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トラベル特集ーー雲林・嘉義・台南  二泊三日「台湾中部」沿海の旅

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文/鄭靖瑜 写真/陳正国


「雲嘉南濱海国家風景区」は本島沿海部、台南・嘉義・雲林の各県にまたがる国定公園。潟湖・砂州・マングローブといった景観に恵まれ、クロツラヘラサギの生息地として知られる。当地はかつて塩作りで栄え、名所旧跡の数も多い。なかでも北門ツーリストセンターや東石漁人ハーバー・海鮮レストランが人気のスポットだ。今号では二泊三日の行程を想定した雲嘉南濱海国家風景区の旅をご紹介したい。

Access:

台湾好行バス「塩郷濱海線」「99台江線」のご利用を。詳しくは

塩郷濱海線:http://www.taiwantrip.com.tw/Besttour/Info/?id=42

99台江線:http://www.taiwantrip.com.tw/Besttour/Info/?id=13


第一日目 
スポット:安平老街・四草緑色隧道・台江運河・塩博物館・七股塩山・七股潟湖


安平老街

安平古堡

 まずは台南の安平から。「台湾最初の街道」と呼ばれる安平商店街は今日の延平街にあたる。三百年以上前オランダ人によって築かれたという。現在の両側に多くのノスタルジックな店舗が立ち並び、蜜餞店永泰興・周氏蝦巻・陳家蚵巻といった一世紀余の歴史を誇る老舗も少なくない。安平老街で小吃にチャレンジし、手ごろなお土産をゲットしよう。そして見逃せないのは四百年の歴史をもつ「安平古堡(キャッスル)」、そしてガジュマルと共生する「安平樹屋」。安平樹屋は大きな緑の木陰をつくり、格好の休憩所となっている。


四草緑色隧道



台江運河


 安平から北に向かうと四草に至る。四草砲台・四草大衆廟などを参観したら、大衆廟そばの波止場から筏に乗って四草緑色隧道や台江運河、さらにはマングローブの林を観賞しよう。「台湾のアマゾン」と呼ばれる四草緑色隧道は、台湾では唯一ともいえる水上の緑のトンネル。竹筏に乗ってゆっくり進むと、波光煌めくなか、鳥や虫たちの声が聞こえてくる。行程は約20分。船上ではエコガイドが周辺の生態を解説してくれる。筏のほか、一時間ほどのボートクルーズも用意されている。いくつかの運河や湿地帯・マングローブ林を縫うように進む途中、水鳥の群れや養殖場に出会うだろう。


七股塩山


 さらに北上すると、純白のピラミッドとも見まがう台湾塩博物館がみえてくる。当地では数百年にわたり塩業が営まれており、そうした産業と文化の資産が保存されているのである。博物館と遥かに望む七股塩山は七股のランドマーク。小高い塩山に登るのも得難い体験となろう。売店では塩アイスキャンデーや塩咖啡などの名物が売られている。夕刻には七股潟湖まで足をのばして夕景色を楽しもう。木麻黄の林や昼顔の草原をバックに、瀉湖に浮かぶ一面のカキ筏の景観は絵のようだ。


乗船案内
1. 四草マングローブツアー(竹筏):成人200元
2. 四草台江之旅(ボートクルーズ):成人200元
乗船地点:台南市安南区大衆路360号(四草大衆廟そば)
営業:08:30-16:30、定員になり次第出港
電話:+886-6-2841610・+886-6-2840959

台湾好行バス
安平・四草・七股周遊の旅客は台南駅から台湾好行バス99台江線のご利用を。詳しくは99台江線:http://www.taiwantrip.com.tw/Besttour/Info/?id=13


第二日目
スポット:鹿耳門天后宮・南鯤身代天府・北門(北門ツーリストセンター・銭来也商店・台湾烏脚病医療記念館・永隆溝・北門出張所)



鹿耳門天后宮


 当地の宗教民俗と歴史はなかなか異彩を放つ。なかでも鹿耳門天后宮と南鯤身代天府が代表的な名所である。鹿耳門天后宮は1661年に鄭成功が建造したといわれ、勇壮な外観の中に中国廟らしい美的センスが満ちている。正門の龍柱・門神のほか斗拱や屋背のモザイクのような体裁、交趾焼や彫刻が施された藻井・回廊・天井など一見に値する。


南鯤鯓代天府


 北門の南鯤鯓代天府は三百年余の歴史を有する古刹。アジア最大といわれる五門式木造りのゲート「擎天大山門」がまず目に飛びこんでくる。上には瑠璃の瓦が貼られ、非凡な構えを見せる。「大鯤園」と呼ばれる境内は面積6ヘクタールに達し、江南園林風の庭園がしつらえられている。主建築は五王総廟文化館で、内部には南鯤鯓代天府の史料や文物が展示されており、貴重な文化資産となっている。


