企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/季子弘・陳正国・視野創異行銷
台東
東海岸の旅
台湾東部の花蓮県から台東県にまたがる海岸線を「東海岸」という。太平洋に面した東海岸は、青い空、コバルトブルーの海に翡翠色の山脈が迫り、海辺の風景と田園風景が同時に楽しめる美しいエリア。阿美族(アミ族)をはじめとする台湾原住民族が数多く暮らしており、多彩な文化風景にも出逢うことができる。今回旅するのは、台東県の成功(チャンコン)・都歴(ドゥーリー)・都蘭(ドゥーラン)と、台東県最大の街・台東市。ゆっくり時間をかけて、海岸部の絶景と文化を訪ねる旅に出かけよう!
おすすめコース
1日目:台湾鉄道台東駅→台東市
2日目:東海岸観光(成功・都歴・都蘭)
3日目:台東市→台湾鉄道台東駅
Access:台湾鉄道台東駅からバス・レンタルバイクで各スポットへ
※バスは本数が少ないためチャータータクシー利用をおすすめ
台湾好行バス(日本語)
Web:www.taiwantrip.com.tw
鼎東客運バス
Web:www.ddb333443.com
普悠瑪客運バス
Web:bit.ly/3P8FBGM
東部海岸国家風景区(日本語)
Web:www.eastcoast-nsa.gov.tw/ja
台東観光旅行網(日本語)
Web:tour.taitung.gov.tw/ja
活水湖
台東市中心街にほどちかい卑南渓河口に位置する「台東森林公園」は、約300haの広大な敷地を持つ市民の憩いの場。防風のために河口沿岸に植えられたモクバオウの林や湖、河口の湿地帯の風景に心癒される、サイクリングやバードウォッチングに最適のスポットだ。
公園南端の「活水湖」は縦幅約1㎞、横幅約100mの人工湖で、ウォータースポーツやドラゴンボート大会、トライアスロン大会など各種イベントが行われる会場としても知られている。活水湖西側の「琵琶湖」は澄んだ水をたたえる湧水湖で、樹々に囲まれた湖水の風景は一幅の絵のような美しさだ。
森林公園の自転車歩道
森林公園と海濱公園をつなぐ緑水橋
海濱公園
向陽樹からは太平洋の風景を一望できる
森林公園西側の「海濱公園」とは自転車歩道で接続している。海濱公園に入ってすぐ目に入るのは、公園のシンボルとなっているインスタレーション「向陽樹」だ。中央のドームは1本の大樹で、大きな枝で多民族が共生する台東の土地と人々を包み込んでいる。
ドーム両脇のスロープに設置された波型の屋根は波と山脈を象徴。ドームと屋根には天然木を薄くスライスした板材が編み込んであり、自然な風合いが海辺の自然の風景と見事に溶け合っている。ライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれる夜間の訪問もおすすめ。
ドーム内に広がる向陽樹の枝
台東森林公園
Add:台東県台東市華泰路300号
Open:7:00-17:30
Ticket:NT$30
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス陸海空快線または市区循環線で「台東森林公園」下車
海濱公園
Add:台東県台東市大同路
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス市区循環線で「海濱公園」下車
※各公園入口にレンタサイクル店あり
鉄花村
台東波浪屋-TTstyle原創館
台湾鉄道台東駅から車で15分の旧台東駅周辺は、台東市でもっとも活気のある市の中心街だ。旧台東駅の敷地を利用した文化施設「鉄花村音楽聚落・慢市集」は、夕方から夜にかけてライブハウスやカフェ、屋外マーケットめぐりが楽しめる散策スポット。夕暮れ時には数えきれないほどのランタンに灯りがともり、あたりはロマンチックな雰囲気に包まれる。
通路に並ぶテントでは地元アーティストのオリジナル雑貨や小規模農家の農作物が売られている。ストリートミュージシャンの歌声に耳を傾けながらマーケットを見て歩けば、思わぬお気に入りの品物が見つかるかも。駅の和風建築駅舎をリノベーションしたライブハウスやカフェも雰囲気満点で、ゆったりした気分で台東の夜を満喫できる。
鉄花村に隣接する「台東波浪屋-TTstyle原創館」は、台東ならではのお土産やカフェ、バーが集まる複合ショップ。コンテナと山を思わせる曲線を組み合わせたユニークな外観は、撮影スポットとして人気を集めている。
