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街道散策ーー三峡・板橋 日帰りの旅

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三峡・板橋

日帰りの旅

 

企画構成/鍾昀彤 文/劉宛昀 攝影/宋育玫

 

「板橋(バンチャオ)」は新北市でもっとも人口が多く、交通の要衝に位置することから、台湾北部の政治経済の中心地になっている。数々の名所旧跡のほか、賑やかな夜市もあって、近年は観光の拠点としても注目されている。

 

同じく大漢渓畔に位置し、板橋の上流にあたるのが三峡(サンシャー)である。大漢渓のほか三峡河・横渓が合流することから、日本時代に「三峡」と呼ばれるようになった。水運の便を利用して商業の要地として栄え、地産の茶葉・染め物・樟脳などが内外に搬出された。その後、川底に土砂が堆積して、水運は衰微したが、その明媚な風光が愛でられ、北部を代表する観光スポットになった。また近年、台北大学が設立されたのを契機に人口が増加に転じたともいう。かつて繁華を極めた商店街「三角湧街」には福建伝統の軒並にバロック風の建物が加わり、独特の風情を醸している。現在は「三峡老街」と呼ばれ、工房やギャラリーのほか古風な食堂が並ぶ、歴史情緒あふれる街道をじっくりと歩いてみたい。

 

 

Access

台北市内から板橋へ:

台北 MRT 5板南線の江子翠駅 - 亜東医院駅間は板橋区内にあたる。新北市政府ビル(市役所)に隣接する板橋駅と府中駅は板橋でもとくに繁華な一角。ここから林家花園・湳雅夜市へも徒歩圏内だ。

 

 

台北から三峡老街へ:(車で約 30 分)

1. 台北 MRT 板南線永寧駅より路線バス 705、706、916、922、藍 43 に乗り換えて三峡老街へ

2. 台北 MRT 板南線新埔駅より路線バス 910 に乗り換えて「三峡国小」下車後徒歩で老街へ

 

 

三峡の見どころ

三峡老街

「三峡老街」とは山と川に隣接する約 260 メートルの民権街一帯を指し、「老街(ラオジェ)」と称される伝統の商店街の中でも台湾で最長といわれる。明代末期に中国大陸からの移住者開墾に入った。河畔で水の便がよいことから、沿岸に集落ができ、清代乾隆期に入り、三角湧街と称される商店街が形成された。当時付近で染料用のリュウキュウアイが生産されていたことに加え、水量も豊富で、染色業が勃興。波止場とその周辺は、茶葉・染め物・樟脳の三大物産の集散地として栄えた。

 

 

日本時代に入ると、表通りの家並みが欧風に改められ、和洋中のデザインや紋様がコラボした独特の景観が誕生した。商店街入り口には二階の展望台に通じる階段があり、見事に設計された街並みが一望できる。

 

三峡拱橋 (アーチ橋)

 

1933 年竣工したアーチ型の橋。往時は三峡と市街を結ぶ貴重な架け橋だった。現在は三峡を代表するランドマークとして知られる。

 

三峡長福巌

 

1767 年の創建と伝えられる「三峡長福巌」、俗に「三峡祖師廟」とも称され、福建省泉州安渓県の高僧清水祖師を祀っている。艋舺祖師廟・淡水祖師廟とともに台北三大祖師廟とされる。建物は幾度も再建を余儀なくされてきたが、大戦後は李梅樹教授の手で全面的な改装が執り行われ、面目を一新した。台湾でも比類ない精緻な石彫が施されたことでその名を高め、とくに本殿の「三層双龍柱」「花鳥柱」「百鳥朝梅柱」は台湾宗教美術の結晶といわれる。

 

Add: 新北市三峡区長福街 1 号

 

庶民美術館

 

地元のアーチスト「呉冠徳」とその一家が古民家を改装して開いた私設美術館。その名の通り庶民の暮らしの中で磨かれてきた雑器や美術品・工芸品のなかに「美」を発見しようという試みだ。なかには骨董的価値をもつものも少なくない。一家は三代にわたり三峡に住まう。呉さんは美術教師を務めたこともあるが、現在は山河をテーマに水彩画・油絵を描いており、その作品もあわせて展示している。館内のカフェテラスでは、台湾産のコーヒーや有機果汁を提供している。

 

Add: 新北市三峡区民権街 110 号

Open: 木曜-日曜 12:00- 18:00

Tel: +886-2-2671-2009

Ticket: 大人 NT$ 20、子供無料

Web: www.facebook.com/SuChiungArtMuseum/

 

井香階咖啡茶館

 

