲田を歩く台湾原住民の青年

 

台湾には、世界から見た立場やいろいろな問題があるが、この美しい島は変わらない。親切で情熱的な台湾の人々に心が温まる。「僕は台湾が好きだから、ファインダーを通して、台湾を世界に発信したい」と、小林さんは決意を燃やす。これからも、彼の目を通して伝えられる翡翠色の島は、さらに輝きを増し続けるに違いない。

 

小林さんの動画はこちらからご覧いただけます!

小林さんが仲間たちとバイクで各地を旅する「科学麺」の広告動画(中国語)は、こちらの QR コードからどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?v=Jn9X5CqJsR8

NEWS--台湾観光の新しいCM動画発表、長澤まさみさんが艶やかに旅の魅力を発信

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中華民国政府交通部観光局が、さらに日本の若者の来台を促そうと、長澤まさみさんをイメージキャラクターに採用、新しいコマーシャルフィルムをこの四月より公開している。長澤さんは昨年の「Meet Colors!台湾」に続く出演。今年は「新。台湾-Taiwan+」をテーマに改めて台湾観光の魅力を発信している。

 

 

2018 年度のコマーシャルフィルムは後藤匠平監督が再度メガホンをとった。台湾の色彩に出会い、新しい自分を発見する旅に挑戦した長澤まさみさんは、成熟した大人の演技を披露。艶やかな色彩とともに、安心・安全に自分たちで自在に歩き回れる旅の環境をアピールした。それぞれのシーンに合わせ、別々の意志を持った旅人として伝統の商店街、軍人家族の集落「眷村」、潟湖の自然、荘厳なる寺廟、夜市など台湾各地のスポットを巡る趣向。個性や感触を対比させる手法で、監督はさまざまな台湾の色彩を描き出したといえる。

 

 

新しい CM にあわせ、観光局では「美食」「ショッピング」「ロハス」「浪漫」をテーマに四種のパネルも公開している。日本の消費者に台湾の魅力を視覚で訴える作戦だ。

 

 

長澤まさみさんは二年続けてイメージキャラクターを務めた。しかし二つの作品はタッチがまったく異なる。きっと新しい台湾が発見できるはずだ。観光局はより多くの年代の方に足をお運びいただきたいと期待を寄せている。

 

フィルムリンク

https://www.youtube.com/watch?v=0OpqHhJi_ho

 

トラベル特集ーー台湾東北部「宜蘭」

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自然の中で歴史文化を感じる旅

 

企画構成・文/鍾昀彤  写真/宋育玫

 

宜蘭県は台湾本島の東北部に位置する。蘭陽渓が運んだ土砂が堆積し、広大な蘭陽平原が形成されている。東側に太平洋を望むほか、三方は山に囲まれた地形が独特の風土を育んだ。宜蘭には多くの美景とともに、多彩な故事が伝わる。今号は宜蘭県内の歴史ある建築物の「今」にご案内しよう。リノベーションされた空間で、当地の文化の息吹に触れてみたい。また地元の産業文化に学び、手作り体験のできる観光工場も訪ねてみよう。宜蘭ならではの時間が過ごせそうだ。

 

Access:台湾鉄道宜蘭駅・羅東駅・新馬駅で下車後、徒歩またはタクシーで各スポットへ。

 

古民家を巡る

鄂王社区

鄂王社区(コミュニティ)は宜蘭河の東岸にある。かつて波止場に船舶が頻繁に出入りし、物資の集散地として栄えたところだ。賑わいは熟練の職人たちを育て、食品業の発達を促した。時代の変遷とともに水運は衰微したが、社区協会では、個性的な食文化を継承し、住民どうしの記憶を共有するべく、さまざまなイベントを展開してきた。いま鄂王の路地を歩いていると、人々の熱意とともに往時の賑わいが蘇る思いがする。

 

楊士芳記念林園

 

楊士芳は清代、宜蘭で初めて科挙に合格した英才。地方教育の推進に力を尽くし、台湾全土にも大きな影響を残した。その功績を顕彰し、後世に伝えるために、宜蘭県は黄声遠建築師にこの記念林園の設計を託した。その結果、鉄骨と原木を巧みに配し、伝統と現代が融合する心地よい空間が誕生した。随時生活に根差した展示会が開催されるなど、地方文化発揚のステージとなっている。

 

特別展の藍染

 

Add: 宜蘭県宜蘭市旧城西路 66 号

Tel: +886-3-931-4488

Open: 9:00-12:00、13:30-17:00、月曜定休

 

光大巷

 

地元で活躍する伝統工芸の作家たちが、共同して完成させた文化小路である。入口に設置された木彫の地図には、各店舗で取り扱う伝統工芸品が紹介されている。路地裏の「潘宅」は一世紀の歴史を擁する古民家で、界隈の変遷を見てきた生き証人だ。「石彫百工図」は、百に及ぶ工芸技術と各業種の盛衰が記録され、突き当りまで進むと、そこには巨大な「彩絵本宜蘭水文図」が待っている。わずか百メートル足らずの小路ながら、宜蘭伝統工芸の英姿を存分に堪能できる。

