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街道散策ーー古都台南 今どきの「カフェ・雑貨・ギャラリー」

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文/曹沛雯 写真/陳志華


台南は台湾最古の都市ながら、現代芸術の聖地となりつつある。近年当地には新しいタイプのギャラリー・パフォーマンススペース・デザインホテル・プロダクションパークが続々開幕しており、古い町の各所に芸術の花が開き始めている。そうした新しい風潮が伝統の文化に再生のエネルギーと活力を与え、新旧が共鳴し合う独自の町造りが絶好調なのだ。


伊日美学+DOU Maison 兜空間

 古い洋館に、ファッション・生活・骨董・飲食が共生する空間。隣の「林百貨」と同様に昭和初期の1932年に創建された建物をファッションデザイナーの竇騰璜が買い上げ、CJ Studioを主宰するデザイナーの陸希傑にリニューアルを依頼。共同の理念をもつブランドが一堂に結集して小型のコンプレックスモールが誕生した。


 入口右手の一・二階は、竇/張李のオリジナルデザインショップ、左手一・二階は「伊日美学」が開設した飲食空間「日光大道台南廚坊」。「伊日美学」は「芸術を暮らしの中に」をモットーに、マンボな欧風ベーカリーを経営する。黒を基調とするインダストリアルなスペースにアートがいっそう引き立つ感がある。メニューは種類豊富で、サラダの野菜は台南の巨農有機農場から、キノコ類は彰化埔心の蕈優農場から調達。焼エビは宜蘭産の金車無毒蝦、ドリアは花蓮産の銀川長秈米を使用している。

 三階左手は「伊日美学生活提案」で、essenceのセラピー生活用品・有機綿の寝具を販売している。テラスには小さな花壇がしつらえられ微笑ましい。三階右手は「加工廠FABRIK」。骨董蒐集家の簡銘甫が営む欧州のリサイクル家具や生活用品を販売している。4階は若手のアーチストを対象にした展示・パフォーマンススペース。

Add:中西区中正路31号
Tel:+886-6-2211800
Open:1F・2F 11:30-22:00
     3F・4F 13:00-21:30
日光大道台南廚坊L.O.20:45,ミニマムチャージ$150


The Place老爺行旅

 南紡夢時代ショッピングモールの「老爺行旅」は、台湾を代表するホテルチェーン「老爺酒店集団」が初めて手掛けたデザインホテル。台南ならではの街の個性に注目し、オランダのMecanoo建築事務所に内装を依頼、地元の建材や街の景観を重視したモダンな風格を実現した。


 老爺集団の沈方正執行長は次のように語っている:「台南老爺行旅は外来の客人をもてなすだけでなく、地元の文化工作者・創作家・デザイナーに無償の表現スペースを提供することが大きな目的です。近年、台南には多くのアーチスト・工芸職人・デザイナーが夢を求めて集まってきました。老爺行旅はそうした心意気に応えたいのです」。こうした趣旨から台南老爺行旅には台南文化交流のための空間が設けられており、作品の展示や文化講座およびライブパフォーマンスが披露できる仕組みだ。

 5階の甘粹餐庁は、実験的なイタリアンレストラン。台南の旬の食材を使って多様な可能性を模索している。例えば名物の関廟麺を利用して開発したのが、「イタリア風関廟蝴蝶海鮮麺」。また「馳放関子嶺」は、関子嶺温泉での湯浴みをイメージしたオリジナルカクテル。

Add:東区中華東路一段368号
Tel:+886-6-2366168
Web:www.hotelroyal.com.tw/tainan/
台湾鉄道台南駅からタクシーで10分

兩倆咖啡

 視覚と音楽がコラボしたカフェ。一方が絵画、一方が音楽活動に従事していた夫妻が共同経営することからこの名がある。一階は展示空間、二階でコーヒーや手作りケーキ・クッキーを販売している。現在花芸家との提携により、店内がまるで温室のような花園となっている。



 顧客に音楽を身近に感じてもらいたいと、オーナーは隔壁の一室を借りて、「響響」と名付けた小型のライブ空間を設け、一般に開放している。

Add:中西区信義街100号
Tel:+886-978-266697
Open:14:00-21:00 (月曜・木曜定休)
Web:www.facebook.com/2liang


未艾公寓

 「公寓」とは中国語で「アパート」の意味。「未艾」は、カフェ・ギャラリーおよびリサイクル家具の「56Deco」が「入居」する。カフェの壁には多彩な作品が展示され、その前にはソファが置かれているので、ゆっくり鑑賞できる。メニューはコーヒー・茶・ビール・ワッフルといたってシンプル。友人たちとちょっと立ち寄りたいスポットだ。

Add:中西区正興街77巷10号
Tel:+886-6-2226696
Open:13:00-21:00 
Web:www.facebook.com/welove7710


絶対空間

 細長く古いアパートをリニューアル。一階は展示スペース、二階は爐鍋咖啡、三階はオーナーの工房。「絶対」と名付けた空間を、オーナーは、装置芸術の実験的スペースとしている。オリジナルデザインのキャンバス生地の台南地図はお土産に最適。

 二階の爐鍋咖啡は台北から移転した名店。小さいながら前後二つの棟をもつ。壁画が温もりを漂わせ、隔壁の空地では不定期にバザーが開かれる。 

Add:中西区民生路一段205巷11号
Tel:+886-6-2233805
Open:11:00-19:00,月曜定休
Web:www.facebook.com/abaspace


么八二空間

 3階建ての二つのアパートをリニューアルした空間。一階後方にバーがしつらえられているほか、バルコニーを含めすべて現代芸術の展示やパフォーマンスに供されている。主宰する陳正杰は若い創業者で、有名五つ星ホテルやデパートで「么八二展」を開催するなど、異業種との提携に火花を散らす。ギャラリーでは若手の新鋭を抜擢し、その実験的作品を世界に発信している。


Add:中西区新美街182号
Tel:+886-6-2230968
Open:14:00-24:00,火曜定休
Web:www.facebook.com/182artspace


台南知事官邸

 百十五年の歴史をもつ台南知事官邸は貴賓の宿泊にも使用された優美な赤レンガ建築だが、現在、読書・音楽・講座が楽しめるサロンとなっている。一階の「官邸時光」では生活雑貨や台湾ならではの工芸品・音楽など最新のトレンドに触れることができる。二階の「知識沙龍」では1900-1932年の骨董家具が展示され、往時の趣を再現している。



 この知事官邸には避難用の地下道が設置されていた。そこにはアーチストの張新丕の手になる「1900年の台湾風景画」がしつらえられている。斬新な3D映像によりかつての官邸周囲の風景が幻のように浮かんでくる。


Add:東区衛民街1号
Tel:+886-6-2367000
Open:10:30-21:00,月曜定休
Web:www.otmr.com.tw


321巷芸術聚落

 台南駅とバスターミナル付近に位置する。かつての「日本軍歩兵第二聯隊官舍群」が、台南市の史跡に指定され、芸術村にとして再生した。荒廃していた軍営の跡地に現在七つの創作チームが進駐し、金曜から日曜まで一般参観に開放されている。

 321巷の入口には書道家と銅彫家に手になる見事なデザインのゲートが用意され、目を引く。

Add:北区公園路321巷
Tel:+886-6-2231903
Open:終日
itainan.tnc.gov.tw


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