陶芸の聖地
鶯歌区は新北市の西端に位置し、三峡区・桃園県市と隣接する。市の北方の山腹にオウムに似た巨岩があり、これを「鶯歌石」と呼んだことから、地名の由来となった。清代に近くの尖山から良質の粘土を産することが発見され、陶磁器業が勃興した。清代・日本時代はまだ農業が主、陶業が従だったが、大戦後は製陶技術の進歩と交通網の整備、そして台北に接するという好立地から、台湾陶磁器工業の中心地に成長した。最盛期、陶磁の工場は一千軒を超え、生活器のほか、建材や工業品までカバーするなど範囲は広かった。
鶯歌老街では週末や休日になると、街頭芸人のパフォーマンスも行われ、大勢のツーリストや買い物客が訪れる。鶯歌駅から文化路に沿って歩くと、日本時代から残る「汪洋居」を目にできる。福建風の建築にバロックの風情が加わる壮麗な建築である。鶯歌老街上には多くの陶芸店が立ち並び、体験課程も用意されている。重慶街にはいまも古い煙突が残り、長い歴史を感じさせる。
鶯歌陶磁器博物館
鶯歌陶磁器博物館は台湾で初めての陶磁器を主題にした博物館。館内では陶芸に関する知識と歴史を学ぶことができるほか、いろいろなスタイルで名作展が開催されている。陶芸研習室や児童体験室ではツーリストも陶芸体験に挑戦できる。館の後方は広々とした陶磁器芸術公園となっており、大型のオブジェが陳列されているほか親水施設や露天のステージも設置されている。
陶芸研習室
陶博館地下二階の研習室では半月ごとにさまざまな陶芸課程が開かれ、愛好家ににとっては学習・創作・交流の貴重な場所となっている。コースによって50-150元の費用がかかる。
生活好美麗文化商品概念店・陶品集
「生活好美麗文化商品概念店」では、さまざまな手作りの工芸品が販売されているほか小型の展覧スペースももうけている。台東名産の「春一枝」は、陶磁器装飾のアイスキャンデーで、お土産に最適。「陶品集」は陶芸品を販売するバザール。珍しい趣向のマグカップや皿が手に入る。
新北市立鶯歌陶磁器博物館
Add:新北市鶯歌区文化路200号
Tel:(02)8677-2727
三鶯陶花源
芸術文化推奨のため新北市では鶯歌区大漢渓河畔に三鶯芸術村の建設を進めている。「児童芸術教育」をテーマに、「工房」「展示ホール」を設置するほか隣接の三鶯陶花源には自転車道・陶磁器によるオブジェ・水上ステージが設置され、文化・教育・芸術の機能を具えた緑地公園となる。
三鶯陶花源
Add:新北市鶯歌区館前路300号
Tel:(02)8678-2277
富貴陶園
富貴陶園は鶯歌を代表する芸術レストランで、工芸を愛する人たちの交流をコンセプトとしている。一階では台湾人工芸作家の常設展、地下一階では不定期に内外のアーチストによる特展が開催される。展示ホールのそばには工芸品やアイデア商品を展示即売するスペースがあり、芸術をより身近に感ずることができよう。欧風料理を提供するレストランは二階に位置し、メニューからインテリアまで芸術レストランの名にふさわしい。まさに美食と芸術がコラボした希少なスポット。東坡羊膝飯やドイツの脆皮猪脚が看板メニューとなっている。
Add:新北市鶯歌区重慶街96・98号
Tel:(02)2670-5250;(02)2670-5260
(一般の食事は三日前に、団体の食事は一か月前に要予約)
老街風情館
廃棄された窯場をリニューアルした中華レストラン。陶器によるゲートの装飾から原木のテーブルや食器に至るまで鶯歌の特色を生かしてオーダーされたもの。煙突が林立する景観はいまはないが、老街風情館では煙突をイメージした食器を採用している。煙突の蓋をあけるとなかには香ばしい「香椿菇香思豆紫芋煙突飯」が待ち受ける。さらに「東坡悶肋排」「上湯芝士明蝦」「白玉鮮菇燴娃娃菜」など個性的な料理がノスタルジックな風情を醸す。
Add:新北市鶯歌区重慶街77号
Tel:(02)8678-0288
Open:10:00-23:00