 

 

宜蘭設治記念館

 

清代に首長が任官し、統治が始まって以来二百年の行政史が学べる郷土資料館。敷地面積は八百坪、建坪 74 坪。1906 年築の和洋折衷の建物で、日本時代には郡守の官舎として使用されていた。和風の庭園にそびえるクスノキは樹齢百年を数えるという。

 

Add: 宜蘭県宜蘭市旧城南路力行三巷 3 号

Open: 9:00 - 17:00、月曜休館

 

宜蘭文学館

 

前身は 1926 年建造の農学校の校長官舎。宜蘭県の手で、郷土文学の資料館として再生された。畳の部屋でくつろげるカフェも併設。お勧めはキンカンティとレモンプラムジュース。甘酸っぱいさっぱりした喉越しで、夏の昼下がりにはぴったりのドリンクだ。

 

Add: 宜蘭県宜蘭市旧城南路県府二巷 19 号

Tel: +886-3-932-2440

Open: 9:00 - 17:00、月曜定休

 

宜蘭売捌所

 

日本家屋をリノベーションした古民家カフェ。店名の「売捌所」は、日本語のまま「うりさばきじょ」と読むという。台北のライブハウス「The Wall」の姉妹店で、店内では CD やオリジナル雑貨などが販売され、週末にはライブも開催される。お薦めの「鴨賞拌飯」は酢飯に、当地名物の鴨賞(燻製アヒル肉)を和えたもの。夏向きのさっぱりした味わいだ。

 

左:野菜のオーブン焼き. 右:豆腐のゴマ和え

 

Add: 宜蘭県宜蘭市康楽路 38 号

Open: 10:00 - 22:00、火曜定休

Web: www.facebook.com/UriBistro/

予約:可/サービス料:無/ミニマムチャージ: NT$ 150

 

合盛太平咖啡

 

古民家のひとつで、俳優の金城武が出演する CM のロケ地にもなったことがある。鉄枠の窓を残し、レトロなテーブルセットと典雅な木製のドアが迎えてくれる。一階は飲食のスペース、二階は小さなギャラリーとなっており、展示された写真やグッズからは当地の奥行きのある文化が偲ばれる。繁華な市内にいることを忘れさせる静謐な空間だ。

 

左:豆乳ラテ.右:太平パン盛り合わせ

 

Add: 宜蘭県宜蘭市中山路三段 145 号

Tel: +886-3-936-0060

Open: 12:00-21:00、第三水曜定休

Web: www.facebook.com/cafestory145/

予約:不可/サービス料:無/ミニマムチャージ: NT$ 140

 

 

DIY 体験

葱仔寮体験農場

 

三星郷は宜蘭名物「三星葱(青ネギ)」の産地。「葱仔寮体験農場」は、その名の通りネギの収穫が体験できるスポット。個人の農家が経営しており、生産から出荷までの細かい過程を学ぶことができるが、その収穫にもこだわりがある。まずは両手を下に向け、ネギの白い部分を、根に近い部分でつかむ。次に左右に振って土を緩めれば楽に抜くことができるという。続いて、採れたてのネギを使って「葱油餅」作り。ネギを加えた生地を棒状にしたら、カタツムリのように丸めて、三分間発酵させる。焼く時には平たく潰して鉄板に。こんがり黄金色に焼けた「葱油餅」はもちもち感とネギの食感が絶妙の一品。

 

 

Add: 宜蘭県三星郷天福村東興路 13 号之 2

Tel: +886-937-995-104

Open: 8:30 - 18:00

Web: 0937995104.tranews.com

Ticket: NT$ 100 より/人

Access:台湾鉄道羅東駅下車後、タクシーで約 30 分

 

羅東鎮農会養生工場

 

台湾鉄道羅東駅前の倉庫を改修して作られた地元農協の施設。館内にはビジターセンター、展示館、生産ライン見学エリア、レストランがある。名物は健康がコンセプトの「羅董 LOTON」有機豆乳。豆乳とピータンを使った料理のほか豆製品 DIY にもチャレンジできる。とくに「豆花手作り教室」が人気だ。豆花(トウホア)は、豆乳を凝固させたプリン状の健康食品。出来立ての豆花は豆の香も香ばしく、甘く煮込んだ小豆などと相性がぴったり。

 

 

Add: 宜蘭県羅東鎮倉前路 14 号

Tel: +886-3-957-4525

Open: 9:00-17:00

Ticket: NT$ 100 より/人

Access:台湾鉄道羅東駅下車後、徒歩で約 4 分

 

宜蘭餅発明館

 