デザイナーの経験をもつオーナーが赤レンガの古民家を借り受けて、複合式レストランを開設。入るとオリジナルデザインのファッションを展示販売するショップとなっており、中庭を抜けたところにレストランがある。小さな庭には、百年の歴史を持つ井戸が残り、壁には李梅樹教授の画作が掛けられている。屋根裏を利用した天窓からは燦燦と自然光が差し込み、陽だまりのような温かい空間を生み出している。花茶や手作りスイーツが人気だ。

 

 

Add: 新北市三峡区民権街 96 号

Open: 平日 10:00- 18:00 週末 10:00- 20:00

Tel: +886-2-2671-0138

 

三峡の美食・手土産

金牛角麺包 (三峡クロワッサン)

 

三峡を代表する名物の一つで、サックリとした皮としっかりした歯ごたえが大勢の人に愛されている。三峡市場内にある福美軒はこのクロワッサンの生みの親で、昔ながらの味を販売する。老街に数店舗を置く康喜軒は、黒糖もち、チョコレート、アイスクリームなど様々なテイストのクロワッサンが旅行者に人気だ。

 

福美軒

Add: 新北市三峡区信義街 25 号

Open: 8:00-18:00、月曜定休

 

康喜軒

Add: 新北市三峡区民権街 44 号

Tel: +886-2-2671-1767

Open: 8:00- 20:00

 

三角湧醤菜茶(醤菜坊)

 

三峡祖師廟近くの漬け物専門店。なんといってもお勧めは、豆腐を発酵させて作った自家製豆腐乳。プレーンのほかピリ辛・四川風ごま油・紅麹などのテイストがある。台湾伝統食品のメッカである。

 

Add: 新北市三峡区長福街 12 号

Open: 9:00- 19:00

Tel: +886-2-2673-1899

 

勇伯豆花

 

玄関に赤い提灯を掛け、店内はレトロな風情。人気が高いスイーツショップで、アイスとホットの豆花(トウホア)に、緑豆・小豆・餡入り団子、タピオカなどを選んでトッピングできる。伝統のかき氷も、黒糖・パッションフルーツ・ストロベリーなどのテイストがある。濃厚な味わいのピーナッツミルク、小倉ミルクもお薦めの一品。

 

Add: 新北市三峡区民権街 139 号

Open: 平日 11:00- 18:00、週末 11:00- 20:00

 

古伯手工米苔目

 

三峡公設市場のすぐそば。「米苔目」は一種のライスヌードルである。スープのあるタイプとないタイプが選べる。また米苔目以外に、ワンタンや魯肉飯などをそろえる。つるりと滑らかな米苔目は肉そぼろ・セロリ・コリアンダーとの取り合わせがぴったり。小皿料理やスープもあわせてオーダーしたい。

 

Add: 新北市三峡区民権街 9 号

Open: 平日 8:00- 18:45 週末 8:00- 20:00

 

 

板橋の見どころ

湳雅夜市

 

湳雅夜市は南雅路が目印。最寄り駅は MRT 府中駅で、新北市でも最大の規模を誇り、30 年以上続く伝統の夜市である。午後4時を過ぎる頃から店が開き始める。道の中央に整然と屋台が並び、道側にはテーブルや椅子を具えた飲食店もあるので安心。なかでも 24 時間営業の「眼鏡仔猪血湯」は、豚の血入りスープ、カキ入り台湾ソーメン、焼きそばが看板料理だ。このほか、「許記薬燉排骨」、「懐念排骨酥湯」、「板橋宋家」と人気店が集まる。

 

Open: 16:00- 深夜 01:00

 

新北市政府ビル展望台 

 

板橋駅の真向かいにある新北市政府ビル(市役所)は、33 階建ての豪壮な建物。32 階に無料展望台が設置され、180 度のワイドビューで板橋市街を一望できる。直行エレベーターが用意されている。

 

Add: 新北市板橋区中山路 1 段 161 号 32 階

Tel: +886-2-2960-3456

Open: 8:00- 23:00

 

林本源園邸(林家花園)

 

かつて台湾五大富豪と称された林本源が 1853 年頃巨額を投じて建設した敷地面積六千坪を超える庭園。台湾では希少な清代の園林風庭園であることから、国の史跡に指定されている。来青閣・汲古書屋などの建物を中心に、山水を取り入れた優美な構成は素晴らしい。

 

Add: 新北市板橋区西門街 9 号

Tel: +886-2-2965-3061

Open: 9:00- 17:00 (金曜 19:00 まで)、第一月曜・旧暦除夜・旧正月元旦休園

Web: www.linfamily.ntpc.gov.tw

Ticket: NT$ 80


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