新竹県
台湾「乾物文化」探訪
今夏の台湾美食展「食之材」エリアには、「風和台湾」・「日麗台湾」と題したコーナーが設置される。これはともに乾物文化の角度から、地方の食材を取り上げた企画。そのうち「風和台湾館」は新竹県が舞台となる。新竹は台湾で客家の人たちがとくに多い県で、一年を通じ陽光と風に恵まれ、新埔の杮餅、竹北の烏魚子、関西の仙草、竹東の客家鹹菜といった客家ならではの特産品が育まれた。
新竹県は観光資源も豊富だ。客家風情いっぱいの山間の町「北埔郷」、内湾ローカル線で知られる「横山郷」、百年の古い商店街を擁する「湖口鎮」などそれぞれユニークな特色を備えている。8月には美食展を参観して、これらの地を訪れてみてはいかがだろう。
Access
内湾:高速鉄道新竹駅から内湾線に乗り換え、終点下車
北埔:高速鉄道新竹駅から台湾好行バス「獅山線」に乗り換え、北埔老街下車
湖口:台湾鉄道湖口駅からタクシーで湖口老街まで約10分
新竹県をゆったりと
北埔(ホッポ)は客家移民の開拓地で、かつては新竹市内に次ぐ商業の中心だった。伝統的な客家の要素を豊かに残し、多くの開墾時代を偲ぶ史跡を擁する。路地は静かで落ち着いた佇まいを漂わせ、古民家が優美な風景を作っている。「水景茶堂」・「水堂民宿」・「古道茶坊」が立ち並ぶ町並みを見物したら、ぜひ「擂茶」にチャレンジしよう。「擂茶」は野菜や豆類を細かく挽いたものに水や湯をかけていただく客家の名物。広福茶坊では、塩味と甘い味、二種の擂茶を提供している。塩味の擂茶には干大根・シイタケ・干しエビ・ネギ・バジル・豆類を合わせる。甘い味の擂茶はハトムギ・緑豆・クコの実・干しナツメに、ひね生姜と黒糖の煮汁を加える。ホットもアイスもどちらも美味しい。これに特製の緑茶客家餅を合わせるのがお薦めだ。
広福茶坊
Add: 新竹県北埔郷北埔村2鄰10号
Tel: +886-3-5804543
「金広福公館」・「天水堂」はともに有名な古民家で優美な建物
内湾(ネイワン)は新竹県横山郷にある内湾支線の終点駅。懐かしい風景と古い建物が残る街並みが観光客に人気だ。古めかしい内湾戯院(映画館)では、客家料理を楽しみながら、台湾の白黒映画が鑑賞できる。傍らの昔懐かしい雑貨屋にはさまざまなコレクションが並び、幼い頃の思い出に浸れそう。多士済々を誇る内湾の美食でとくにお薦めは、シュクシャの花を取り入れたアイデア客家料理。シュクシャの花のチマキ、シュクシャの花の揚げ物、シュクシャの花のアイスクリームなどは当地ならではの美食だ。
内湾戯院
Add: 新竹県橫山郷内湾村中正路227号
Tel: +886-3-5849260
湖口(フーコウ)老街(伝統の商店街)の起源は清代に遡る。当時ここに鉄道の駅が設けられたことで、一時は繁栄したが、日本時代の1929年以降、駅の移転により衰微したという。老街に残る赤煉瓦の古民家群は保存が行き届き、伝統の細長い町屋は希少なものである。老街には三元宮を起点とし、古い雑貨店、手作り豆腐店、古い映画館をリノベーションしたレストラン、八角楼を改修した客家文化館が立ち並ぶ。「百年歳月」はレトロな食事処で、オリジナルの客家料理を提供するほか、骨董風の家具も販売している。
百年歳月
Add: 新竹県湖口郷湖口老街163号
Tel: +886-3-5693177