宿舎跡を利用したカフェ
鉄花村音楽聚落・慢市集
Add:台東県台東市新生路135巷26号
Open:ライブ:水曜-土曜20:00-22:00、日曜19:30-21:00
ショップ:水曜-日曜16:00-22:00
週末市場:金曜18:00-22:00、土曜・日曜17:00-22:00
Web:facebook.com/tiehua
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス市区循環線で「体育館(鉄花村)」下車
台東波浪屋-TTstyle原創館
Add:台東県台東市新生路105号
Open:10:00-24:00ごろ(各店舗により異なる)
台東糖廠文創園区
製糖工場倉庫
1913年(大正2年)に建築された台東製糖株式会社の製糖工場。戦後は台湾糖業の工場となったが、1960年代以降は徐々に製糖業が衰退し、工場は1996年に操業を停止した。工場建物本体、倉庫群などがほぼ完全な姿で残っており、台東に現存する最大の産業遺産として歴史的価値が非常に高いため、2004年に台東市の歴史建築に指定されている。
製糖工場入口
現在は、敷地内にカラフルなインスタレーションが設置され、製糖工場の従業員宿舎、倉庫、車庫などにはカフェや台湾原住民族のアーティストの工房などが入居し、観光客や市民が集う文化複合施設として生まれ変わっている。
1903年製造の貴重な木造貨物車両
旧砂糖倉庫をリノベーションした「邸 Tai Dang - 創生基地」は、異なる専門領域を持つ青年が集まり共同運営している複合空間。館内には、台東各地の小規模農家や食品・雑貨ブランドのブースが並び、地方創生プラットフォームの機能を果たしている。ここに来れば、ひと味違う台東土産が見つかるだろう。
砂糖倉庫を利用したショップ(邸 Tai Dang)
カウンターでは一部商品の試食・試飲ができる(邸 Tai Dang)
魅力的な台東ブランドが一堂にそろう(邸 Tai Dang)
台東名産の茶葉や酒類(邸 Tai Dang)
「庫空間」には、もとは車庫だった空間にアトリエやショップが集まっている。台東の小規模農家が育てた新鮮な野菜や果物などの農産品のほか、台東限定の食品土産が手に入るので、ホテルに持ち帰って味わうのもおすすめ。園区内に散らばる味わいのある古い建物をめぐりながら、台東の宝探しを楽しもう!
車庫を改造した店舗(庫空間)
窓の外に広がる美しい田園風景(庫空間)
土産物にも人気の新鮮な農産物(庫空間)
台東糖廠文創園区
Add:台東県台東市中興路二段191号
Open:8:00-22:00ごろ(店舗により異なる)
Ticket:入園無料
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス陸海空快線または市区循環線で「台東糖廠」下車
邸 Tai Dang - 創生基地
Add:台東糖廠文創園区(砂糖倉庫-1)
Tel:089-343-941
Open:12:00-18:00、火曜-木曜定休
Web:facebook.com/DeTaiDang
庫空間
Add:台東糖廠文創園区(汽車庫)
Tel:089-233-191
Open:10:00-21:00
Web:facebook.com/the.garage.taitung
台東有知鳥
製糖工場の古い倉庫の中にひっそり佇む隠れ家カフェ。倉庫をリノベーションした店内はモダンなインダストリアル風のインテリア。棚にはオーナー夫人が制作した陶芸作品や知人アーティストやショップの作品が並び、ギャラリーのような雰囲気もある。大きな掃き出し窓からは周辺の稲田が一望でき、天気の良い日は広々としたテラス席で食事をするのも気持ちがいい。
料理・パン・スイーツは台湾各地の確かな品質と味わいの農産物を厳選し、オーナー夫人が手作りしている。料理のおすすめは、鶏もも肉のレモンステーキ「香煎黄檸檬風味去骨紅玉鶏腿排」。
手前から時計回りで香煎黄檸檬風味去骨紅玉鶏腿排、甘蔗檸檬気泡飲、焦糖香蕉米布丁
デザートには、ミルクでリゾット風に煮た台東産米にバナナとカラメルを合わせた冷たいライスプディング「焦糖香蕉米布丁」を。ドリンクはサトウキビとレモン汁の炭酸水割り「甘蔗檸檬気泡飲」が夏にぴったり!
