秋――。猛暑がさり、大気に爽やかさが増すとともに、食欲もわいてこようる。こんな時は豪快なステーキにチャレンジ!今号はホテル自慢のステーキを三点ご紹介しよう。ワイルドなジャンボステーキ、繊細な霜降りのTボーンステーキ、豊かな風味のドライ熟成ニューヨークステーキ。どれも食欲の秋にぴったりだ!
グランドハイアット台北 宝艾西餐庁
炭焼き和牛トマホークステーキ
グランドハイアット台北の二階。最高級の欧風料理で名を馳せる宝艾西餐庁はここにある。落ち着いた雰囲気の通路の先に開ける欧風の庭園。明るい空間の中央には噴水が設えてある。宝艾西餐庁はアメリカのプライムビーフやシーフードのグリルなどが有名。中でも、巨大なトマホークステーキはグルメに愛される逸品だ。
斧のような形のトマホークステーキは、ネイティブアメリカンの言葉で斧の意。シェフの陳孟豊は100%ナチュラルな穀物肥育アメリカビーフから、斧の柄のような三十センチ余りの肋骨を残した厚さ六センチのリブアイを厳選する。この千五百グラムに達する豪快なステーキは通常三~四人分。陳孟豊は「有機飼料とストレスフリーな環境で育ったアメリカ和牛は霜降りが豊かで柔らかい」という。
トマホークステーキは普通のステーキより調理に時間がかかる。先ずは炭焼きし、次にオーブンに入れ、ジューシーさを閉じ込める。短時間の高温調理による生焼けを避けるため、低温で一時間じっくり焼き、テーブルにのせる前には内部の肉汁の分布が均一になるのを十分待たなければならない。オーブンの蓋を開けるとステーキの香りが辺りに溢れ、柔らかい中にしっかしして噛み応えもある。少しの海塩を添えると、和牛の極限の美味が楽しめる。
シェフ:陳孟豊
経歴:2000年からグランドハイアット台北で勤務。若干三十五歳ながら西洋料理の豊富な経験を持ち、グランドハイアット台北ZigaZaga、バンケットの西洋料理部門で経験を積んだ後、宝艾西餐庁を任されることとなった。その腕が認められ、2011年にシェフに昇格。
グランドハイアット台北 宝艾西餐庁
Add:台北市信義区松寿路2号
Tel:(02)2720-1234
Open:
ランチ 12:00–14:30(ラストオーダー14:30)
ディナー 18:00-22:00(ラストオーダー21:30)
日曜ブランチ 11:00-15:00
月曜定休
Web:www.grandhyatttaipei.com.tw
シャーウッド 台北 TOSCANAイタリアンレストラン
ドライ熟成Tボーンステーキ 24オンス
シャーウッド 台北のTOSCANAイタリアンレストランは、台湾におけるドライ熟成ステーキの代表的レストラン。2007年シャーウッド 台北はシェフをアメリカの老舗ステーキチェーン「Smith & Wollensky」に派遣し、2008年アジアで初のアメリカ式ドライ熟成室を設置した。ドライ熟成ステーキはここの一番人気で、「二十四オンスドライ熟成Tボーンステーキ」などは一日に三十回という注文の記録さえある。
「二十四オンスドライ熟成Tボーンステーキ」はPRIMEビーフのフィレとニューヨークステーキ部位を含む。二十一日間のドライ熟成を経たTボーンステーキはタンパク質がアミノ酸に変り、熟成酒のような香りがある。また、水分が蒸発することで牛肉の風味が濃くなり、肉の組織は軟化している。
調理時は、先ず肉を室温に置き、胡椒とコーシャソルトで調味。軽くあぶり、香りと肉汁を閉じ込めた後、八百度のオーブンで片面をグリルし、四分の焼き具合で、外側は香ばしく焼け、中は柔らかなビーフステーキが出来上がる。ガーリックオリーブ油が肉の風味をひき立てる。
シェフ:徐正育
経歴:シャーウッド 台北TOSCANAイタリアンレストランの西洋料理料理長。西洋料理の世界に入って十六年。喜来登、六福での勤務経験を有し、香港中環の有名イタリアンレストランBONBANAで見習い経験もある。欧州料理を得意とする。
シャーウッド 台北TOSCANAイタリアンレストラン
Add:台北市松山区民生東路三段111号
Tel:(02)2718-1188
Open:07:00-22:30
Web:www.sherwood.com.tw
アンバサダーホテル台北 A CUT STEAKHOUSE
ピッツバーグドライ熟成ニューヨークステーキ 12オンス
A CUT STEAKHOUSEは台湾で唯一、カリフォルニアの老舗牧場Harris Ranchから自然牛を導入している。自然牛とは天然穀物のみを飼料とし、汚染と無縁の水を与え、広い空間で自由に肥育した牛。
ドライ熟成を採用している。重さ八キロの肉を温度、湿度、風速を固定した冷蔵熟成室内に曝し、酵素に肉の繊維組織を分解させる。二十一日間の熟成の後は肉の風味が完全に閉じ込められ、バラ色だったリブアイが深いルビー色を帯びるようになる。ニューヨークステーキはストリップロイン(Strip Loin)を用いる。大理石のような霜降り(Marblinグラム)が均一で、肉質はサーロインステーキに近く、アメリカ人に愛される歯応えがある。
ピッツバーグステーキは、ピッツバーグでかつて労働者が牛肉で営養をつけようと、工場の熱い金属板上で直接肉を焼いていたことに由来する。瞬間的な高温で肉の表面は炭のように黒くなるが、切ってみると内部は青味を帯びた光沢を放つミディアム。Black and blueはピッツバーグステーキの特色とされる。
A CUT STEAKHOUSEではピッツバーグ方式に手を加え、タイム、黒胡椒、ローズマリー、クミン、スペインのスモークパプリカ、クリスピーガーリックを牛肉に振り掛け、高温の鉄板で焼き、次に三百度のオーブンでレアに焼き上げる。テーブルに上がったステーキは表面は香ばしく焼け、ジューシーで柔らか。ほのかな焦げたような香りと香料の香りが混じりあい、複雑な風味が楽しめる。
シェフ:凌維廉
経歴:西洋料理界で十年の経験を積み、2008年よりアンバサダーホテル台北A Cutステーキ館で勤務。2010年にアンバサダーホテル台北A Cutステーキ館のシェフに昇格。
アンバサダーホテル台北 A CUT STEAKHOUSE
Add:台北市中山区中山北路二段63号
Tel:(02)2571-0389
Open:11:30-15:00、18:00-22:30
Web: http://www.ambassadorhotel.com.tw/TP/ambassador_taipei.htm