蘇澳鎮にある「宜蘭餅」館は、この道三十年という劉鐙徽さんが創業した名産の殿堂。当地は「牛舌餅」なる中華菓子が名物として知られる。その名の通り牛の舌状の大ぶりの焼き菓子である。劉さんはその改良に取り組み、試作を重ねた末に、厚さ一ミリという極めて薄い牛舌餅の開発に成功し、「宜蘭餅」と命名した。館内には手作り体験のコーナーも用意され、ミルク風味の餡を生地で包んで、細長い楕円形にのばし、オーブンでパリッと焼き上げる。「宜蘭餅」は、ミルクのほか、三星ネギやメープルシロップの風味もあり、今や宜蘭土産のホープとして注目されている。

 

 

Add: 宜蘭県蘇澳鎮海山西路 369 号

Tel: +886-3-990-5999

Open: 8:30-18:00

Ticket: NT$120/人

Access:台湾鉄道新馬駅で下車後、タクシーで約 3 分。

 

蜡芸蝋筆城堡

 

高速道の蘇澳インターチェンジを下りると見えてくる巨大なクレヨンマン。それが「蜡芸蝋筆城堡」の目印。四階建ての高さがあるクレヨンマンは、家族そろって楽しめるこのお城のシンボル。館内ではクレヨンの製造工程を紹介しており、多様な手作りプログラムが人気を集める。お薦めは台湾本島を模ったクレヨン作り。お好みの色を選び、台湾の形の型に押し入れて作る。どの体験教室もオリジナルの作品はお土産にできるので、一日フリーチケットがお得だ。

 

 

Add: 宜蘭県蘇澳鎮海山西路 500 号

Tel: +886-3-990-7101

Open: 8:30 - 18:00

Web: www.lucky-art.com.tw

Ticket: NT$ 250/ 人

Access:台湾鉄道新馬駅で下車後、タクシーで約 3 分。

 

勝洋休閒農場

 

水郷と称される員山郷尚徳村にある「勝洋休閒農場」はかつてうなぎの養殖場だったところだが、現在は、水生野菜がテーマの観光農場に華麗なる変身。園内の建物は多くがコンクリート、ガラス、金属からなるシンプルなスタイルで、水のある風景によく溶け込んでいる。

 

 

五ヘクタールの敷地には「屋外養殖池」「温室栽培エア」「室内水草館」のほか生態池・水草温室・露天温室・水草包装場、水草文化館といった施設を擁する。場内では野菜の植え付けから収穫・包装・出荷までの過程が見学できるほか DIY プログラムも用意されている。さらに養殖池では、遠くの山並みを眺めながら釣りも楽しめる。

 

 

斬新なデザインの「水草レストラン」は地元の食材を使ったメニューが並ぶ。いずれも素材本来の味わいにこだわった創作料理。定番の「薬膳火焔魚」は自家養殖のタイワンダイを漢方の薬材で煮込む。薬膳スープが染み込んだ魚肉は柔らかく旨味たっぷり。新鮮な野菜といっしょに味わいたい。農場の環境は自然がいっぱい。大人も子供も楽しめる楽園となっている。

 

左:スモークダッグ・チーズパイ、右上:香水蓮花茶、右下:蓮花ゼリー

 

Add: 宜蘭県員山鄉八甲路 15-6 号

Tel: +886-3-922-2487

Open: 見学/体験 9:00 - 17:00

      レストラン 11:00 - 18:00 (LO 17:45)

Web: www.sy-water.com.tw

Ticket: NT$ 100/ 人

 

葫提園民宿

 

宜蘭県員山郷葫蘆堵大橋のたもとにたつ。目をひく真っ赤なだるまの看板を目印にゲートを入ると、エントリーのラクウショウ、石畳のツバキ、池のほとりのサクラと、オーナーの細やかな心使いが感じられる。業界で三十年の経験を持つ Amy さんは、この民宿の経営を引き継いだ際、一流ホテルの水準で設備を一新するとともに、各種用品に環境保護認証を受けたものを採用し、民宿とは思えない快適さを提供している。

 

 

「葫堤園」の一番の自慢はなんといっても手作りの朝食。日本料理で六十年の経験を持つ料理人・高田好紀さんから「手打ちうどん」を学び、宜蘭の「三星葱」、鴨の燻製「鴨賞」といった地産の名物を加えたオリジナルうどんを考案したという。濃厚なスープが、コシのある滑らかな麺に絡み、お腹を優しく温めてくれる。「養身燉豆腐」は 38 種の漢方薬を8時間煮込む。豆腐そのものの香り豊かで、豆の味がしっかり伝わる。

 

 

フレンドリーな Amy さんのもてなしもあって、緑に包まれた自然環境のなか、ゲストは互いに和やかに交流し、すてきな思い出を残して去っていく。ここには最高にピュアな空気とゆったりした時が流れている。

 

高田好紀さん

 

Add: 宜蘭県員山鄉深溝村深洲路 10 巷 21 号

Tel: +886-3-922-2966

Web: ht.gogobnb.com

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