Add:台東糖廠文創園区(萬富倉庫)
Tel:089-239-428
Open:9:00-17:30、日曜-水曜定休
Ticket:ミニマムチャージ:1人1品
Web:facebook.com/wonderfulpodpod
馬蘭火車站
1922年(大正11年)設立の台湾鉄道の駅。2001年に現在の台東駅の開業に伴い、旧台東駅とともに廃止された。現在は旧線路跡が自転車道として整備されており、人気のサイクリングスポットとなっている。時間があれば台東糖廠文創園区内のレンタサイクル店で自転車を借りて、旧台東駅までのサイクリングに出かけてみよう。
Add:台東県台東市東糖街91号
台東市B級グルメ
四維路陳家蔥油餅臭豆腐
蔥油餅加蛋
看板メニューの「蔥油餅(ネギパイ)」はふんわり厚めの生地が特徴。香りのよい九層塔(台湾バジル)入りの卵焼きを加えた「蔥油餅加蛋」なら、満足感がよりアップする。
臭豆腐
発酵させた豆腐を揚げた「臭豆腐」は、カリカリの豆腐にとろみのあるたれをしみ込ませ、泡菜(キャベツの漬物)と九層塔を合わせていただくと美味。
猪血湯
「猪血湯」は、豚の血を固めた豆腐のような「猪血」と豚の大腸、ニラ入りのあっさりスープで、付け合わせにおすすめ。
黒輪(おでん)
Add:台東県台東市四維路一段485号
Open:月曜14:00-18:15、火曜-日曜14:00-19:00
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス市区循環線で「天天来」下車、徒歩5分
Sunday's Uncle星期日叔叔
梅干扣肉
正気路の人気ファストフード・レストラン。ピザやフライなどの洋風の料理のほか、粥や麺類などの台湾料理の軽食を提供している。注目は「台湾バーガー」として知られる「刈包」。伝統的な豚の角煮を中華まんの皮の饅頭で挟んだ「梅干扣肉」をはじめ、焼き肉を挟んだ「醤焼牛肉」、ツナサラダ入りの「鮪魚沙拉」のほか、揚げた饅頭にアイスや練乳を合わせたスイーツ系の「炸刈包」も用意しており、ひと味違った刈包が味わえる。
醤焼牛肉
Add:台東県台東市正氣路114号
Open:11:00-20:30、木曜定休
Ticket:ミニマムチャージ:イートインは1人NT$100
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス市区循環線で「中華正気路口」下車、徒歩2分
古早味阿桑剉冰
40年近くにわたり愛されているかき氷店。かき氷は黒糖シロップをかけた昔ながらの味わい。緑豆、紅豆(小豆)、花生(落花生)、粉圓(タピオカ)、仙草ゼリーなどのトッピングは毎日新鮮な食材を使用し店で手作りしており、なかでも地元民のイチ押しのわらび餅に似たつるつる食感の「粉粿」は必食だ。しっかりした食感と大豆の風味が楽しめる豆腐プリン「豆花」も人気。
トッピングは全部のせもOK!
Add:台東県台東市光明路204号
Open:8:00-17:00
Access:台湾鉄道台東駅から普悠瑪客運バス市区循環線で「中華正気路口」下車、徒歩3分
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。