北門出張所


北門の水晶教会は婚礼写真ロケの人気スポットとして注目を集める
雲嘉南濱海国家風景区提供



 一方北門ツーリストセンターの建物は、北門塩工場の西南側倉庫群をリニューアルしたもの。外観に入母屋造りの体裁を残しつつ、可愛いオブジェを配して優しく旅行者を迎えている。館内では当地を紹介する映像が放映されているほか、マッコウクジラの標本が展示されている。日曜画家「洪通」の描いた壁画に囲まれた敷地には水晶教会・鯨魚池・欧風ビレッジが設置され、新婚カップルに人気の写真スポットとなっている。


銭来也商店


永隆溝


烏脚病医療記念館

 北門ツーリストセンターの近くには「銭来也」雑貨店がある。塩工場の売店がその前身だが、「王子變青蛙」というトレンディドラマのロケ地となり、人気スポットとなった。周辺の北門出張所は日本時代の役所跡で、釘を一本も使わない和洋折衷の見事な建築美を今に伝えている。そのほか台湾烏脚病医療記念館・基督教会・永隆溝といった老建築が懐かしい風情を引き立てている。

一見双彫(砂彫&塩彫)芸術祭
台南将軍区の「馬沙溝濱海遊憩区」は嘉南地区で唯一管理施設の整った海水浴場。「白色雲嘉南」というイメージを強めるために、毎年春と夏には「一見双彫(砂彫&塩彫)芸術祭」が開催される。広大な浜辺に大型の砂彫・塩彫作品が展示される。

 
鹿耳門天后宮
Add:台南市安南区祖宮一街136
Access:台湾鉄道台南駅から10号バスで鹿耳門天后宮前下車
南鯤身代天府
Add:台南市北門区鯤江里976号
Access:台南市内から南鯤鯓行きの興南客運バスで南鯤鯓代天府前下車。
北門ビジターセンター
Add:台南市北門里200号
Tel:+886-6-7861017
銭来也商店
Add:台南市北門里187号
台湾烏脚病医療記念館
Add:台南市永隆里27号
永隆溝
Add:台湾烏脚病医療記念館そば
北門出張所
Add:台南市北門里119号
北門へのアクセス:台南市内から南鯤鯓行き興南客運バスで北門下車。


第三日目
スポット:東石漁港・布袋漁港・好美寮湿地・湖口湿地




東石漁港


 台湾南部の漁港の魅力を探訪するため、三日目は東石漁港と布袋漁港へ向かう。風景もよし、海鮮もよし、水遊びもできる観光漁港だ。東石漁港は嘉義県の主要漁港で、多様な新鮮海産を日々水揚げしている。漁人ハーバー・臨海観景休憩区・木道などの施設が設置され、遊歩道の東屋からは台湾海峡が一望できる。夕暮れには大勢のカップルが日の入りを楽しむ。臨海休憩区には漁夫をモチーフにした彫像が立ち並び、親水エリアでは子供たちが歓声をあげている。美食街では、蚵仔煎・蚵仔包・焼き蛤などが人気。





布袋漁港


 また同じく嘉義県の布袋漁港は、地形が一つの袋に似ていることからこの名がある。台湾本島において中国アモイにもっとも近い港でもある。漁獲も豊富で、観光漁市場として賑わう。ここで新鮮な海産をゲットして、その場で調理してもらえる。夕景はとくに美しい。



好美寮湿地


 嘉義・雲林一帯は湿地が豊富。とくに嘉義県布袋鎮の「好美寮自然生態保護区」は八掌渓と龍宮渓が合流する箇所に当たり、豊かな自然資源に恵まれ、とくに水鳥や湿地動植物の生態観察に適す。堤防に沿って進むと、マングローブの林や潟湖の景観が見えてくる。シラサギ・アオサギ・オウチュウといった水鳥の天国である。


湖口湿地の夕景。沈没した電信柱が印象的


 車に乗って北上すると雲林県口湖郷の「湖口湿地」に至る。水中をよくみると電信柱が一列に並んで沈んでいるのが見える。もともと台湾製糖の農場だったところで、台風などで大量の海水が流れ込み、窪地に走っていた道路が大きな池に変貌したのである。人家も少ないことから鳥類の棲息地となり「湖口湿地草原生態区」に指定されている。夕刻になるといろいろな鳥たちが巣に戻ってきて賑やかとなる。
 

東石漁港
Add:嘉義県東石郷東石村一帯
Access:嘉義市内から朴子行き嘉義客運バスで朴子下車。東石往塭港行きに乗り換えて東石駅下車。
布袋漁港
Add:嘉義県布袋鎮中山路3号
Access:嘉義市内から嘉義市バスor嘉義客運バス布袋線で布袋港下車。
好美寮湿地
Add:嘉義県布袋鎮好美里一帯
Access:台湾鉄道新営駅から好美里行き新営客運バスで好美里下車。
湖口湿地
Add:雲林県口湖郷一帯
Access:雲林県北港から台子村行き嘉義客運バスで湖口村下車。


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